山手線内回り の商品レビュー
頭の中の細かな思考が可視化された文章の表現はとても興味深かく、独立したスタイルで好みだった。ただ、登場人物の歪みきった独断的な人柄には共感できず、読むことが苦痛な場面も多々ある。それを読者に感じさせることを意図していそう。
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東京駅はトイレの中、タイトスカートをまくりパンツをずりおろした女性の自慰行為からスタート。そして女性器を示す4文字言葉の連呼、これが芥川賞作家、柳美里。「ただいま3番線京浜東北線大宮方面行きは人身事故のためとまっています、上野方面のお客さま、上野方面ご利用のお客さまは4番線山手線をご利用ください」ピポポポ、ポ~ン・・・。「山手線内回り」、全500頁、2007.8発行。「山手線内回り」「JR高田馬場駅戸山口」「JR五反田駅東口」の3話が収録。「JR高田馬場駅戸山口」は先日チャレンジ、早々に失速。
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苦しいけれど読み続けてしまう。 さまざまな音が声が混じり合って読みにくい文章だが、それが今のこの社会をあらわしているようにも思える。
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初めての柳美里。 表題作。 自殺する人間の頭の中をめぐる言葉を垂れ流し、電車内で聞こえてくる会話や雑音も聞こえてきたまま文字にしてしまったような文章(文章、とは言えない気もする)。 自分も山手線に乗っている感覚に陥りそうになりつつ、「女」の思考がぶっ飛びすぎていてそうもならな...
初めての柳美里。 表題作。 自殺する人間の頭の中をめぐる言葉を垂れ流し、電車内で聞こえてくる会話や雑音も聞こえてきたまま文字にしてしまったような文章(文章、とは言えない気もする)。 自分も山手線に乗っている感覚に陥りそうになりつつ、「女」の思考がぶっ飛びすぎていてそうもならない不思議な感覚。 読んでいてゾクゾクしたし、なんかこわい。 自殺前の人の思考回路って、こんな感じなのかなあ。
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図書館の返却台にあって題名だけにひかれて内容を全く知らずに借りたら、1行目から読めないやつだっと感じて、飛ばし読みしかできないのに進まない。
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柳先生らしい表現満載で、読みにくかった…。面白さは少し評価低いです。文庫には何故全作品所収しなかったのだろうか。二重読みした。
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放送禁止用語と内容に読む行為を止めようと何度も思ったが、ただあの文字量と情報量はスゴいな‥と。好き嫌いは強烈に別れるかな。僕は嫌い。
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書名だけ見て、なんとなく図書館で借りてきた本 読み始めてびっくり 1作目・・・放送禁止用語のオンパレードw ずっとこれだったら読むのやめようと思ったけど それは最初の作品だけでした ただ3作に共通なのが ものすごい量のコトバの奔流 頭の中ダダ漏れのすさまじいばかりの言葉たちに...
書名だけ見て、なんとなく図書館で借りてきた本 読み始めてびっくり 1作目・・・放送禁止用語のオンパレードw ずっとこれだったら読むのやめようと思ったけど それは最初の作品だけでした ただ3作に共通なのが ものすごい量のコトバの奔流 頭の中ダダ漏れのすさまじいばかりの言葉たちに圧倒されます。 かなり読みにくいし、読んでるとズーンと重くなってくるけれど これはこれで、やはり才能であり ひとつのスタイルなんだろうなぁと 思わざるを得なくなる、そんな力技の作品たちです
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とても面白かったけれど、読むのを何度も挫折しかけた。心が重い。 柳さんの感性で描かれる景色、匂い、音はやはり好きだ。汗で湿った肌だとか、触れ合った時の微温さだとか、それは柳さんでしか此処まで突き詰めては書けないだろうと思った。 本編には、強く絶望している女三人が登場する。かのじょ達はそれぞれに、なにがしかの遺品をラストに投げる。表題作の女は“想い出”、『JR高田馬場駅戸山口』の女は“息子”、『JR五反田駅東口』の女は顔文字だけの“メール”。 自分が死んだとして、日々はなにも変わることなく、山手線がぐるぐると廻り続けるように進んでいく。今日を、最後の一秒を終えても明日がくる、毎日は地続きで涯てがない。それは非道く絶望的だ。 その事を知ってしまった瞬間から終わりは始まっているのだろう。
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あまり読みやすい作品ではありませんでした。都会の喧騒、人の心、街の無意味な会話…。現代のくらい影のようなものが落としこまれている作品でした。
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