戦後腹ぺこ時代のシャッター音 の商品レビュー
サブタイトルが「岩波写真文庫再発見」とある通り、戦後の昭和20年~30年代初めの日本を撮影した写真を集めた本に、赤瀬川源平が自身の体験と当時の様子を綴ったエッセイ。 戦後の生活を知るには、親世代の話を聞くか当時の写真やフィルムを見るしかない。当時の岩波文庫は、様々なテーマを設定し...
サブタイトルが「岩波写真文庫再発見」とある通り、戦後の昭和20年~30年代初めの日本を撮影した写真を集めた本に、赤瀬川源平が自身の体験と当時の様子を綴ったエッセイ。 戦後の生活を知るには、親世代の話を聞くか当時の写真やフィルムを見るしかない。当時の岩波文庫は、様々なテーマを設定して民俗写真を収集した。その写真にまつわる著者の記憶や体験のコメントがとても面白かった。 おそらく当時の写真を見ただけでは何とも思わないだろうが、実体験のコメントをつけるとその写真の持つ意味が大きくなる。これは現代のインスタやFacebookの写真にも言える。芸術写真には言葉は必要ないけれど、スナップ写真には言葉による補足があったほうが良い。 この本で取り上げたテーマは、捕鯨、肖像写真、野球、自動車、蒸気機関車、芸術、電話、造船、馬など。現代では見られなくなった物や風景をピックアップしている。 面白かったのは蛔虫をテーマとした写真。自分も蛔虫体験がある。昭和40年代初めに奄美大島に住んでいたが、当時の奄美は、昭和20年代のような雰囲気だった。電話は数軒に1台しかなく、道路は大半がダートで雨天時は水たまりだらけ、給食はクジラ肉に脱脂粉乳、日本本土とは全く違う世界だった。当然、体内に蛔虫がいるのが普通で、便に白い小さな蛆虫が一緒に出てきたり、ヒモのような蛔虫が肛門から出てきた記憶がある。当時の写真を見ながら著者のユーモラスな文章を読んでいると、当時の記憶が色々と蘇ってきた。でも、こういう昭和の写真集を見て、懐かしさを感じるのは歳を取った証拠なのかもしれない。(^^;)
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1950年代の日本の風景などを写した岩波写真文庫を赤瀬川源平がセレクトして紹介している。 戦後まもない頃の空気感を感じることができる日常風景の写真が良い。現代の生活では見かけないものや、現代ではあって当たり前のものが貴重品だったりと庶民の暮らしの変化を知ることができる。
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戦後に発行されていた岩波写真文庫を紹介し、語るエッセイ。 1950~1958年、1冊100円で286巻が発行された、岩波写真文庫。 テーマ別、モノクロ写真で撮影された小さな写真集には、 その時代に青春を過ごした著者の、思い出も詰まっています。 高額のカメラへの憧れと見出した写真の...
戦後に発行されていた岩波写真文庫を紹介し、語るエッセイ。 1950~1958年、1冊100円で286巻が発行された、岩波写真文庫。 テーマ別、モノクロ写真で撮影された小さな写真集には、 その時代に青春を過ごした著者の、思い出も詰まっています。 高額のカメラへの憧れと見出した写真の可能性への想い。 アメリカやソヴィエト連邦への夢と幻想。 鯨、石炭、馬や汽車、蛔虫が身近な存在だった頃。 電化製品の登場と進化は新時代の期待さえも夢想させる。 抜粋の写真に添えられるエッセイのリアル感。 読む自分の生まれる前の事なのに、ノスタルジーを感じてしまう。 今は無き場所やモノ、戦時中の人の姿もある。 戦後すぐの、夢と希望が存在した時代の記録としても、貴重です。 近くの図書館の書庫に、岩波写真文庫と復刻ワイド版があるので、 試しに読んでみようかな~。
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岩波写真文庫の解説本(というのか?)。 写真文庫シリーズの中からいくつかピックアップして著者独自の解説や思い出を付けている。 写真文庫シリーズは意外なテーマ、構成のものが結構あり、見かけると読んでいる。もっと復刻版が出るといいけど。
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す、ずるい よ。 赤瀬川原平の名があれば、こんな本も許される の か?! と いった本。 本の紹介本。 しかも、この期に合わせて、氏の選んだ復刻本まで出ってる。 ただし、採題の「岩波写真文庫」が あまりにも良い本なので、どうしても良い本に なる。 しかも、当時青春を生きて たら...
す、ずるい よ。 赤瀬川原平の名があれば、こんな本も許される の か?! と いった本。 本の紹介本。 しかも、この期に合わせて、氏の選んだ復刻本まで出ってる。 ただし、採題の「岩波写真文庫」が あまりにも良い本なので、どうしても良い本に なる。 しかも、当時青春を生きて たら、キャプションまで本物に なる。すごく悔しい。 しかも、ぼくがみたこと ない本まで紹介され てる。 我々で言えば、「レモンピープル あるいは 阿島俊の 時代」みたいな本を出す のに相当する か。 ずるい。
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岩波写真文庫は、1950年から発刊されその時代の風景をのこしています。赤瀬川原平さんが1937年生まれで終戦時に小学校3年生、その頃の時代のものが断片的に切り取られ写真として残されていることにすごさを感じます。警官が交通整理をしている交差点、路面電車の走る東京、炭鉱で働く男たち...
岩波写真文庫は、1950年から発刊されその時代の風景をのこしています。赤瀬川原平さんが1937年生まれで終戦時に小学校3年生、その頃の時代のものが断片的に切り取られ写真として残されていることにすごさを感じます。警官が交通整理をしている交差点、路面電車の走る東京、炭鉱で働く男たち、人の手で電話交換がなされているところ、今はもうなくなった戦後の風景が、たくさんの写真で紹介されています。 そして、紹介された風景と赤瀬川さん自身の思い出を重ねて、懐かしむ様子が窺えます。
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