トムは真夜中の庭で の商品レビュー
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少年が時間と時の流れについて一人の少女との出会いをきっかけに体験していく過程が丁寧に書かれていた。すべての時が繋がる最終章は何故か泣きそうな気持ちになった。
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「トムは真夜中の庭で」フィリパ・ピアス著・高杉一郎訳、岩波書店、1967.12.05 306p ¥1,995 (2024.07.04読了)(2024.06.21借入)(2012.08.24/52刷) この作品は、1958年にイギリスで刊行されました。戦後の作品ですね。 時々紹介さ...
「トムは真夜中の庭で」フィリパ・ピアス著・高杉一郎訳、岩波書店、1967.12.05 306p ¥1,995 (2024.07.04読了)(2024.06.21借入)(2012.08.24/52刷) この作品は、1958年にイギリスで刊行されました。戦後の作品ですね。 時々紹介される本なので、そのたびに読もうと思うのですが、いつの間にか忘れてしまいます。Eテレの「理想的本箱」で紹介されたので、この機会に読んでしまうことにしました。 トムが、過去の人たちと真夜中の庭で、交流する話でした。いい夏休みを過ごしましたね。 トム・ロング この本の主人公 ピーター トムの弟 アラン・キットスン トムのおじさん(二階に住んでいる) グウェン トムのおばさん バーソロミュー夫人 キットスン家の家主(三階に住んでいる) ヒューバート ジェームズ エドガー ハティ アベル ●「時」(225頁) 「人間は、それぞれべつべつな『時』をもっているって。もちろんほんとうはだれの『時』もみんなおなじ『時』のなかの小さな部分だけど。」 「だからぼくは、わけはよくわからないけど、だれかよその人の『時』のなかへ、『過去』のなかへあともどりしてはいっていくことができるんだ。でなけりゃ、こういってもいいけど、……」 「あの子の方がさきへすすんできて、ぼくの『時』のなかにはいることができる。ぼくの『時』は、あの子には未来に思われるかもしれないけど、ぼくにとっては現在なんだ。」 (作者は、このように理屈付けしているけど、よくわかんないよね。) 【目次】 1 家を遠くはなれて 2 大時計が十三時をうつ 3 月の光のなかで 4 日の光のなかで 5 露のなかの足あと 6 ドアを通りぬける 7 ピーターへの報告 8 いとこたち 9 ハティ 10 いろいろな遊びといろいろな話 11 川は海へそそぐ 12 ガチョウたち 13 今はこの世にいないバーソロミューさん 14 辞典をしらべる 15 塀の上からの眺め 16 木のなかの家 17 ハティをさがしもとめる 18 窓に横木が二本わたしてある寝室 19 つぎの土曜日 20 天使のことば 21 いつも「時」のことばかり 22 約束を忘れる 23 スケートの旅 24 トムとピーターがひょうっこり顔をあわせる 25 最後のチャンス 26 あやまりにいく 27 トム・ロングにきかせた話 訳者のことば 「真夜中の庭で」のこと フィリパ・ピアス ☆関連図書(既読) 「極光のかげに」高杉一郎著、岩波文庫、1991.05.16 (アマゾンより) 友だちもなく退屈していたトムは、真夜中に古時計が13も時を打つのを聞き、ヴィクトリア時代の庭園に誘いだされて、ふしぎな少女と友だちになります。歴史と幻想を巧みに織りまぜた傑作ファンタジー。
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序盤は読むのが退屈だった。 けど、“古い洋館”と“時空を超えた友情“、大好物なんですね。 後半は面白く読めた。 『思い出のマーニー』や『ふたりは屋根裏部屋で』が好きなひとはきっと好き。
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トムとハティが出会うまでは、癖のある登場人物ばかりでなかなかストーリが進まないなと思いましたが、後半は素敵な展開でした。 子供の頃の空想なのか現実なのか今となってはわからない思い出ではなく、ちゃんとつながって終わるのがよかったです。
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トムが大きな古時計がある叔母の家に行って、真夜中にドアから過去の大きな庭に出てハティという少女に会う。そしてドアから出るたびにハティは成長するが、その会っている時間は自分にとってはほんのわずかの時間であった。最後にスケートで遠出をして大聖堂を見学した。そこに夢の中にいたはしかにか...
