はぐれ鷹 の商品レビュー
鷹匠を目指し「最後の鷹匠」と呼ばれる富樫聡一郎に弟子入りした杉浦岳夫。屋根裏部屋で若い雄鷹「神室号」をあてがわれ調整と訓練の日々を過ごす。やがて独立し山形県月山山中の山小屋に移住するが、「神室号」の不幸とマスコミ取材など苦難に見舞われる。師弟関係の話よりむしろテレビクルーの幼馴染...
鷹匠を目指し「最後の鷹匠」と呼ばれる富樫聡一郎に弟子入りした杉浦岳夫。屋根裏部屋で若い雄鷹「神室号」をあてがわれ調整と訓練の日々を過ごす。やがて独立し山形県月山山中の山小屋に移住するが、「神室号」の不幸とマスコミ取材など苦難に見舞われる。師弟関係の話よりむしろテレビクルーの幼馴染みである久美との関わりが深まる。山中での孤独な岳夫、鷹にあらず生物の本能と遺伝について考えるくだりに感銘した。最後の数十ページでの角鷹「月山号」とのやり取りが壮絶で、ラストの結末は予想外だった。
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熊谷達也先生の作品の主人公はどうも女運が悪い。 大体はかっこいい主人公なのに今回は純朴で正直なんだけど気が小さく不器用。 本当は最後で鷹を育てて立派な鷹匠になることを期待していたのに… 読み終えた後、モデルとなったであろう人の情報を調べたけど、安心しました。 是非続編や、師匠の生涯を描いた作品も書いてほしい。
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動物と人間の関わりを描いたらピカイチの熊谷達也さん、今回遅ればせながら「はぐれ鷹」を読みました。2007.10発行です。読み応えがありました。この作品は、「鷹匠」をテーマにした物語です。読後、鷹と人間の魂と魂、プライドとプライドのぶつかり合いがずっと心に残りました。ストーリーとし...
動物と人間の関わりを描いたらピカイチの熊谷達也さん、今回遅ればせながら「はぐれ鷹」を読みました。2007.10発行です。読み応えがありました。この作品は、「鷹匠」をテーマにした物語です。読後、鷹と人間の魂と魂、プライドとプライドのぶつかり合いがずっと心に残りました。ストーリーとしては、私の期待通りのラストに着地はしていただけなかったですが~(^-^) 空を自由に駆け巡り鳥の王者として君臨する「鷹」、動物園で飼育されてる「鷹」、そして、絶食・呼び戻し・鷹狩りなどの厳しい訓練を受け鷹匠と共に生きる「鷹」!
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熊谷達也の真骨頂は、動物小説である。しかも、東北や北海道の風土に根ざしたマタギを主人公にした小説で彼は生きてきた。その変形バージョンは最近では沢山書いているが、今回、この若い鷹匠を主人公にした作品で新たな地平を開こうというような意気込みを感じた。 岳央はつくづく作者の分身のよう...
熊谷達也の真骨頂は、動物小説である。しかも、東北や北海道の風土に根ざしたマタギを主人公にした小説で彼は生きてきた。その変形バージョンは最近では沢山書いているが、今回、この若い鷹匠を主人公にした作品で新たな地平を開こうというような意気込みを感じた。 岳央はつくづく作者の分身のように思える。大学を出た平凡な青年のようでいて、非常にマイペース超世俗的なところがある。鷹匠は人間は従、鷹が主でなければならない。しかし、育てるのは鷹匠の根気である。朴訥な青年に惹かれる女性の存在がでてくるのも、いくつかの突然の挫折の後に、鷹が突然の次の成長段階に入っていくのも、作者の半生を反映しているかのようだ。 人間とは実にちっぽけな存在だとあらためて思う。懐深い山塊の狭間にあっては、人の営みなど無に等しいものであり、自然の気まぐれの一捻りで、いともたやすく生命そのものが呑みこまれる。人の生き死になど、自然にとっては、なにほどのこともない瑣末な事象にすぎない。 それでいい。 それでいいのだ。 もの言わぬ自然によって、かろうじて生きることが許されているのが、人間の、そして、すべての命の真実の姿だ。 岳央はそのように呟くが、それはたぶん作者の思いそのものだろう。「はぐれ鷹」とは岳央であり、物語終盤岳央とともに過ごす親鳥から見離された鷹であり、そして作者である。ラストは非常に厳しい決意する岳央を描く。物語の流れから言うと、もっと希望を持たせたラストでもよかったのではないかと思うのではあるが、これをラストにもっていくところに私は作者の「美学」を感じた。「鷹のことを分かったかのように描きたくは無い……」あえてエンタメをぶち壊してまでこれを描いたところに私は作者の未来を感じる。(3/4読了) ‥‥‥今回の地震に対して、作者はどのように感想を抱いたのだろうか。興味があってHPやツイッターを探してみたが見つからなかった。「それでいい。それでいいのだ」と果して言うのかどうか。
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面白いかというと、そうとは言えない作品かも。 でも、自分の知らない鷹匠の世界を肌で感じれたような気がするのと、味わいのある山間部の自然の描写が◎。個人的に、この作家の文体が受け入れ易いのだと思う。
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せっかく題材が良いのに よくわかんないマスコミと 意味のない恋愛模様は なくしてほしい。。。
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鷹匠の小説 始めて。 鷹匠について 小説を書いたんだろうけど なかなか面白くて一気読み。 鷹とのやり取りがとても臨場感が あって よかった。 終わり方がいまひとつ。
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鷹匠を目指す岳央は、師匠に不安と不満を覚えて独立するが── 直木賞受賞作『邂逅の森』に連なる人間と動物の交流を描く感動作
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鷹匠という馴染みのない題材は面白かったけれど、物語の中途半端感が否めまセン。アレ。もう終わり?みたいな… 続くのかなぁ…。
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「細かすぎて伝わないモノマネ選手権」におけるくじらのモノマネってことか?と、ふっと思わせるのは、これまで読んだ作品に比べて微かに人物の描写に薄さを感じてしまったせいかしら。面白くはあるんだけど、物足りなさも感じた。
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