隠す葉 の商品レビュー
前作よりも読みやすいものだったように思う。 言葉が絡まり、耳を叩くのをぺしりとしながらきちんと列を成しなさい、と言って読んでいった詩集。 一文、矢を放たれるものもあるのですが、 やはりあまり嵌らず。 よい詩人なのだろうとは思いました。
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やっぱり蜂飼耳の詩集は好きだ。生きる姿勢の良さを感じ、何気なく読んでいても、はっとさせられる言葉が無数に転がっている。「両目をあやす黒と白」「知らない人についていく」「扇男」「角」「ばらばらの虹」「古い肉」「腕を駆けてくる狼」が好き。
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蜂飼耳の詩をよむと、ざわざわと心の奥の方が騒がしくなる。「かつてモノ書きになりたかった自分が、」と頭の中で言葉が生まれ音になるのを聞いて、はっとする。 なりたかった自分? 「かつて」モノ書きになりたかったことなどない。 「今」モノ書きになりたい自分。 かつてモノ書きになりたかっ...
蜂飼耳の詩をよむと、ざわざわと心の奥の方が騒がしくなる。「かつてモノ書きになりたかった自分が、」と頭の中で言葉が生まれ音になるのを聞いて、はっとする。 なりたかった自分? 「かつて」モノ書きになりたかったことなどない。 「今」モノ書きになりたい自分。 かつてモノ書きになりたかったことを、今更ながらに自覚する自分。 その点在する意味の距離の、余りの大きさに、押し潰されそうになる。 言葉がしぼむ。消えてゆく。波紋の広がらない水面を眺める心地。動かない。動けない。溺れる。言葉に。 隠す葉、とは、隠す言葉、の比喩。隠されるものは、裸の身体。裸の気持ち。急いで、隠さなければ、全て焼き尽くされてしまう。 暗い処を潜り抜け、明るい方へと、もがく。息をつく。本当に? ああ、この痺れた頭で、酸素を求める自律神経を押さえ込み、一線を越えた処へ、飛んでゆく。再び地上に戻ることなど、考えもしないで。
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