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大学受験 一目でわかる小論文ハンドブック の商品レビュー

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2017/08/24

 小論文で(2001年当時は?)頻出のテーマについて、書き方のテンプレートを示したもの。論点の軸、またテーマに関連したキーワードを解説したもので、現代文の勉強にもなるだろうが、自由英作文のトレーニングとしても使えると思う。  が、おれは門外漢なのでわからないが、正直こんなんでいい...

 小論文で(2001年当時は?)頻出のテーマについて、書き方のテンプレートを示したもの。論点の軸、またテーマに関連したキーワードを解説したもので、現代文の勉強にもなるだろうが、自由英作文のトレーニングとしても使えると思う。  が、おれは門外漢なのでわからないが、正直こんなんでいいのだろうか、と思ってしまう。かならず自分の反対の意見から述べて譲歩し、それを覆して自分の論を述べる、という構成が意地でも貫かれているが、違和感を感じた。「本書のもうひとつの目的は思考力を鍛えてもらうことにある。本書は、ディベートのような形式をとっている。」(p.2)とあるが、ある意見を述べて、まったく関係ない視点で「しかし」と述べる形式になっているが、ディベートならそれだと話をすり替えただけで、反論したことにならないんじゃないだろうか。「メディアの発達が人間性を奪う」しかし「メディアの新しい可能性を切り開くことの方が重要だ」という展開は、どれくらい説得力を持つのだろうか。何のためにわざわざ譲歩したのか、よくわからない。結局そういった理由付けを暗記するための本でしかないとすれば、「思考力」とはほど遠いものを身につけるための本ではないかとさえ思う。あと、「人間は物事を言語というフィルターを通して見ている」(p.12)というのは、言語が世界を切り分けているので、人間はその切り分け方によってしか物事を認識できなくなるという認知の話として捉えるものだと思っていたが、なんか「歴史的事実の解釈は解釈者の生きた社会状況に影響される」みたいな話のきっかけとして出てきていて、え、と思ってしまう。  なんか変だな、とずっと思いながら読み続けるという本だった。(17/08)

Posted byブクログ