ダイアルAを回せ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「カーデュラ探偵社」と同じ作者だったので。 いつものごとく面白かったが、 残念なのはすでに読んだことのあるカーデュラ探偵社の話が 含まれていたこと。 本のタイトルでもある「ダイヤルAを回せ」は警部より早く、 被害者の関係者(容疑者たちともいう)が犯人を導き出してしまうところが 面白かった。 印象的だったのは「三階のクローゼット」。 大きな屋敷の主人が旅行中に家政婦が死んでいた。 ところが屋敷を調べてみると、旅行中のはずの主人が閉じこめられていた。 警察一家で育った刑事はその主人の話の真実を突き止めて、どうしたか。 同じ作者の別の話、ある店の屋根裏に住み着く男の話にも通じる、 閉鎖的な空間や世界を好む人物になぜか共感を感じる。
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ジャック・リッチーの短篇集。 ひとつひとつどう展開されるのかワクワクしました。 こんな楽しい推理小説があるなんて! また他の作品も読んでみたいです。
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ジャック・リッチーらしいひねりの効いた短編が揃っている。後半に、シリーズ作品であるカーデュラものとターンバックルものが置かれているが、今回は、おなじみでない登場人物の作品の方にスリリングというか、展開が面白いものが多かったように思う。特に、妻に雇われた殺し屋に銃を突き付けられなが...
ジャック・リッチーらしいひねりの効いた短編が揃っている。後半に、シリーズ作品であるカーデュラものとターンバックルものが置かれているが、今回は、おなじみでない登場人物の作品の方にスリリングというか、展開が面白いものが多かったように思う。特に、妻に雇われた殺し屋に銃を突き付けられながら言葉巧みに逃れて反転攻勢に出る「動かぬ証拠」が、短い中に機転のエッセンスが凝縮されていて秀逸だった。また、夫婦がお互いに相手を亡きものにしようとするスリリングな「フェアプレイ」もジャック・リッチーらしい小品でおすすめ。
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ひねりの利いた短編ミステリ。殺し屋がひんぱんに登場したり、夫婦間のトラブルがテーマだったりというベタな設定であるが、そのおかげで、いい意味で作り物めいた楽しさがある。間違っても、読後気が滅入ったりしない。人がミステリ短編を読むのは、こういう話に出会いたいからだ!少なくとも私はそう...
ひねりの利いた短編ミステリ。殺し屋がひんぱんに登場したり、夫婦間のトラブルがテーマだったりというベタな設定であるが、そのおかげで、いい意味で作り物めいた楽しさがある。間違っても、読後気が滅入ったりしない。人がミステリ短編を読むのは、こういう話に出会いたいからだ!少なくとも私はそうだ。 シリーズ物とノンシリーズ物が両方含まれている。暴走気味のターンバックル刑事シリーズがお気に入り。
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ヒッチコックの某映画とは全く関係の無い小説。ヘンリー・ターンバックル部長刑事のシリーズが石動戯作っぽくて良かった
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読んだ時の精神状態が悪かったせいで1度目じゃわけがわからないのが1/4ほどだったが、解説読んだ後だとわかった。 エドワード・D・ホックみたいなノリの短編集。 殺し屋関連の話が半分。 金庫にグラス入れる話が一番面白い。今ではありがちに思えるけどね。
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大好きです、ジャック・リッチー♪ 読んでいると、最後にはついついニヤッとしてしまう。 悪人ばかり出てくるのに、読後はスッキリとできる不思議な感じ。 今回も、とっても楽しませていただきました♪ もっと訳本が出ればいいのになぁ~…
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「クライム・マシン」「10ドルだって大金だ」に続くジャック・リッチー短編集第3弾。ショートクライムミステリが15篇収録されている。前半のノンシリーズものにはやたらと仲の悪い夫婦の配偶者殺しが題材になってるけど、意外とドライであっけらかんとしているので日本の愛憎ものみたいにドロドロ...
