わが家の食卓にようこそ の商品レビュー
内容自体はまあ、いい。しかし、昔からある短編を訳もそのままで6編、ハードカバーで1000円、全10巻って、いい商売だ。 岩波少年文庫のホラー短編集はもっとたくさん入って、新訳で、安い。 明らかに図書館でまとめ買いされることを予定して作っている。いや、内容が、「えっ?こんな小説あっ...
内容自体はまあ、いい。しかし、昔からある短編を訳もそのままで6編、ハードカバーで1000円、全10巻って、いい商売だ。 岩波少年文庫のホラー短編集はもっとたくさん入って、新訳で、安い。 明らかに図書館でまとめ買いされることを予定して作っている。いや、内容が、「えっ?こんな小説あったの?」っていうくらい珍しいなら、それでも文句はない。 しかし、どの作品も恐怖小説の中ではかなり有名な上、他のアンソロジーにもよく入っているものばかり。児童書のコーナーに置かれる本だが、別に内容は子ども向けではない。訳が古く、今どきの子どもは違和感を感じるだろう。特にダールの作品は。読むのは高学年か中学生だろうけど、だったら岩波のでも、大人向けのアンソロジーでもいい。 6編中3編がカニバリズムの話というのもなんだかな…。 こういう本を読むと、岸本佐知子は偉大だと思う。初めて読む作品が殆どで、いままでにない恐ろしさがあって、訳がオリジナルで、しかも自分で原文から探したんだから。十分な読解力のある中学生なら、文庫の『居心地の悪い部屋』が安いし、断然面白い。 でも、赤木かん子以上のアンソロジストが児童書の世界にいないのも事実。とすれば仕方ないか。
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