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日本「怪死」事件史 の商品レビュー

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2017/08/17

死因に疑いがあることを「怪死」というはずなんだが、本書は 厳密な言葉の意味からの怪死ではない。 その死が様々な憶測を読んだ著名人16人を取り上げているのだが、 俳優の田宮二郎にしろ、人気絶頂の時に飛び降り自殺をしたアイ ドル・岡田有希子にしろ、死因自体は疑いもない自殺である。 ...

死因に疑いがあることを「怪死」というはずなんだが、本書は 厳密な言葉の意味からの怪死ではない。 その死が様々な憶測を読んだ著名人16人を取り上げているのだが、 俳優の田宮二郎にしろ、人気絶頂の時に飛び降り自殺をしたアイ ドル・岡田有希子にしろ、死因自体は疑いもない自殺である。 確かにふたりとも衝撃的ではあった。田宮二郎は猟銃という手段を 選んだこと。岡田有希子は死を選んだ理由が憶測を呼んだのも あるし、後追い自殺も続いて社会現象にまでなった。 本書で本当に死因自体に疑問が持たれるのはよど号事件のリーダー だった田宮高麿と、駅前の雑居ビルから転落死した東村山市の女性 市議くらいだろう。 田宮高麿は北朝鮮で亡くなっているから真相なんて永遠に分からない かもしれんなぁ。 東村山市の女性市議の転落死は本当に怪しさいっぱい。これば謀殺 説が出て来ても不思議でもなんでもない。 複数の書き手によっているのだが、テレサ・テンの項を担当した有田 芳生以外は文章のこなれが悪い。あ、有田氏のテレサ・テンの本、 積みっぱなしで読んでないや。汗。 ロス疑惑(生前の三浦氏のインタビューあり)、狭山事件は「怪死」と いう本書の括りからは少々はずれていないか? この2事件を取り上げるのなら、北海のひぐま・中川一郎や国会の 爆弾男・石井紘基の謀殺、竹下登の秘書だった青木伊平の壮絶な 自殺を取り上げた方が「怪死」にはふさわしかったんじゃないだ ろうか。 まぁ、センセーショナリズムで売る宝島社の文庫だから仕方ないか。 でも、校閲くらいはきちんとしてね。

Posted byブクログ