世紀末画廊 の商品レビュー
かなり昔に購入して積んでいた澁澤龍彦の芸術エッセイ。 ジェームズ・アンソールが冒頭に出てくるのに心惹かれて買ったんだろう。たぶん。 最初の『世紀末画廊』は興味深く読めたんだけど、そのあとの幻想芸術、特にシュルレアリスムのあたりは、難解で読むのに苦労した。エッセイなのに……。 面...
かなり昔に購入して積んでいた澁澤龍彦の芸術エッセイ。 ジェームズ・アンソールが冒頭に出てくるのに心惹かれて買ったんだろう。たぶん。 最初の『世紀末画廊』は興味深く読めたんだけど、そのあとの幻想芸術、特にシュルレアリスムのあたりは、難解で読むのに苦労した。エッセイなのに……。 面白かったし、さすがとは思うものの、読み手の私に芸術的素養が欠けているのもあり、なかなか難しかった。 ただ、とにかく、サドの信奉者の面目躍如といった感じのセレクトではあり、知らない画家も多くて検索するたび出てくる絵にちょっとぎょっとしたりした。すごい。 子どもの頃、親が美術館や博物館に休みの日に連れて行ってくれた。「ふーん、ピカソ」「ふーん、浮世絵」「ふーん、ゴッホ」といった感じで、連れて行ってくれるからには一通り見るけれど、そこまでの感動はそんなに得られていなかった。 多分、小学校6年生の時、アンソールの『仮面の中の自画像』を見たときに、初めて芸術作品に感動した。所蔵のメナード美術館は、比較的実家から近く、その時が初めての訪問ではなかったと思う。親がシャガールが好きで、メナード美術館はわりかし頻繁にシャガール展を開催していたような記憶があるので、それで常設展示の『仮面の中の自画像』と、その解説を見て感動したのだ。 小学6年生、思春期のただなかで、親への反発もあり、「誰も自分の本当の所をわかってくれない」と思っていた頃。自分の周囲の無理解者を骸骨や不気味な仮面をかぶった存在として、その存在に取り囲まれる自画像、というのに共感したのだ。 アンソールの場合は、もちろん20人展に拒否されたりといった経緯があっての作品で、ローティーンの小娘の自意識とは全然違うけれど、でもそうした視点が私には絵画に興味を持つきっかけになったのだ。
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単行本未収録の世紀末画廊にイマジナリアという2つの美術画エッセイ作品と、既出の世紀末画エッセイを併せて1冊にした出版社編集オリジナル文庫。 全集やA2サイズの画集本でも読めるけど、旅先で気軽に読めるオリジナル文庫にしてくれたのは嬉しい。
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全体的に読みやすかったが、中盤のシュルレアリスムの考察の辺りは私の知識不足でさっぱり分からず…。後半のベスト18を選ぶくだりは作者の好みがマニアックで「やっぱりな」という感じが出ていて面白かった。
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世紀末美術についての澁澤龍彦のコラム。 世紀末に活躍した画家・作家を2人ずつ紹介していく。血と薔薇、東洋・西洋の幻想美術へのエッセイ。 読みやすい短い文章だった。
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久しぶりに澁澤の評論を読んだ。 なぜだか少し心が離れて入り込めなかった。 どうしてかしら。 美術は人の目を通してみるものではないということかしら。 自分の目でみてみなくては。 ゴヤとサドの同時代性、意外でした。 ゴヤの記述はなかなか楽しめます。
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