愛さずにはいられない の商品レビュー
著者の青春時代に迫る自伝的小説。文庫本にして700ページ近くあるんだけど、面白くてどんどん読んでいける。でも、大半がデカダンな恋愛話で、ふと何でこんなダラダラした話を700ページも読んでるんだろうと思うこともしばしば。読む前に聞いていた話では、母親との確執にも迫っているということ...
著者の青春時代に迫る自伝的小説。文庫本にして700ページ近くあるんだけど、面白くてどんどん読んでいける。でも、大半がデカダンな恋愛話で、ふと何でこんなダラダラした話を700ページも読んでるんだろうと思うこともしばしば。読む前に聞いていた話では、母親との確執にも迫っているということだった気がするんだけど、そのあたりの書きぶりも期待に違って薄く、著者にしてみれば、いろいろ込めたものがあるんだろうけど、エンタメ的な面白さを除けばあまり得るところはなし。
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※このレビューにはネタバレを含みます
人生は二度体験することはできない。それが青春のひとときであれば、なおさら濃密なより輝きをもった時間として甦る。多くの青年が経験する、性的欲求が自分で抑えることができにくい時間。それは粗削りで剥き出しな時間だが純な時間でもある。思い出が、喜怒哀楽に満ち、彩多いものであればあるほど、しだいに哀しさが心の中に広がる。それは、時間とともに寂しさを伴った記憶となり、愛おしさに変わっていく。一度きりしかない人生の中で、そういう恋をできた人には、自分の時間が後ろ回しに何度も回ってくるはず。 作家藤田宜永のヰタ・セクスアリスが映像のように流れていく。レイ・チャールズの「愛さずにはいられない」の歌が聞こえてきそうだ。もう一つのありえたかもしれない人生について、想いをはせる時、あなたは何を思いますか。
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長い。完全な自伝。 主張云々はないけど、ひとりの一生をこうして見るツールとして大事。 「同じ意見や言葉を聞いても、誰がどんな立場で言っているかということが気になる性格」 「他人に内面をさらけ出すには、まず本人が自分の心の底に下り、それを言葉に換える作業を経なければ他人に通じるわけ...
長い。完全な自伝。 主張云々はないけど、ひとりの一生をこうして見るツールとして大事。 「同じ意見や言葉を聞いても、誰がどんな立場で言っているかということが気になる性格」 「他人に内面をさらけ出すには、まず本人が自分の心の底に下り、それを言葉に換える作業を経なければ他人に通じるわけがない」 「簡単に人を尊敬する人間は、簡単に人に幻滅する」 「 僕は君を愛している は正確でない。 僕は君を愛していると思う が正しい」 「劣等感をたくさん持ってる人間は、優越感も同じくらい持ってる」 「待つことが生きがいにもなる。答えの出ない幸せ、というものが世の中にはある」 「世の中の大半は不条理なもの」
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