沈黙のヒロシマ の商品レビュー
著者の仲川さんの講演会があったので、それに合わせて読みました。その講演会で聞いた内容によると、仲川さんご自身はコーダ(両親がろう者で自分は聴者)で、子どもの頃から周囲のろう者の通訳をしてきたそうです。小学校にいるときも、休み時間に「ちょっとちょっと」と呼ばれて病院や大人の話し合...
著者の仲川さんの講演会があったので、それに合わせて読みました。その講演会で聞いた内容によると、仲川さんご自身はコーダ(両親がろう者で自分は聴者)で、子どもの頃から周囲のろう者の通訳をしてきたそうです。小学校にいるときも、休み時間に「ちょっとちょっと」と呼ばれて病院や大人の話し合いに付き添ったとか。そんなとき一番心配だったのは「給食の時間までに戻れるかどうか」だったとのこと。 お話を聞いていて途中まで「被爆2世」でいらっしゃると思っていたのですが、いえいえ、1945年当時、仲川さんはすでに5歳。ええっ!? 講演会での仲川さんはお歳より10歳くらい若く見えたので、時系列がよくわからなくなって少し混乱しました。お父さんが原爆に遭ったとき、仲川さんはお母さんの田舎にいたそうです。 そんな背景から、もちろん手話と深く関わる人生を歩まれ、この本が生まれたわけです。逆に言えば、こうした立場に生まれ育った仲川さんがいなかったら、この本は生まれなかったということ。地域に密着し、地元のろう者に信頼され、心から通じて会話ができて、それを文字に起こすことができる人。各地にそんな人がいったい何人いるでしょうか。 埋もれてしまったかもしれない真実と史実を書き留めていただけたことに、有り難く感謝します。
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「きのこ雲の手話」が圧巻でした。十二枚の連続写真で見る戦禍。連続撮影だからあたりまえなんだけど、手が動くのを目の当たりにしているような感覚になります。ずっと忘れられない写真になりそうです。 これの前にでた聞き取りも読みたくなりました。
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