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【廉価版】影武者徳川家康(下) の商品レビュー

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2010/08/22

下巻はもっと明確に影武者の意向や想いがあふれた描写になってると思います。上巻はやることと周りが騒がしい分そう感じました。 影武者の周りに集まる味方の心境もだんだん変化していって、家康の影武者のためにというよりも、影武者自身に惹かれて行動を起こしたり想いをはせたりする感じです。 ...

下巻はもっと明確に影武者の意向や想いがあふれた描写になってると思います。上巻はやることと周りが騒がしい分そう感じました。 影武者の周りに集まる味方の心境もだんだん変化していって、家康の影武者のためにというよりも、影武者自身に惹かれて行動を起こしたり想いをはせたりする感じです。 相変わらず秀忠さんの暗殺と嫌がらせの失敗っぷりには笑いがこみあげます、あきらめたらいいのに!と思いもしますが、天下をとろうとした男の子供であれば、これくらいの執念は必要なのかもしれません。 描写に、結局一番秀忠を成長させたのは影武者の自分の…というくだりがありますが、たぶんそうなんだと思います。 すごいスパルタ教育ですが、家康は子供に冷たかったと言いますから、これくらいの駆け引きくらいがあったから成長したんだなぁと思えます。 最後まで秀忠には腹が立ちますけどね! 物語の最後になるにつれて、影武者の儚い世の中や周囲の人間に対する気持ちがすごい切なくなります。 新しい一面と、こういう物語が実際にあってもよいのかもしれない、と思わせてくれる小説だと思います。

Posted byブクログ