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銀行籠城 の商品レビュー

3.1

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2012/09/11

冷酷な犯人が銀行に立てこもって、人質を次々に殺していくお話。 犯人のバックグラウンドには衝撃の事実が……というような。 ただまぁ、そもそも論になっちゃうんだけど、こういうお話を読むといつも理不尽に思う。だって、どんな経歴で、どんな事情があろうと、人を殺しちゃ駄目だろう。どんなに...

冷酷な犯人が銀行に立てこもって、人質を次々に殺していくお話。 犯人のバックグラウンドには衝撃の事実が……というような。 ただまぁ、そもそも論になっちゃうんだけど、こういうお話を読むといつも理不尽に思う。だって、どんな経歴で、どんな事情があろうと、人を殺しちゃ駄目だろう。どんなに気の毒でも、頭を打ち抜かれた銀行員には何の関係もない。 金銭の要求や政治的な主張以外を目的にした銀行籠城で、その犯人が冷酷無比に淡々と人を殺していくというのなら、フィクションとして「あり」な展開だった。その場にいる気の毒な人質を犠牲にしてでもテロには屈しないと宣言できるほど、日本警察のメンタリティは冷徹になりきれない。そこを突くなら面白い展開になったろう。 ただ、犯人の動機が明らかになった途端、ちょっとがっかり。それならいっそ、ノワールを突き詰めてほしかった。 これだとただ単に、「復讐の連鎖のもう一つの輪っか」みたいな。 個人的には、銀行内で恋人を射殺された女性が叫ぶ、「犯人を撃ち殺して!」という言葉のほうに同調するし、作中で語られる過去の事件のひとつ、家族を目の前で皆殺しにされてたった一人生き残った少女のほうが、復讐の権利があると思う。 結論としては、作品としては面白かったけど、最後の最後で納得いかない。

Posted byブクログ

2012/04/05

途中から展開と結末は読めたが、一気に読むことのできるスピード感がよかった。ただ、ここまでの犯行に踏み切る動機が弱く感じた。もう少し描き込まれてもよかったかも。警察内部のメンツだけにこだわる身内争いは、もう定番といってもいい。どこの組織でもありそうな話で、僕のような凡人には理解でき...

途中から展開と結末は読めたが、一気に読むことのできるスピード感がよかった。ただ、ここまでの犯行に踏み切る動機が弱く感じた。もう少し描き込まれてもよかったかも。警察内部のメンツだけにこだわる身内争いは、もう定番といってもいい。どこの組織でもありそうな話で、僕のような凡人には理解できない。政治家や官僚も、こんな感じなのだろうなぁ。

Posted byブクログ

2011/11/27

表4の解説に惹かれて。 ●面白かった点 前半は文句抜きに面白い。警察の常に先を行く主人公(殺人鬼)・・・これから物語がどうなっていくのがわくわくしっぱなしだった。 ●気になった点 後半は尻切れトンボ。がっかり。

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2011/11/06

何のために・・・ 普通、銀行で事件が起こるとなれば、 銀行強盗などの銀行にあるとされる金が目当てということになるだろう。 本書での事件は、銀行篭城。話を読み進んでいかないと、 何のための事件なのかがわからない。 ただ、目的の無い犯罪などない。本書の後半で急展開する話。 前半の非...

何のために・・・ 普通、銀行で事件が起こるとなれば、 銀行強盗などの銀行にあるとされる金が目当てということになるだろう。 本書での事件は、銀行篭城。話を読み進んでいかないと、 何のための事件なのかがわからない。 ただ、目的の無い犯罪などない。本書の後半で急展開する話。 前半の非情な犯人の行動から一転して、後半のクライマックスで一気に駆け上がるストーリーはスピード感があって面白いだろう。

Posted byブクログ

2011/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大学生の時、暇な時間に図書館で読んだ覚えがある小説。 評価を★1にした理由は、描写が凄惨で救いがないのはともかく、物語の結末まで、脈絡とまとまりを感じなかったのと、 明かされた犯人の動機にも深みを感じず、感情移入できなかったため。 そして何よりも、読後感が非常に悪く、致命的に体質に合わなかった。 途中の描写がいかに痛々しくても、読後感が良ければ、印象も変わったかもしれないが…。 同著者の「鬼子」は面白かったので、設定、展開、動機(真相)の問題かもしれない。

Posted byブクログ

2010/11/29

最後が残念。犯人の目的が気になっていたが、人情的な話に終わった。作者のことだから何か想像の斜め上を期待していたが・・・。 期待が大きかっただけに★3つ。 理不尽な暴力描写は相変わらずなのでそちらが好きな人はどうぞ。

Posted byブクログ

2010/09/18

しょっぱなから中盤の籠城シーンまではいかにもグログロしてるが、ラストで急に爽やかなそよ風が一瞬。これを良かった~ととるかしょぼ!ととるかで評価が分かれるか?ちなみに私は小市民なので前者。犯行自体はまるで許せんが、そういうヤツがいることも事実。

Posted byブクログ

2009/10/30

犯人がまぁひどいことする。 けど、途中で出てくる犯人の論理には否定しきれないとこもありますね。 ラストはありきたりっちゃありきたりだったけど、ほっとはした。一応彼も人の子なんだなぁと。

Posted byブクログ

2009/10/04

五十嵐は拳銃片手に銀行に籠城。 ですが、金目当ての銀行強盗ではありません。 のっけから、「いまから、俺が支配者だ。覚えておけ。この瞬間から、お前らの自由と人権は俺が預かった。お前らは、俺の所有物だ(14?)」ですからね。 人質にとられた人びとは、なんと全裸になるように命令されます...

