ヘルマン・ヘッセ全集(14) の商品レビュー
あまりに美しい景色をみると涙が出てるくことがあるが、それと同じような感覚で読んでるだけで泣が出てくる。珊瑚礁を見たときに泣いたような感じ。文章の美しさ、哲学的な深さ、あらゆる意味で素晴らしい。 知性と感性、聖と俗、精神と肉体、思想と感情、知と愛。自分の中でもナルチスとゴルトムン...
あまりに美しい景色をみると涙が出てるくことがあるが、それと同じような感覚で読んでるだけで泣が出てくる。珊瑚礁を見たときに泣いたような感じ。文章の美しさ、哲学的な深さ、あらゆる意味で素晴らしい。 知性と感性、聖と俗、精神と肉体、思想と感情、知と愛。自分の中でもナルチスとゴルトムントが戦っている。精神はたくさんの女をしることを押さえつけるが、女の多様性の魅力に抗えない。 人生において、男は一人のおんなしか真に幸せにすることが出来ないのだろうか?その時、その時を最高に楽しませても、女が必ず未来まで続く愛を望むなら…無理?自分はそもそも恋愛派繰り返し起こる物としか理解力出来なくなっている。 女性の意見を聞きたい。見方によってはゴルトムントはただの鬼畜。 自分にとって大事な人生の重要な問題がたくさん込められているので、全編にわたって興味が尽きない。たとえば①自分らしく生きること②反対のものの融和③放浪者と女④愛と官能の移ろいやすさ⑤心を干からびさせることのない生活⑥知と愛の架け橋⑦神⑧死。 ナルチスが最後に自分の弱さを告白する場面は感動で涙。さらにクライマックスのナルチスとゴルトムントの会話は圧巻。死の間際にこれほど高いレベルでお互いを理解し、認め合い合えたことは、これ以上の幸福はないだろう。自分は愛はイコール理解だと思っているが、男性同士の愛としてこれ以上のものは想像がつかない。 ナルチスのダメなところはすべて傲慢なところかもしれない。自分と同レベル以上のひとでないと尊敬できないのはわかるが、もう少し他人への期待値をさげれば、多くの愛を感じることが出来たのかもしれない。ナルチスは互いに貴ぶべきことを学ぶべきだといいながら、結局ゴルトムントしか認められなかった。ゴルトムントは美しくなかったり、年増でも遊んだ。彼女たちを認めたとも言える。
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