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中国をめぐる安全保障 の商品レビュー

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2011/01/14

書名通り、中国をめぐる安全保障について様々な視点から紹介している著書。 編者も言っているように、内容は手広く中国に関連する安全保障についての理解ができるようになっている入門編。中国を囲む各国との関係や戦略から始まり、中国の軍事ドクトリンや党軍関係、さらにはC4Iや軍事ビジネスなど...

書名通り、中国をめぐる安全保障について様々な視点から紹介している著書。 編者も言っているように、内容は手広く中国に関連する安全保障についての理解ができるようになっている入門編。中国を囲む各国との関係や戦略から始まり、中国の軍事ドクトリンや党軍関係、さらにはC4Iや軍事ビジネスなどのコアな分野まで触れている。現在の日中関係においては、報道に踊らされるままに中国を脅威として扱わないために、また同時に楽観視しすぎないために、中国の意図や軍事的な状況をしっかり把握していくことが必要である。中国はかなり戦略的に各国の視線を意識しつつ行動する国家であると同時に、日本で言及されることの少ない一種の"弱さ"を内在している。安全保障面では、台湾・アメリカ・朝鮮半島・インド・日本などに囲まれており、また財政的・技術的に限界があり国際社会からの協力も満足に得られない状況下で長いスパンでの積み上げを行っている時期なのであろう。日本は安全保障の問題になると戦後の分裂した複雑なイデオロギーの問題が絡みがちだが、防衛のためだけではなく協調のためにも、本書で扱われているトピックは真剣に研究していかなければならない問題だと考える。

Posted byブクログ