「クライム・マシン」「10ドルだって大金だ」に続くジャック・リッチー短編集第3弾。ショートクライムミステリが15篇収録されている。前半のノンシリーズものにはやたらと仲の悪い夫婦の配偶者殺しが題材になってるけど、意外とドライであっけらかんとしているので日本の愛憎ものみたいにドロドロしてない。前2作を既読の方にはお馴染みの探偵カーデュラものが3作、ターンバックル刑事ものが5作含まれているのが嬉しい。「正義の味方」スキャンダルネタが売りの雑誌の発行主は、弱みを握られた犠牲者たちからの恨みを恐れボディーガードを雇っている。ところがそのボディーガードが彼らから復讐を持ちかけられ…。「政治の道は殺人へ」脅迫されている政治家の妻に殺しの依頼を受けた殺し屋。同時にその妻を殺してほしいと夫からも依頼され…。ミイラ取りがミイラに(笑)。「いまから十分間」怪しげなブツを持って市長に近づこうと不審な行動をとる男。彼は爆弾魔なのか?「動かぬ証拠」自分を狙った殺し屋と対面したとき、どう対処するか?「フェアプレイ」互いに腹を探り合う仲の悪い夫婦のかけひきが緊張感があって面白い。先に殺すか殺されるか。最後にもうひと捻りきいてるのがミソ。「殺人はいかが?」新聞に殺し請負を匂わせる広告をだした心理学教授。当初の目的は研究だったが…。「三階のクローゼット」屋敷を管理している使用人の不審死をきっかけに家捜ししたところ、クローゼットに閉じ込められた家主を発見。うーん、最後はそうなったか。「カーデュラと盗癖者」個人の貴重品を盗む犯人を見つけて欲しいとの依頼を受けた、吸血鬼探偵カーデュラがスマートな解決を見せてくれてさすが。死者の血液型を気にするあたりにクスリとさせられる。「カーデュラ野球場へ行く」盗みの最中に“NO SNOW”と言い残して死んだ相棒を殺した犯人を捜して欲しいという依頼。現場は野球場のロッカー室。吸血鬼ならではのある場所(姿勢)で犯人に気づいたのがおかしい。「カーデュラと昨日消えた男」泥棒中の仲間をおいて逃げた泥棒からの奇妙な依頼。どうやらトラブルがあったらしい。オチにクスリ。「未決陪審」ターンバックル刑事と相棒のラルフが陪審員3名が殺害された事件を追う。相変わらず推理があちこちに飛ぶが、結果オーライ?「二十三個の茶色の紙袋」被害者の車から23個の茶色の紙袋が発見された。謎だ。嬉々として推理を始めるターンバックルの突飛な思いつきに突っ込み(合いの手)をいれるラルフというやりとりがなんともおかしい。「殺し屋を探せ」5ヶ月の間に4人の女性が殺された事件の関連性を疑い、独自に調査を始めた。今回はまるっきり空回りだが、不思議な運でうまくことがおさまるんだなぁ。「ダイアルAを回せ」非常に裕福な男が書斎で自殺した。一見不審なところはなさそうだったが…。おいしいところを持っていかれて残念そう><「グリッグスビー文書」過去の未解決事件担当に左遷された話。ターンバックル刑事ものの中でも異色作。なぜならいつものように推理が飛んだりはねたりしないから。事件の真相にちゃんと辿りついた先は…?読み応えのある長編を読んだ後には、こういう軽快なミステリがちょうどいい。
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いちばん好きだったのは、このお話。殺人事件が起こり、容疑者たちが一堂に会します。尋問しようとする刑事そっちのけで、彼らは自分たちの知ってることをぺらぺらとしゃべりだし、犯人探しの討論を始めてしまいます。で、ものの数ページで犯人を特定しちゃう。刑事の出る幕なし。それから、『二十三個...
いちばん好きだったのは、このお話。殺人事件が起こり、容疑者たちが一堂に会します。尋問しようとする刑事そっちのけで、彼らは自分たちの知ってることをぺらぺらとしゃべりだし、犯人探しの討論を始めてしまいます。で、ものの数ページで犯人を特定しちゃう。刑事の出る幕なし。それから、『二十三個の茶色の紙袋』の中の会話にふっと笑い。----------------------------------------------「ポーの『盗まれた手紙』が思い出されるな」「あんたは何を見ても『盗まれた手紙』を思い出すんだろ」----------------------------------------------
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日本オリジナル短篇集。15篇収録。 『10ドルだって大金だ』同様、さらさらっと。色々な味わいで飽きさせず、腹もたれもせず。幸せな読書のひと時。 いや〜狙いはそこだったんですか!と最後まで予想がつかなかった「いまから10分間」が一番面白かった。 カーデュラものが3篇。カーデュラの...
日本オリジナル短篇集。15篇収録。 『10ドルだって大金だ』同様、さらさらっと。色々な味わいで飽きさせず、腹もたれもせず。幸せな読書のひと時。 いや〜狙いはそこだったんですか!と最後まで予想がつかなかった「いまから10分間」が一番面白かった。 カーデュラものが3篇。カーデュラの種族の特性を匂わせる描写が楽しい。 ターンバックルものが4篇。彼が推理を披露した時に漂うであろう微妙な間が想像できて、これまた楽しい。 Dial an Alibi and Other Stories by Jack Ritchie
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