笑わせたるっ の商品レビュー
M-1青春小説。その話をネタにしたらえぇやん!と思ってしまうほど、間のエピソードが面白い!中盤からのテンポがとても良く、一気に読んでしまった。あまりのテンポの良さに結末不安になったが、(少し無理がある気もしたが)すごく爽快で楽しかった。
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表紙には暑苦しい男がアップで描かれている。額に血管を浮かび上らせながら、この本のタイトルの言葉を叫んでいるのだろうか。背後にはひょろっとした男。この二人こそが本書の主人公であり漫才コンビである「ジャックポット」である。 大阪の芸能事務所に所属する、鳴かず飛ばすの漫才コンビ...
表紙には暑苦しい男がアップで描かれている。額に血管を浮かび上らせながら、この本のタイトルの言葉を叫んでいるのだろうか。背後にはひょろっとした男。この二人こそが本書の主人公であり漫才コンビである「ジャックポット」である。 大阪の芸能事務所に所属する、鳴かず飛ばすの漫才コンビ「ジャックポット」。このままではいかん、どうにかしなくては…と模索する熱いツッコミの広志に対し、ボケの勝はどう考えているのやら常にマイペースだ。そんな閉塞感に満ちたある日、勝の家に借金取りが怒鳴り込んでくる。勝の父親が多額の借金をしているらしい。困り果てた二人だが、どうやらその借金取り・石丸がかつて一世を風靡した漫才コンビ「カウボーイズ」の片割れだという事に気づいた広志はある作戦を思いつく。何とその借金取りに弟子入りし、<最強漫才師チャンピオンシップ>に出場、一千万の賞金で借金を返済しようというのだ。 無茶苦茶な作戦はうまくいくのか?ふたりの挑戦の日々が始まった。 「賞金一千万円の漫才コンテスト」というだけでそれが何をモデルにしているかは明らかだ。あの舞台で日本一になることを現実的な理由で目指すことになる二人の爆笑と奮闘の毎日。事務所のライブでは毎回1位にも最下位にもなれず中途半端な位置。何かが足りないと思いつつそれが何かわからず、彼女に愚痴をこぼしながらもバイトに明け暮れ悶々とする毎日。現実のお笑い芸人の人たちにとって、恐らくかなりリアルな日々の描写なのではないだろうか。 そんな二人に借金取り立て屋・石丸が与える様々な指導は面白くて奇抜なものばかり。しかしそれがジャックポットの二人を少しずつ変えていく。 漫才に青春をかける若者たち。コンパで「何か面白いことやってよー」と平気で禁句を口にする女どもに怒り、ウケがとれない自分の実力に肩を落とす。 ラストがどうにも中途半端な気がしてしまうのだが、それでもこの二人の物語をまだまだ見てみたいと思わせる。伝説の漫才師・カウボーイズの物語ももっと知りたいのだ。 ところで文庫版131ページにある「繁張するわぁ…」というセリフは「緊張」の誤植でしょうか?
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