漢文力 の商品レビュー
中国の長い歴史の中で得られた知恵が漢文には詰まっている。 ただ漢文を読んでも、理解しないと意味がない。一方で、考えれば学びを得ることが出来る品質を十分有しているのが漢文だろう。 知魚楽:他社の内面は理解できない 荘子 他人から理解されないことを悩むな。自分が他人を理解していない...
中国の長い歴史の中で得られた知恵が漢文には詰まっている。 ただ漢文を読んでも、理解しないと意味がない。一方で、考えれば学びを得ることが出来る品質を十分有しているのが漢文だろう。 知魚楽:他社の内面は理解できない 荘子 他人から理解されないことを悩むな。自分が他人を理解していないことを悩め。孔子 自分像と本当の自分は違う。小さい自分が操縦 臨済 尹氏の夢いんし、胡蝶の夢 荘子 混沌があるから怖い 混沌七きょうに死す 荘子 死と性は表裏一体。性が出来て死が生まれた。 生死感 自分さえ所有できない。死は物質が循環しているだけ。生を肯定=死を肯定 現場に身をおくことで見えなくなることもある 老子 学ぶの語源はまねぶ(学ぶ) 出藍の誉れ 荀子 南轅北轍 戦略の誤りは戦術で補えない 帝王学 料亭の若旦那の修行方法 人を使う 威を借りる 戦国策 綜合の誤謬 逆は真ならず 複雑系 零戦 堀越次郎 無為にして化かす 応用! 不戦必勝 孫子
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漢文を読む力を鍛えるのではなく、様々な漢文の記述が現代も物事を考える道標として活かせる、という例を滔々と聞かせてくれる本。豊かな教養とは、こういう本の中身を言うのかと思わされる。
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多様な種類の漢籍の短い原文抜粋、書き下し、訳またそれらに関する筆者独自の解説、豆知識でまとめられており、紹介される漢文は数十話におよぶ。筆者の学生向け講義を、新たに大人のための漢文入門として再構成した本である。取り上げた漢文に関連する筆者の人生経験からくるエピソード、筆者の豊か...
多様な種類の漢籍の短い原文抜粋、書き下し、訳またそれらに関する筆者独自の解説、豆知識でまとめられており、紹介される漢文は数十話におよぶ。筆者の学生向け講義を、新たに大人のための漢文入門として再構成した本である。取り上げた漢文に関連する筆者の人生経験からくるエピソード、筆者の豊かな教養から繰り出される話は古今東西を問わず、筆者の幅広い分野の知識には驚嘆させられるばかりである。 漢文が苦手な人でも読みやすいように、簡潔な訳文と読者を飽きさせない小話がついている。漢文を読むだけにとどまらず、その文章を書いた作者の意図や時代的•文化的背景全体をとことん追求し、筆者の深い考察が加えられている。
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本書のタイトルになっている「漢文力」とは、「漢文を読み、そこに展開されている古人の思索を追体験することによって身につく力」であるとされています。本書は、漢文のさまざまなテクストを紹介し、そこに込められている知恵を噛み砕いて解説しています。 金子みすゞの詩や、マルクス・アウレリウ...
本書のタイトルになっている「漢文力」とは、「漢文を読み、そこに展開されている古人の思索を追体験することによって身につく力」であるとされています。本書は、漢文のさまざまなテクストを紹介し、そこに込められている知恵を噛み砕いて解説しています。 金子みすゞの詩や、マルクス・アウレリウスの『自省録』も随所で参照されており、人生や自然や文明といったテーマについての「和文脈」および「洋文脈」の発想と、「漢文脈」の発想の比較がなされています。著者の意図は、それらのなかのいずれが優れているかを判定することではなく、一定のテーマについて複眼的な思考を可能にすることにあるといえるでしょう。 内容そのものも興味深いものですが、著者の柔らかい語り口もあいまって、たのしみながら古典の知恵について学ぶことができる本です。
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他に読みたい本はいっぱいあったのに、 なんとなく買った。 他にも積んである本はたくさんあったのに、 なんとなく読み始めた。 ぶっ通しで読み終えて、 あと何度か読み返すべきだと感じている。 やっぱり漢文って大事だよ。 中国の歴史に学ぶものは大きい。 うん。
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この本を手にしたのはたしか八年くらい前。 今でも手元にあるけれど、随分と年老いてしまったかな。 むろん、本の真価は、あくまでもその内容に存するものですから、たとえ古びた紙きれになってしまっても、私にとって大切な本には違いないのですが。 漢文で記述された世界というのは、私たちの想像...