五十嵐は拳銃片手に銀行に籠城。 ですが、金目当ての銀行強盗ではありません。 のっけから、「いまから、俺が支配者だ。覚えておけ。この瞬間から、お前らの自由と人権は俺が預かった。お前らは、俺の所有物だ(14?)」ですからね。 人質にとられた人びとは、なんと全裸になるように命令されます。 逆らう人間を、情け容赦なく射殺をする五十嵐。 人質たちは、屈辱を味わいながらも、恐怖のため五十嵐に服従せざるをえません。 読んでいるこちらが「何もそこまで…」と思うくらい、一切の妥協をしない冷酷非道ぶりなんですよ。 当然、警察が出動。銀行を包囲し、拡声器で五十嵐に呼びかけます。 マスコミも数多く駆けつけます。 五十嵐は自分の携帯電話から警察に110番をかけ、拡声器で呼びかけている鷲尾に「俺が十秒数える間に、あんたは拳銃で自分の頭を撃ち抜くんだ。それができたら、こいつの命は助けてやろう。(60?)」という提案をします。 マスコミの前で逡巡する鷲尾。 ですが、大胆不敵な五十嵐の態度に、正義感の強い鷲尾は自分の拳銃に手をかけようとしますが、周りの警官に止められてしまいます。 マスコミをうまく操る五十嵐。警察も何とかして五十嵐を捕まえようとします。 警察の上層部は、お互いに派閥争いなんぞをしており、現場ではそうした警察上層部のメンツ争いなどもからみつつ、話はすすみます。 また、鷲尾も暗い過去があります。 金目当てではない五十嵐の目的は? 鷲尾は五十嵐を逮捕できるのか? 五十嵐の銀行籠城の目的という謎をはらみながら、話は展開していきます。 伏線も張ってありますし、鷲尾の心の動きもうまく描かれています。 また、五十嵐の残虐非道ぶりが良いですね。 籠城を続ける五十嵐を説得するために、警察は懸命に説得交渉をします。 五十嵐は若い頃に両親がいなくなったので、養護施設で育ちました。 警察は、五十嵐が養護施設で世話になった人物を捜し出します。 その人物に、五十嵐を説得させようとするのです。いわば泣き落としですね。 そのやりとりが面白すぎます。 「ふ……房江おばちゃんよ。順君、おばちゃんが作る砂糖たっぷりの玉子焼きが大好きだったよね?覚えてる?」 杉本房江は顔を強張らせながらも、懸命に純粋なる五十嵐の記憶を呼び起こそうとしていた。 五十嵐の沈黙。現地指揮本部の空気が張り詰める。ヘッドホンを握る掌が汗でぬらつく。 『ああ、覚えてるよ。あんたが小学生の俺の上で、獣みたいな声を上げて腰を振っていたことをな』 言って、五十嵐が大声で笑った。 「な……」 絶句する房江の顔からさっと血の気が引いた。 まっ赤な顔をしてテーブルを叩く初波。呆れ顔で首を横に振る里中。 想像以上だった。まさか、ここまで五十嵐の心が荒廃しているとは思わなかった。 過去に多くの籠城犯を眼にしてきたが、肉親同様の相手にここまでの暴言を吐いた者を鷲尾は知らない。 母親や育ての親の説得を受けた籠城犯達が、必ず投降するというわけではない。 ただ、説得を受けた瞬間に取り乱したり、泣き崩れたりと、なんらかの精神的動揺がみられるものだ。(193?) 五十嵐の体には赤い血が流れているのか?ひょっとして緑色の血だったりしないのか?と感じさせてくれます。 どんだけ人非人やねん。 さらに、五十嵐は「いつまで、こんな淫乱ババアのくだらない戯言につき合わせる気だ?(194?)」なんて暴言を続けます。 当然、我らの熱血正義漢の刑事、鷲尾は「五十嵐っ、きさま、親のいないお前を我が子のように育ててくれた杉本さんに、その言い草はないだろう!(194?)」 いつもの新堂節の迫力が物足りない・・・ 最後のオチもいまいち腑に落ちなかった。 個人的に気に入らなかったの五十嵐の腰巾着の男もグロく死んで欲しかった。

Posted byブクログ

2009/10/07

 犯人の境遇があまりにも辛くてかなしくなった。ただどんな理由があるにしても、こんなことはしてはいけないし人の命は軽くないと思った。  実際に起こったらと思うとすごく怖くなるそんなお話です。  

Posted byブクログ