彼はぼくの恋人だった の商品レビュー
隠れた名作。泣いた。切ないのになんだか綺麗だ。日本語訳の言葉の選び方も作品の雰囲気を引き立てていてすごく良かった。
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父に去られ、死とも向き合う病弱な幼少期。母とその新しい夫(義父)に反発し、実りのない恋をした高校時代。それらを通り過ぎ、大学進学のためやってきた町。その町には、世界的ロックスターの彼がいた。やがて、ぼくは彼と恋に落ちるが・・・。著者は詩人・劇作家などとして活躍している方で、この作...
父に去られ、死とも向き合う病弱な幼少期。母とその新しい夫(義父)に反発し、実りのない恋をした高校時代。それらを通り過ぎ、大学進学のためやってきた町。その町には、世界的ロックスターの彼がいた。やがて、ぼくは彼と恋に落ちるが・・・。著者は詩人・劇作家などとして活躍している方で、この作品が初の長編小説なのですが、これは私小説というか、ほぼノンフィクション、らしいです。でも全くゴシップ的な話ではないので、そういうのを期待して読むと肩すかしをくらうことになる、と思います。子どもの頃から他人と違うことに戸惑い、家庭や学校になじめず、自分の居場所を探していた青年が、ある時地位も名誉もある素晴らしい恋人を得て、しかしそれでも孤独感やコンプレックスから逃れられず、自分が生きる道を求めていく、真面目でひたむきな物語でした。詩的、散文的に綴られる言葉がさらりと流れていくようで、心に残る。
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