兵隊万葉集 の商品レビュー
オーラルヒストリーを批判し、アジア・太平洋戦争時代に読まれた兵士の短歌をベースに「万葉集」的視点から身分に囚われずに歴史解釈するという試み。着眼点は興味深いものがあり、同時代に参戦した兵士たちの息遣いが伝わってくる。ただし、当然の事ながら著者による短歌選択の編集はあるし、著者の歴...
オーラルヒストリーを批判し、アジア・太平洋戦争時代に読まれた兵士の短歌をベースに「万葉集」的視点から身分に囚われずに歴史解釈するという試み。着眼点は興味深いものがあり、同時代に参戦した兵士たちの息遣いが伝わってくる。ただし、当然の事ながら著者による短歌選択の編集はあるし、著者の歴史叙述・解釈が大きな比重を占めているので、その辺は留意して読む必要はある。
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タイトルは『兵隊万葉集』となっていますが、戦局について等の解説部分が多く、短歌の数自体は少ないかと思います。 私は短歌の事は殆ど分かりません。ですので、この本に収録されている歌の数々が、上手な歌かどうかも分かりません。 ですが、哲学的だったり抽象的な表現ではなく、その時々の...
タイトルは『兵隊万葉集』となっていますが、戦局について等の解説部分が多く、短歌の数自体は少ないかと思います。 私は短歌の事は殆ど分かりません。ですので、この本に収録されている歌の数々が、上手な歌かどうかも分かりません。 ですが、哲学的だったり抽象的な表現ではなく、その時々の事実や思いを詠んだ歌は、ストレートに心に響いて来ました。 本の中でも「歴史とは、総体を俯瞰する眼と同時に、なるべく小さく見る努力も図られるべきだ」とありましたが、私も本当にそう思います(私自身は総体を俯瞰する事がまだまだ足りていませんが)。 しかし、「小さく見る」事は、時が経つにつれどんどん難しくなっていくものではないでしょうか。 当時の事を直接知る人はどんどん少なくなっています。 ルポライターでも歴史家でもない人間が、他人の過酷な過去について根掘り葉掘り聞く事は非常に躊躇われますが、戦争の体験談というものは、やはり聞いておくべき事ではないでしょうか。 そして、何かの形でまた次へと伝えて行くべきではないでしょうか。 冒頭に、「戦後に学んだ知識によって、自身の体験を「解釈」として語ってしまう方が少なくない」と書かれていました。 私のような素人が、語られた方の言葉を「解釈」かそうでないかを見分け、またそれに対して更に「解釈」を付け加えずに伝えていく事は相当に難しい事だと思います。 でも、彼らの犠牲の上に今の平和な(“平和”の定義については色々あると思いますが、少なくとも直接生命の奪い合いをする戦時ではないという意味で)生活を送っている私たちは、そう努力する義務があるのではないか、そのように考えています。 この戦争の時の日本人を「愚かだった」と上から言ってしまうのは簡単ですが、もし「愚かじゃなかった」ら、今の私たちはいないかも知れないのですし。
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作戦の中で兵隊達がどのような思いをしていたのか、もっと知りたくて買ってみました…が。 ちょっと綺麗なかぁという印象が。 まぁ、短歌なんかを残す人だからそういう人たちなんだろうけども…。 それでも悲惨さ、むごさは伝わりました。 彼らが守ろうとした未来に生きる我々、というフレーズ...
作戦の中で兵隊達がどのような思いをしていたのか、もっと知りたくて買ってみました…が。 ちょっと綺麗なかぁという印象が。 まぁ、短歌なんかを残す人だからそういう人たちなんだろうけども…。 それでも悲惨さ、むごさは伝わりました。 彼らが守ろうとした未来に生きる我々、というフレーズに、心が痛くなりました。 私は今、彼らに会ったとして、胸を張れるか…。 明日からまた気を引き締めて頑張ろう。 それが何より彼らへの答えになるのかもしれません…。
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当時従軍していた兵士の詠んだ和歌を引きながら時系列的に日中戦争〜大東亜戦争の戦史を追う、というもの。 いささか著者の感想が感傷的に過ぎる面はあるが、これだけの数の歌を収集した努力に感服。
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