闇が落ちる前に、もう一度 の商品レビュー
「闇が落ちる前に、もう一度」 著者 山本弘 出版 角川文庫 p17より引用 “ある考え方が間違っていることをきちんと示しておくのは、 科学の進歩にとって有益です。” と学会会長である著者の本領が発揮された、 SF短編集。 全5話収録。 上記の引用は、 表題作に出てくる大学...
「闇が落ちる前に、もう一度」 著者 山本弘 出版 角川文庫 p17より引用 “ある考え方が間違っていることをきちんと示しておくのは、 科学の進歩にとって有益です。” と学会会長である著者の本領が発揮された、 SF短編集。 全5話収録。 上記の引用は、 表題作に出てくる大学教授の一言。 一歩一歩確実に進むことの大切さと、 間違いを知ることの大切さを教えてくれていると思います。 同じ著者の大作「神は沈黙せず」を読んだ後なので、 この位の長さの短編集は、 一話ごとの長さが非常に読み心地がよかったです。 私の一押しは「夜の顔」。 かなり怖いですので、 ホラーが苦手な方は覚悟を決めて。
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SF感の強いホラー短編集のような感じ。私はホラーが苦手なので多少の不快感を覚える話もあったが、タイトルにもなっている一話目と最終話である「審判の日」の二つを読むだけでも価値があるように感じる。 この手の・・ディラックやフェッセンデンっぽいとでもいうのかな?実のところ宇宙は誰のもの...
SF感の強いホラー短編集のような感じ。私はホラーが苦手なので多少の不快感を覚える話もあったが、タイトルにもなっている一話目と最終話である「審判の日」の二つを読むだけでも価値があるように感じる。 この手の・・ディラックやフェッセンデンっぽいとでもいうのかな?実のところ宇宙は誰のものなんだっていう話が個人的に好きなこともあり、ジャンル的には苦手な部類にも関わらず高評価になっている。この系統の話が好きな人には楽しめる一冊じゃないだろうか。 これを読んでワクワクしたのなら同著者の「神は沈黙せず」を読まれることを是非オススメしたい。
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>>この宇宙はどうして生まれたのか?宇宙の果てはどうなっているのか?“宇宙の本当の姿”を追い求め、ある独創的な理論に到達した宇宙物理学者。しかしこの理論に従うと、宇宙の寿命はわずか17日間ほどでしかなくなる。バカバカしいまでの理論の誤りを証明するために、彼は大がかりな...
>>この宇宙はどうして生まれたのか?宇宙の果てはどうなっているのか?“宇宙の本当の姿”を追い求め、ある独創的な理論に到達した宇宙物理学者。しかしこの理論に従うと、宇宙の寿命はわずか17日間ほどでしかなくなる。バカバカしいまでの理論の誤りを証明するために、彼は大がかりな実験を始めたのだが…。表題作のほか4編を収録。 単なるジャケ買い。 だが、表題作にまず恍惚。 ホラーもあるがSFの香り。どちらに転んでも微妙な按配だが、古き良きSFホラーを味わいたい方にはおすすめ。 表紙とは違って、煌びやかさのないチープ・ノスタルジックな作品集。
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内容:宇宙物理学者の導き出したとある理論。それによれば、宇宙の寿命は17日間。今は8日目。それ以前の記憶もあるのだが、これは創られた記憶なのか…。苦悩する姿と求める姿が短いストーリーの中に描かれていて楽しめました。表題作…「闇が落ちる前に、もう一度」 私は3篇目に入っている「時...
内容:宇宙物理学者の導き出したとある理論。それによれば、宇宙の寿命は17日間。今は8日目。それ以前の記憶もあるのだが、これは創られた記憶なのか…。苦悩する姿と求める姿が短いストーリーの中に描かれていて楽しめました。表題作…「闇が落ちる前に、もう一度」 私は3篇目に入っている「時分割の地獄」が好きです。ミステリですね。
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短編集。 全部いい! 現実を理解する人間の知覚は制限されている。ならばどんな世界が真実だろうと不思議じゃない。 そもそも現実ってなんだ? 宇宙ってなんだよ?ビックバンで生まれたって言うけど、じゃあなんでビックバンが起きたわけ? 上のような存在があってもおかしくないじゃないか。も...
短編集。 全部いい! 現実を理解する人間の知覚は制限されている。ならばどんな世界が真実だろうと不思議じゃない。 そもそも現実ってなんだ? 宇宙ってなんだよ?ビックバンで生まれたって言うけど、じゃあなんでビックバンが起きたわけ? 上のような存在があってもおかしくないじゃないか。もしかしたらこの世界は模型かもしれない! 一度は考えたことがあるような、実感とはほど遠い「現実」世界を扱うSF作品。
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短編集なので1冊の本としては★★★でもこの2作は★★★★級 『闇が落ちる前に、もう一度』 一ページも読みおわらないうちに、ぴんときた。これって『クラインの壺(岡嶋二人)』みたいな話なんじゃないの?ビンゴ。まさに『クライン〜』と同じ怖さを描いたお話。自分が立っていると信じていた地面...
短編集なので1冊の本としては★★★でもこの2作は★★★★級 『闇が落ちる前に、もう一度』 一ページも読みおわらないうちに、ぴんときた。これって『クラインの壺(岡嶋二人)』みたいな話なんじゃないの?ビンゴ。まさに『クライン〜』と同じ怖さを描いたお話。自分が立っていると信じていた地面をふと見ると、そこには何もなくなっている。…いや、なくなっているのではなくて、はじめから何もなかったのでは。 『夜の顔』 「神は沈黙せず」につながる作品なのではないかな。あまりにも荒唐無稽のようでいて、でも誰かに話してしまうと本当に私の身にも起こりそうな気がしてしまう。山本弘の大胆な発想に脱帽。
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