わたくし率イン歯ー、または世界 の商品レビュー
面白いとは一寸も思わなかった。面白くない。最近、こういう文章を書く人が、特に女性に多いというかほとんどこういう文章は女性しか書かないんじゃないかと思うのだけど、どばどばと自分を垂れ流し続けるところがとてつもなくけったいで、どうしてこれを書いたのだかさっぱりわからないし、こういう文...
面白いとは一寸も思わなかった。面白くない。最近、こういう文章を書く人が、特に女性に多いというかほとんどこういう文章は女性しか書かないんじゃないかと思うのだけど、どばどばと自分を垂れ流し続けるところがとてつもなくけったいで、どうしてこれを書いたのだかさっぱりわからないし、こういう文章が支持されることもわからない。まぁ、主人公が自分を垂れ流しているのはあくまで意識的と思えないでもないけれど、それでもそういう話を書いている時点で僕はもう駄目だなぁ、これは、と思ってしまう。(08/1/8)
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とりあえず、ヤバイ小説である。何がヤバイのかといえば、よく分からないけどとにかくヤバイのだ、という台詞しか浅学な私の口からは出てこない。とりあえず、私は彼女の言葉のセンスにものすごく惹かれた。一個前のところで「アサッテの人」を出したけれども、それが実にいい意味での布石になっていて...
とりあえず、ヤバイ小説である。何がヤバイのかといえば、よく分からないけどとにかくヤバイのだ、という台詞しか浅学な私の口からは出てこない。とりあえず、私は彼女の言葉のセンスにものすごく惹かれた。一個前のところで「アサッテの人」を出したけれども、それが実にいい意味での布石になっていて、やはり川上氏のこれもまたウィトゲンシュタイン的であると感じる。諏訪氏がその言語戦略を「挿入」としてしか使用できなかったのに対して、川上氏はそれによって世界を「支配」することに成功している。まずは、そこがすごい(町田康に似ていると言われるけど、そういう意味では全然違うわな)。それから、「私は奥歯なのです」という認識論、これは人によって好き嫌いが分かれるところではあろうけれども、私はすごく好き、というか「好き」以外のまともな言葉をもっと使えよって話なんだけれども、やっぱりそれしか言葉が出てこない。文章全体を通して「発話の位置」というのが非常に掴み辛くなっていて、あんたの中にも私がいて、てか私って結局何やの、一人称の「私」って誰やねん、という逡巡が上手いこと紙面に表現されていて驚く。その不安定さがたまらなく安定していて、そしてリアルだ。そう、「安定した不安定」さというのは、幾つか前に絲山秋子氏のところでも書いた覚えがあるけれど、現代社会の内面を説明する上で絶妙に使いやすい言葉だ。これがリアルだと、小説全体が生きる。特に本作の場合、そのリアルの対象が個人の内面に向かうことによって、絲山氏の『袋小路の男』とはまた別の側面を照射することが出来ている。素晴らしい。素晴らしいと思いながらも、でもやっぱりまだ「川上哲学」を完璧に理解することが出来ず、文章の合間合間に意味不明な私がいて、それは私の問題であると同時に彼女の問題でもあるはずだから、とりあえず★は4つだけにしておこうと思う。でも、確実に『アサッテの人』よりは面白いよ。
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哲学ですよ、小説を飛び越えて哲学しましょ。このリズム、この思考の、脈々と繋がっていくさまは人によっては快感、人によっては苦痛となりえるかー。
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芥川賞受賞作品。なんか主人公の妄想なんだろうけど、読んでても・・・ってな感じでよくわかんなかった。こういう本はただただ時間だけがかかって。あんまりでしたね。
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奥歯。これすなわち自分。妄想。 頭ん中全部そのままアウトプットしましたって感じ。内側で蠢くものに名前を与えた。そんなことしたら、そりゃこういう作品になるわな。そんなことばっかが目に点く一方、意外としたたかな面もあったりする。とりあえず著者にほれました。
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饒舌で饒舌で、とにかく最初から最後までしゃべくり倒してる小説。韻を踏んだりリズムカルで、ぜひ朗読してるさまを見て聴いてみたい。 奇異に思えたタイトルも、一読すると疑問氷解。ああ、そうそうそういうことだったのかと腑に落ちるから不思議。4分の3からラストにかけて、みるみる魔法が解け...
