木かげの家の小人たち の商品レビュー
戦時中の家族とその家族が守る小人の家族のお話。戦争で変わってしまった環境と人間の心。戦争で環境が変わっても逞しく成長する小人の子どもたち。人間は人間だけで生きている気になるからダメなのか。自然の中で自然とともに生きていることを忘れたらダメだ。昔からある日本の物語は第一印象でとっつ...
戦時中の家族とその家族が守る小人の家族のお話。戦争で変わってしまった環境と人間の心。戦争で環境が変わっても逞しく成長する小人の子どもたち。人間は人間だけで生きている気になるからダメなのか。自然の中で自然とともに生きていることを忘れたらダメだ。昔からある日本の物語は第一印象でとっつきにくいかもしれないなと尻込みしてしまいがちだが、いぬいさんの物語は読み始めると全く古さを感じさせないおもしろさ。シンプルで味わいがあって。おもしろかった。
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よかったです。 人は誰もどこかに「だれもゆけない土地」を持っている・・・そんな心が温かくなるような物語です。 メッセージ色も結構強いけれど、大事だよなあと思います。 森山家の人々と小人の関係も素敵でした。信がどうなるのか、今後の展開が気にかかります。
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過去を想い起すべき、この時期に、人に勧められて。 日本に、いや世界中に、何かの暗い影がかかっているかのように感じられる昨今。この本の状況は、現代とすごく似てはいないだろうか。 歪みは弱いところ、子どもから攻め立てる。 家族は、大きなものの為に、ばらばらになる。 そんな時でも...
過去を想い起すべき、この時期に、人に勧められて。 日本に、いや世界中に、何かの暗い影がかかっているかのように感じられる昨今。この本の状況は、現代とすごく似てはいないだろうか。 歪みは弱いところ、子どもから攻め立てる。 家族は、大きなものの為に、ばらばらになる。 そんな時でも、自分の心に従って生きていけるか。 重い課題を与えられたような気がした。
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子供の頃、小人の出てくるお話をいくつか読んだ記憶があったので、ラノベばっかり読んでいないで、読み返してみようと思いました。 読んだと確信が持てる床下のシリーズとはなはなみんみのお話が図書館になく、借りてみることにしました。 戦争で、兵隊さんが戦っている場面は直接出てこないもの...
子供の頃、小人の出てくるお話をいくつか読んだ記憶があったので、ラノベばっかり読んでいないで、読み返してみようと思いました。 読んだと確信が持てる床下のシリーズとはなはなみんみのお話が図書館になく、借りてみることにしました。 戦争で、兵隊さんが戦っている場面は直接出てこないものの、つらい時代のことを忘れないように語り継ぐための作品としてはいいのではないかと思います。 戦争を知らない世代ですが、しんみりしました。
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考えなければならないことがいくつかある。反戦文学であることは間違いない。なぜ、小人の子たちはアマノジャキと暮らすこと選んだのか。親はなぜ保守的で追従的な生を歩むのか。77日の試練は何だったのか。小人は良心の象徴のようだが、一日も休むことのできない具体的関わりでもある。その家族がな...
考えなければならないことがいくつかある。反戦文学であることは間違いない。なぜ、小人の子たちはアマノジャキと暮らすこと選んだのか。親はなぜ保守的で追従的な生を歩むのか。77日の試練は何だったのか。小人は良心の象徴のようだが、一日も休むことのできない具体的関わりでもある。その家族がなぜ進んで別れ別れになるのか。では、アマノジャキとは。なぜ小人は西洋由来なのか。謎というよりも、そこを掘っていくことで豊かな水源を探り当てることができると思うからだ。 子どもは自立。天の邪気は守る守られる関係でなく、友人。その程度の読みでいいのだろうか。ゆりの葛藤、弱さ、ひたむきさもこの物語の白眉だろう。
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図書室にある本を読破しようと読みました。いぬいさんの本ではあるし。戦争の中、自分たちの信念と小人を大切にしようと生き抜く森山家の人達の生き様が切なく美しく、涙がにじみました。
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再読。昔は、こういったメッセージの強い児童文学が多く書かれていたな、と思う。今だからこそ、子どもたちに読んでみて欲しいと思うが、評価は難しいだろうか。 ゆりが小人たちを失うに至る経緯が、切なくてならない。あまいミルクを一口、もう一口…。それは罪だろうか。 戦争へと突き進む時代の中で、何を守るべきなのか、大切なものを見誤らないように願う。
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子供の頃に読んだ本を再読。 明治の頃に日本に渡ってきたイギリスの小人夫婦と日本で生まれた子供たちのお話。 小人たちは人間たちが空いろのコップにそそぐ一日一杯のミルクで生きている。 戦争が始まって、ただの食糧ではなく小人たちが大切にされていることの証でもあるそのミルクを確保し続けることが難しくなっていく。 大事なのに、大事にすることが難しい。 日本の、しかも大戦期を舞台にして戦争について描きながら、しっかりファンタジーとして面白い。 「物語の前に」は全然覚えていなかった。きっと大人視点だから。 大人が読ませたい部分と子供が読みたい部分は違うんだろうな。 (作者の意図は別として、この本を大人が子供に推薦すると、「おもしろいよ」より先に「知りなさい」と言ってしまいそう) "――おとうさまがわるいんだよ。自由主義者なんだもの。ぼくは前から知っていたんだ。おとうさまはね、外国のことばっかり尊敬して、日本の戦争なんてまちがいだっていうんだ。そんなこというのは、非国民じゃないか。だから警察につれてかれたって、しかたがないのさ!"p34 信のこのセリフを、子供の頃は他人事として読めた。 あの頃読んだ圧迫感は怖いものではあったけれど、「異常な時代の異常な状況」であって自分の世界にはないはずのものだった。 自分が物知らずな子供だったせいかもしれないけれど、それだけとは思えない。 今は現実の中でよく見かけるセリフに見える。それが恐ろしかった。 昔読んだ時のイメージとしては、小人・冒険・物語のワクワクと、戦争・飢えの怖い印象が残っていた。 読み返してみたら、怖がらせるタイプの話じゃなかった。 子供の頃に手放しで好きといえなかったのは、怖かったからだけじゃなくてハッピーエンドに見えなかったからというのもあるかもしれない。 子供の頃にのぞんでいた「みんなで末永く仲良く暮らしました」ではないから。 今は、全部をもてないならどれかを選ばなきゃいけないってことなんだろうと思う。 登場人物がみんな自分なりにがんばっている。 投げやりな部分のなさが良い古さ。 今の本でよくみかけるやる気のない子には同調するけど、共感しちゃってもなあと思うから、このまっとうさは快い。
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小学生くらいの頃に読んで、わりとカルチャーショックを受けた記憶があります。 それまで物語=ファンタジーという感覚で本を読んでいたため、戦争や日本人名がとても現実味を帯びて感じられました。 と同時に小人の存在も生活が細かでリアルに感じることができ、とても魅力的でした。 心に残る本の...
小学生くらいの頃に読んで、わりとカルチャーショックを受けた記憶があります。 それまで物語=ファンタジーという感覚で本を読んでいたため、戦争や日本人名がとても現実味を帯びて感じられました。 と同時に小人の存在も生活が細かでリアルに感じることができ、とても魅力的でした。 心に残る本の一冊です。
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図書館でみかけ、子どもの頃読んだ記憶がかすかにあったものの、内容を全く覚えていなかったので思わず借りてしまいました。 1杯のミルクがつなぐ小人とのつながりが戦争で断ち切られます。その現実がとても切なかったです。でもそのなか小人のためにと頑張るゆりの姿がとても感動的でもありました。
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