分裂病と他者 の商品レビュー
「精神科の『病気』は、自己が自己自身であることの病いだということができる。…分裂病患者…内面の歴史…『自己』の確立を求めて挫折した道程の記録となっている。…{神経症、躁鬱病、パラノイアの}違いは、それぞれにおいて求められている『自己』のイメージが違うという点に帰着するだろう」(...
「精神科の『病気』は、自己が自己自身であることの病いだということができる。…分裂病患者…内面の歴史…『自己』の確立を求めて挫折した道程の記録となっている。…{神経症、躁鬱病、パラノイアの}違いは、それぞれにおいて求められている『自己』のイメージが違うという点に帰着するだろう」(第10章「自己の病理と「絶対の他」、279ページ) 症例名にこだわらず(いまは分裂病とは呼ばない)、自己の哲学を患者を具体例につくろうとしていると読みたい。治療に「役立つ」かどうかは別問題。 考え方(方法論)を学ぶならこの本より、『時間と自己』を先に読むとわかりやすいと思います。レビューも書きました。 https://booklog.jp/item/1/4121006747
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精神病理から人間存在の本質にいたる思索をさらに深め、分裂病者にとっての「他者」の問題を徹底して掘り下げた木村精神病理学の画期をなす論考。ハイデッガー、西田幾多郎らに加え、デリダ、ラカン、レヴィナスなどの構造主義と正面からわたり合い、自己と他者との関係のありかたを「あいだ=いま」と...
精神病理から人間存在の本質にいたる思索をさらに深め、分裂病者にとっての「他者」の問題を徹底して掘り下げた木村精神病理学の画期をなす論考。ハイデッガー、西田幾多郎らに加え、デリダ、ラカン、レヴィナスなどの構造主義と正面からわたり合い、自己と他者との関係のありかたを「あいだ=いま」という本質的な項を媒介として見つめ直す
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