秘密結社の日本史 の商品レビュー
社会の裏に隠れた〈組織〉の日本における歴史的・活動的動きを追う。〈人が集まれば結社になる〉事実を裏付ける書。
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秘密結社といえばおどろおどろしく感じるが、要は助け合いの組織ということのようだ。日本にも古代から職能や生活や宗教の集まりがいろいろな事情により秘密結社になっていく。
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秘密結社=あらゆる団体 それぞれの内容は特に後半は薄めだが、色々と日本の秘密結社について記されており、興味深かった。
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教科書に出てくるような仏教のその時代ごとの有力な宗派とかって、最初から公に認められたり庇護されたりしてたものじゃなくて、むしろ反体制的な民衆の力が集まったものだったのね。
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「秘」は「祕」の略字で、分けると、示は神を示す。そして必は戈の両側にハを書いたものを言い、閉ざしている、隠れている状態を指すらしい。「秘」は神が閉ざされている、隠れていることを意味している。 「密」は必の上にう冠が乗っているので、さらに奥に隠れている状態を言い、下に山がつくので...
「秘」は「祕」の略字で、分けると、示は神を示す。そして必は戈の両側にハを書いたものを言い、閉ざしている、隠れている状態を指すらしい。「秘」は神が閉ざされている、隠れていることを意味している。 「密」は必の上にう冠が乗っているので、さらに奥に隠れている状態を言い、下に山がつくので、山の奥に隠れていることを意味している。 「秘密」とは神が山の奥に隠れていることを言い、神を山の奥で守っている集団(結社)が「秘密結社」だというのが著者の定義だ。 何やら秘境の特別な集団とか、仙人郷みたいなものをイメージしてしまいそうだが、この本に載っている秘密結社は、お馴染のものばかりだ。なぜかというと、古事記の中の豪族だったり、鎌倉期の仏教だったりするからだ。この本の特徴は秘密結社として捉えたことは今までなかったけれど、秘密結社の定義に当てはめて、歴史を見直すところにある。 印象としては、やはり秘密結社という感覚で捉えることに抵抗がある。 空海のエリート志向の強い密教なら秘密結社のイメージが湧くけれど、大衆に広まった親鸞や日蓮の教団にはそのイメージはない。でも著者の定義だと秘密結社になる。 また、京極夏彦の『狂骨の夢』で有名になった[立川真言流]などは秘密結社っぽいと思えるけれど、天草四郎が主導した[島原の乱]や、[大塩平八郎の乱]や、三島由紀夫の[盾の会]などを、秘密結社と言われると違和感がある。おそらくそう考える人が大半だろう。でも、まあ、そういう側面もあると言われればそんな気もする程度だ。 「秘密結社」という言葉に惑わされないで、ある特定の信仰のもとに結集した反体制的集団の思想史(体制に取り入った集団もあるので一概には言えないが、反体制的な性格が強い)と捉えて読めば、けっこう面白い。 ちょっとずれるけど、反体制的な思想も抹殺されないで、ちゃんと後世に記録が残っていることに日本の文化の高さというか、日本語という言語のすごさを感じる。たぶん外国だと言語じゃなくて、口承とか儀式に重きが置かれるから、謎が多いんじゃないだろうか。日本の秘密結社は記録が残っているから謎が謎でなくなってしまっている。そこに秘密結社のイメージとのかい離がある気がする。
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日本では秘密結社というものがクローズアップされることはあまりない。しかし、日本史の裏側では宗教関係を中心に、当時の政権からはずれたアングラ部分に秘密結社があったことを述べている。 宗教関連の記述が多いが、悪い意味でそれが顕在化したオウム関連については触れていない。
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