この本を手にしたのはたしか八年くらい前。 今でも手元にあるけれど、随分と年老いてしまったかな。 むろん、本の真価は、あくまでもその内容に存するものですから、たとえ古びた紙きれになってしまっても、私にとって大切な本には違いないのですが。 漢文で記述された世界というのは、私たちの想像よりも壮大・繊細であり、そこには西洋の哲学にも負けず劣らずの思想があります。 私たち日本人は、遥か古代より中国から多くのことを学んでおりましたが、腰を据えて学問として取り組んだのは江戸時代でしょう。 その江戸時代に、漢文により高められた思考力というのは、西洋文明の受容においても、有用だったでしょう。 中国は、科挙によって、知識人の頭脳に試験科目としての儒教が詰め込まれてしまいましたから、かえって漢文の有用性をフルに活用しきれなかったのでしょう。
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昔NHKで放映されていた「カンゴロンゴ」で加藤先生を知りました。小難しそうな漢文を分かりやすくユーモアも添えて伝えてくれるその口調と親しみの湧くキャラクターで、それ以来のファンです。 本書はその分かりやすい語り口で、いろいろな有名な漢文を題材に、私たちにより心豊かに生きる上でのヒ...
昔NHKで放映されていた「カンゴロンゴ」で加藤先生を知りました。小難しそうな漢文を分かりやすくユーモアも添えて伝えてくれるその口調と親しみの湧くキャラクターで、それ以来のファンです。 本書はその分かりやすい語り口で、いろいろな有名な漢文を題材に、私たちにより心豊かに生きる上でのヒントや智慧を与えてくれると思います。 自分では考えられなかった漢文の意味を、目からうろこの視点で伝えてくれています。 個人的に知れてよかったのは「炳燭の明」や「胡蝶の夢」「季札挂剣」の話です。 年老いてから学ぶことはどんな意味があるのか? 夢と現実の境目は? 故人を弔うことはどんな意味があるのか? そんな回答に困るような疑問にも、漢文ではすでに答えが出ていたりしています。 本書を読んだおかげで物事をとらえる視野が広がったと感じています。 おすすめしたい本です。
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漢文と現代的な話題を絡み合わせながら、味わっていく本。 この本を、沖縄で戦績を巡りながら読んだ。 一回限りの人生を大事にする態度、親族を、特に親を大事にする感覚など、何か沖縄にはそんな中国の発想に通じるようなものを感じた。 無理に現代に引き付けて読まなくても、と感じる部分もな...
漢文と現代的な話題を絡み合わせながら、味わっていく本。 この本を、沖縄で戦績を巡りながら読んだ。 一回限りの人生を大事にする態度、親族を、特に親を大事にする感覚など、何か沖縄にはそんな中国の発想に通じるようなものを感じた。 無理に現代に引き付けて読まなくても、と感じる部分もないではなかったが、第五部の文明論、政治や戦争に関わる部分は、考えさせられるところが大きかった。 漢文を読むことなんて、まずないのだが、味わいのある言葉が多いな、と改めて感じた。
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タイトルからして敬遠していたけど、読んでみると楽しい。現代のいろんな問題なんて、古典にはぜんぶ書かれてあるよ、ということがよくわかる。京劇の専門家が、自然科学のエピソードをとりまぜて中国古典を一般向けに語る。茂木健一郎さんがはまったというのもむべなるかな。
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なかなか味わい深い本です。個人の内面の話から、死や宇宙、社会や文明までを縦横に語っていておもしろいです。著者のいう漢文力とは、要するに古典によって思考力を鍛えることであって、漢文の読解力のことではありません。冷静に考えられるように、荘子などの抽象的問題をあつかっていて、暑苦しい人...
なかなか味わい深い本です。個人の内面の話から、死や宇宙、社会や文明までを縦横に語っていておもしろいです。著者のいう漢文力とは、要するに古典によって思考力を鍛えることであって、漢文の読解力のことではありません。冷静に考えられるように、荘子などの抽象的問題をあつかっていて、暑苦しい人生訓とはちがうところも魅力です。もっとこういう考える力を養うような漢文の本があってもいいと思う。
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