海に帰る日 の商品レビュー
妻の死による動揺がおさまらない主人公マックスの想念の赴くまま、私たち読者もまた、彼の過去へ、現在へと運ばれていく。 少年の日々を辿っていたかと思うと、いつの間にか現在の語りのなかにいる、といった具合に。 まるで波にもまれているような読み心地。 逝く者は、逝くべき時がくれば逝って...
妻の死による動揺がおさまらない主人公マックスの想念の赴くまま、私たち読者もまた、彼の過去へ、現在へと運ばれていく。 少年の日々を辿っていたかと思うと、いつの間にか現在の語りのなかにいる、といった具合に。 まるで波にもまれているような読み心地。 逝く者は、逝くべき時がくれば逝ってしまう。後をも見ずに。 The Sea by John Banville
Posted by
全ての文章が美し過ぎる。すみずみまで凝っていて・・・ 苦笑いてゆうか微かに痒くなるてゆうか。 手練れってゆうんですかね? 作家に愛される作家だそうで。。 全編に漂う英国の田舎の海岸の荒涼とした雰囲気はたまらなくすき。 陰気なおっさんの暗〜い思い出が語られつつ。。 彼の最期が...
全ての文章が美し過ぎる。すみずみまで凝っていて・・・ 苦笑いてゆうか微かに痒くなるてゆうか。 手練れってゆうんですかね? 作家に愛される作家だそうで。。 全編に漂う英国の田舎の海岸の荒涼とした雰囲気はたまらなくすき。 陰気なおっさんの暗〜い思い出が語られつつ。。 彼の最期がゆっくりとしかし確実に近づきつつある現在が進行してゆく。。 みたいな話なのに全編に漂う美しさに癒されますなあ 古びた猫足バスタブに浸かって曇りの日に、一日かけて読み耽りたいかな
Posted by
死を迎えた男が懐かしい海辺で少年時代を回想する物語。 多忙の毎日を過ごすうちに記憶の裏側に置き忘れた日々。全く後悔がない人生などあり得ないと思いますが、人生の終末に記憶の外側にうち捨ててきた日々のなかにあるどうしようもない後悔に、少しでもケリをつけてあげる、それができればその人生...
死を迎えた男が懐かしい海辺で少年時代を回想する物語。 多忙の毎日を過ごすうちに記憶の裏側に置き忘れた日々。全く後悔がない人生などあり得ないと思いますが、人生の終末に記憶の外側にうち捨ててきた日々のなかにあるどうしようもない後悔に、少しでもケリをつけてあげる、それができればその人生は、後悔に顔を背けたままであるよりもずっと何ものかであると思います。・・・実際には難しいですけどね。 ▲忘れてしまったキスもたくさんあるのだろうが、いまでもよく覚えているキスがある。それが初めてのキスだったかどうかはわからないが。あのころは、キスがとても重要だった。キスがありとあらゆるものを動きださせた。キスは照明弾であり、爆竹や、噴水や、噴き上げる間欠泉であり、ときには大当たりのくじだった。▲ 読了 2007/9/15
Posted by
- 1
- 2