トムが大きな古時計がある叔母の家に行って、真夜中にドアから過去の大きな庭に出てハティという少女に会う。そしてドアから出るたびにハティは成長するが、その会っている時間は自分にとってはほんのわずかの時間であった。最後にスケートで遠出をして大聖堂を見学した。そこに夢の中にいたはしかにかかった弟が来た。 そのアパートの3階に住む気難しいといわれていたお祖母さんが、実はハティであったという結末になる。 子どもにとっては、夢、過去の場所、過去から現在、ということで想像豊かになれる児童書である。 大江健三郎が紹介した本であったような気がする。
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いや〜〜時間が掛かった そんなに昔の本だとも 児童向けの本だとも知らず ちょっと怖い絵と スローテンポなお話
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これ一体どうなるのとはらはらしながら読んでた。 ハティやアベル達は幽霊だと思い込んでたから、結末のバーソロミュー夫人がハティだとわかった時に思わず立ち上がってしまった。 いや、凄い面白かった。
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うーーーん面白かった 世界の名作だ こんなにも心の機微を上手な言葉で翻訳で表せられると本当に唸ってしまう 児童文学だけど大人にならないと分からなかったからもう大人が読む本では…? 終盤でハティを頼って泣き叫ぶ声はもう、立場が逆になっているのね 最後ハグするところがさいこうかわいい、あそこはちっちゃなハティだね
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巻末に「真夜中の庭で」のこと、として作者の言葉が載っています。「時間」が人間の上でもたらす変化をトムとハティの物語の中で探究し解決しようと試みた、と。挿絵を見返してみると、そういえば。。。その不思議が、思い込みというベールが、時間の流れをさらに複雑にして素敵にして扉の向こうとこち...
巻末に「真夜中の庭で」のこと、として作者の言葉が載っています。「時間」が人間の上でもたらす変化をトムとハティの物語の中で探究し解決しようと試みた、と。挿絵を見返してみると、そういえば。。。その不思議が、思い込みというベールが、時間の流れをさらに複雑にして素敵にして扉の向こうとこちらで存在する。緻密で濃厚でそれでいて素敵なファンタジーとして楽しめる素晴らしい物語でした。日本語訳も 秀逸でピアスの表現に感動している気持ちがこちらまで伝わってくるような草木や庭や自然一つ一つを美しく表現していてとてもよかったです。たくさん書き写してしまいました。
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弟がはしかにかかり、遠く離れた町の叔母さん夫婦のアパートへ隔離されることになったトム。 ある眠れない夜、裏庭へ続く扉を開けてみるとそこは…… 風のにおいや、川の流れる音、古びた鉄の冷たい感触、凍った川をスケートで走るスリルと爽快感。 そして、あの庭園。 ハティにもトム...
弟がはしかにかかり、遠く離れた町の叔母さん夫婦のアパートへ隔離されることになったトム。 ある眠れない夜、裏庭へ続く扉を開けてみるとそこは…… 風のにおいや、川の流れる音、古びた鉄の冷たい感触、凍った川をスケートで走るスリルと爽快感。 そして、あの庭園。 ハティにもトムにも気付かれず、私も後ろからついて回っている感覚だったので、私も見たよ!聞いたよ!と本気で思ってる。 アデルには姿を見られたかも…とドキドキしてる。 これを子どもの本だと思っているおとなのひとや、まだ読んでない少年少女がいたら、本当にもったいないです。 だって、ピアスさんも言ってます、 _私たちはみんな、じぶんのなかに子どもをもっているのだ_ きちんと読むのは三度目だけど、今回がいちばん感動しました。すごい余韻…。 家族が寝静まった真夜中に一人で起きていたから、かもしれません。 いや、やっぱりわたし、行って来たんだと思う。あの庭に。
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