少女小説集 環の一年間 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本の女流作家の原点を探していて、本書にたどり着きました。 環の一年間は、とても透明感のある作品です。 14歳の少女が、友の安否を気遣って、 お化け屋敷といわれている家を訪問すること。 君様というえらい方に、友を助けてと頼みにいくこと。 君様、友と一緒に洋行すること。 短い話の中に、急展開がある。 与謝野晶子の良さが分かる話でした。 パリ、ロンドンの地名もいろいろ出てきて、 手に取るように分かりました。 中国人と間違えられる話も、現実的な色合いを増しました。 透明感のある文体で、日本の女流作家の本領発揮だということが分かりました。 これまで、なぜ、読んだことがなかったのだろうと不思議に思いました。 文庫だとうれしいので、どこかの文庫に入っていないか探しているところです。
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