ミス・ポターの夢をあきらめない人生 の商品レビュー

伝農浩子【著】

2012/02/21

　伝農浩子さんによる、ポターの伝記本。
　ピーターラビットのおはなしに親しむとともに、イギリスでナショナルトラストの活動を知り、日英のナショナルトラストの会員となった方による伝記です。

　「ビアトリクス・ポター―描き、語り、田園をいつくしんだ人」ジュディ・テイラー著／吉田新一訳や「ビアトリクス・ポターの生涯―ピーターラビットを生んだ魔法の歳月」マーガレット・レイン著／猪熊葉子訳を下地にして、たくさんの参考資料を基にポターの人生を書いています。
　ピーターラビットのおはなしをはじめとするたくさんの物語が生まれた背景、モデルとなった場所や建物など、分かりやすく丁寧に書かれているように思いました。大人向けの伝記ですが、中学生くらいなら何とか読めるのではないでしょうか。湖水地方の町やナショナルトラストについてなど、ポターの活動の背景にあるものもコラムとして分かりやすく書かれています。
　作者自身がピーターラビットのおはなしを好きでたまらなかったのだろうなと感じさせられます。

2012/01/08

30代半ばになってやっとピーターラビットを発行することが出来たビアトリクス。それまでには様々な困難・努力がありました。
そんな彼女の波乱万丈な人生を完結にまとめた本。
女性が認められることのなかった時代、私は彼女の時代を知らないけれど、そんな私でもミスポターの生き方の力強さを感じました。
字も大きく、図や写真等多いのでとても読みやすかったです。

2010/09/25

児童文学作家になるか、細菌学者になるか悩んだそうだ。
研究者となっても、祖の世界でなにがしかの成果をあげたことでしょう。
学者をあきらめ本気で作家を目指したからこそ偉大な作品が生まれたのだろう。
挫折を転機に切り変えた、結果オーライな人生ではないでしょうか。

2012/02/26

コンパクトで簡潔ながら要点を得た記述によるビアトリクスポターの評伝。関連本を多数読んだ中ではコンパクトさと正確さに加え、ビアトリクスの人物相関図や相関年表、写真等が掲載されている点でも好感のもてる書となっている。（特に日本人による）取材記、紀行ものにありがちな「わたし語り」に陥ることなく、客観的に見つめる文章表現もよい。

2009/10/07

映画「ミス・ポター」を観て、ピーターラビットの生みの母ビアトリクス・ポターをひどく尊敬し、読んだ本。映画の前とその後を書いて、簡潔にまとめてあります。もちろん映画とは別物です！しかし、これを読んで改めて思いました。こんなに強い女性ってとにかく素晴らしい。そしてたおやか。美しいなあ。