言葉の海へ の商品レビュー
「言海」編纂者である大槻文彦の伝記小説、という紹介がなされているが「言海」の成立背景を描いたノンフィクション作品、という表現がより正確だ。 大槻文彦や大槻家三代の伝記としては叙述が全く足りない。そうかといって辞書そのものに注目しても編纂の情景描写は少なく、編纂に関するエピソードも...
「言海」編纂者である大槻文彦の伝記小説、という紹介がなされているが「言海」の成立背景を描いたノンフィクション作品、という表現がより正確だ。 大槻文彦や大槻家三代の伝記としては叙述が全く足りない。そうかといって辞書そのものに注目しても編纂の情景描写は少なく、編纂に関するエピソードも殆ど無い。 「幕末維新期の激動期に生きた知識人が、明治の国家的要請としての辞書編纂事業に邁進する時代背景を周到に描き出した、構えの大きなノンフィクション」とある解説が全く正しく本書を言い表している。 辞書編纂について知りたい読み手
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「天地明察」に近いニュアンスがあるが、主人公に描写を絞りきれておらず、明治史を主人公周辺でなぞった感があるので小説としては弱い。
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