饒舌で饒舌で、とにかく最初から最後までしゃべくり倒してる小説。韻を踏んだりリズムカルで、ぜひ朗読してるさまを見て聴いてみたい。 奇異に思えたタイトルも、一読すると疑問氷解。ああ、そうそうそういうことだったのかと腑に落ちるから不思議。4分の3からラストにかけて、みるみる魔法が解けていくかのようにすべての種明かしがされて驚き、こうした手法で読ませてしまった作者の才能に感嘆したのだった。 同時収録の「感じる専門家 採用試験」のが難解だったかも。言葉言葉言葉。<在る>ということ。ただ、読んでいてとても心地良かった。また機会があったら、読むと思うたぶん。
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例えば、何かを考えたり、決定したりと自分の中でそういったリーダー的存在、もしくは最高責任を担うとすれば、ほとんどのヒトは「脳」だとするが、それをなぜか「奥歯」としたわたしの話。芥川賞候補作品にして、文字から音が聴こえる名作です。
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先日、芥川賞を受賞なされた。 おめでとうございます。 たまたま、気になっていたので、候補の頃に取り寄せいた。 読み終わった時に、この感覚・・前にも一度味わっているってことに気がついた。 そうだ・・町田 康氏の著書を読んだ時と、同じ感覚だ・・・・・ 選考委員の中に、この感覚がお...
先日、芥川賞を受賞なされた。 おめでとうございます。 たまたま、気になっていたので、候補の頃に取り寄せいた。 読み終わった時に、この感覚・・前にも一度味わっているってことに気がついた。 そうだ・・町田 康氏の著書を読んだ時と、同じ感覚だ・・・・・ 選考委員の中に、この感覚がお好きな方がいらっしゃるのかなぁ・・・・・ まず『。』が、1ページに1〜2個しかなかったり、下手すりゃ1〜2ページに1個しかなかったりする。 中学生の頃、英語の長文読解が苦手だった(ToT) でも、国語なら、長文読解も大丈夫だった。ただし、標準語の場合・・ 彼女は関西弁で、しかも平仮名で書いているから、関西弁(大阪弁と京都弁の区別もつかない私には)に慣れない私は四苦八苦・・ う〜〜む・・・・・ 宮本 輝氏や谷崎潤一郎氏のものを好んで読んでいたことがある。 彼らの『』の中の関西弁に苦労した覚えは全くない。 むしろ好きだったりする。 そしてとても美しいと感じていたし、違和感など全く感じなかった。 う〜〜む・・・・・ 大好きな川上弘美氏、センセイの鞄から読み始めて、エッセー以外全て読んでいる。 だけど、芥川賞受賞作の蛇を踏むはそんなに好きな作品ではない。 彼女の不思議系が苦手なわけではなく、神様とか龍宮などは大好きだ。 でも、龍宮からこっち、もっぱらラブストーリーで、不思議系はない。 一番最初に蛇を踏むを手にしていたら、こんなにも川上氏が好きにはならなかっただろう。 だから、これも読む順番とか縁なのだ。 私は苦手だけど、好きな人もきっといると思う。 なんせ受賞作なのだし^_^; きっと素晴らしい才能をお持ちなのだろう。 ただ、私の脳には理解できず、心に縁がなかっただけの話である。 今回のことは忘れて、彼女の5年後くらいの作品を読んでみたい。
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読み終わってすぐの、この思いを忘れないために。初めて読んだ、こんな小説?。頭を通さずに身体に響いた。なんだこれ?すごい。本当にそれだけ。すごいコトバだらけだ、身体に伝わるコトバ! 感想はまた、後日。 ということで、今日がその後日。小説というのか、作者は散文のつもりで書いたといっ...
読み終わってすぐの、この思いを忘れないために。初めて読んだ、こんな小説?。頭を通さずに身体に響いた。なんだこれ?すごい。本当にそれだけ。すごいコトバだらけだ、身体に伝わるコトバ! 感想はまた、後日。 ということで、今日がその後日。小説というのか、作者は散文のつもりで書いたといっていたけど。文字のコトバというよりは、音のコトバが羅列されていて、でも物語がちゃんと内包されている。音のコトバは直接、身体に響く。リズムと強弱がある小説。そんなの初めて読んだ。物語が五線譜で、コトバが音符みたいな感じ。音符が多すぎて、もはや五線譜は見えん!! とにかく衝撃。形而上とか形而下とか、少し困難な内容もあるが、やはり生きているうえで、何かしら感じている事柄を、この小説は音にして伝えてくれていると思う。わたしと私はここにアル、なんで。私のわたしはどこにある、さて。みたいな・・・。 何度も読み返す必要があるね。こりゃ。 080117読了
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えーっと、なんでしょう まずはタイトルに驚き!なんですが 芥川賞候補になったっていうのにもっと驚き! 新しい文学なのかなぁ〜 古川 日出男さんに似てるって言や似てるけど、もっとこねくり回す感じと言いますかー よくわかりません。 しかし、これが賞レースに出てく...
えーっと、なんでしょう まずはタイトルに驚き!なんですが 芥川賞候補になったっていうのにもっと驚き! 新しい文学なのかなぁ〜 古川 日出男さんに似てるって言や似てるけど、もっとこねくり回す感じと言いますかー よくわかりません。 しかし、これが賞レースに出てくるようになるってことは、これから先もこのような文が増えるってことなのか… だとすれば、僕もそれについて行けるように読みつづけなきゃいかんのかー 先が思いやられるなぁ あ、 なんか間違ってます?
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