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犯罪心理学入門 の商品レビュー

3.7

21件のお客様レビュー

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 1982年に出版さ…

 1982年に出版された本なので、だいぶ古い。刑事学を習ったときには、次々と概念・理論が出てきて正直うまく消化できなかったのだけれども、本書には様々な事例が紹介され、それと絡めて学問的概念をうまく絡めて説明しているので、大変分かりやすい。初心者にはまさに適切な本。 しかし、「入門...

 1982年に出版された本なので、だいぶ古い。刑事学を習ったときには、次々と概念・理論が出てきて正直うまく消化できなかったのだけれども、本書には様々な事例が紹介され、それと絡めて学問的概念をうまく絡めて説明しているので、大変分かりやすい。初心者にはまさに適切な本。 しかし、「入門書」だからといって、なめてはいけない。様々な犯罪社会学理論も簡潔ながら分かりやすく書かれており、実際の事例を紹介することによって学問的概念の理解を容易にしている。 たかだか200頁余りの文庫本に過ぎないが、

文庫OFF

2023/08/09

筆者のあとがきによると、この本は普通の犯罪心理学入門の本とは違い、実際の犯罪のケースが多数紹介されています。 生まれてから大人になるまでの、育てられかた、社会情勢が大きく影響していることがわかりました。 法律の話になりますが、犯罪を犯す時の心理は程度の違いこそあれ、何かしら通常と...

筆者のあとがきによると、この本は普通の犯罪心理学入門の本とは違い、実際の犯罪のケースが多数紹介されています。 生まれてから大人になるまでの、育てられかた、社会情勢が大きく影響していることがわかりました。 法律の話になりますが、犯罪を犯す時の心理は程度の違いこそあれ、何かしら通常とは異なっているのだから、精神病とか心神喪失で責任能力がないから無罪にする、というのは納得いかないです。

Posted byブクログ

2023/04/15

日本の犯罪件数(刑法犯)は近年減少傾向にあるそうだが、概ね60万〜70万件前後と聞く。大半は軽微な窃盗犯でその比率は犯罪件数の半数以上を占めているようだ。検挙された数であるから、実際には本書の中でも触れられている、キセル乗車や遺失物を届け出ない(道端で拾った一円玉をわざわざ届け出...

日本の犯罪件数(刑法犯)は近年減少傾向にあるそうだが、概ね60万〜70万件前後と聞く。大半は軽微な窃盗犯でその比率は犯罪件数の半数以上を占めているようだ。検挙された数であるから、実際には本書の中でも触れられている、キセル乗車や遺失物を届け出ない(道端で拾った一円玉をわざわざ届け出ない)等を含めるとその数は一気に増加する。いわゆる魔が刺したなどと言うが、ちょっとした小悪魔は誰の身近にも潜んでいる。 近年減少傾向にある犯罪件数ではあるが、重大犯罪の率は増加していると言われる(私自身が統計学的なデータは調べてないので実際どうでしょう?)。まあ確かにワイドショーやネットが採り上げるような話題性の高い事件は情報溢れの現代社会では否応なしに外から感覚を刺激してくる。 その様な犯罪を心理的に原因について紐解いていくのが本書の全体的な内容だ。とは言え筆者は精神医学者で心理学の専門家ではないとの事。私の様な法学専攻(大して勉強もしてこなかった)の人間からするとその違いも明確には判らないが、心理学が書いて字の如く人の心や思考をベースにアプローチする学問であれば、精神医学は人の脳を医学的な見地で分析調査し解明していく、そんなところだろうか。 そもそも犯罪を研究する学問は2種類のアプローチがあり、一つは前述した様な犯罪者の身体的精神的な特徴を分析する「犯罪生物学」と、犯罪に至るまでの社会的な状況や犯罪者本人の置かれた立場などから分析する「犯罪社会学」に分けられる。どちらか一方が原因で犯罪に至る事は稀で、背景には犯罪者本人の特性に、犯罪者が置かれた社会的な状況がきっかけとなって表面化される事が大半だ。だが事実、先天的に異常を抱えて生まれてくる人もいるので、その様な場合は傾向的には放火や殺人といった重大犯罪、中でも多人数を殺害する様なセンセーショナルな事件に至る事もある。 本書はその様な特徴を持つ重大事件から比較的小規模な犯罪事例を多数挙げながら、精神医学的・心理学的なアプローチで原因に迫る。 究極的には全ての犯罪事例を超多角的に漏れなく分類化出来れば、将来発生する可能性のある犯罪防止が可能になるが、個人(犯罪者)の周辺の人々含めプライバシーの問題もあるため不可能だ。本書は1982年が初版だから、それから40年以上が経過し、近年量子コンピュータの様な技術も発達し、街の至る所にある監視カメラが膨大な情報を収集する、世界中の医療機関が医療データをネットワークで繋ぐことのできる世界においては、前述した2つの犯罪学も一層進化している事は間違いない。 いずれ生まれてすぐに、先天的な犯罪予備軍に分類されてしまう様な恐ろしい世界を想像する。その一方で社会的にそれを知らず知らずのうちに抑止する力が働く。あり得そうであり得ない世界を想像しながら読み進めるのも面白い。

Posted byブクログ

2023/03/21

犯罪者がどのように産まれるのか、どのような心理状況なのかがよく分かった。 専門家の言う事だから多分概ね合ってるんだろうけど、「子供の頃の~経験が原因でこの凶悪犯罪を起こしてるのだろう」みたいに、犯罪の原因を上から目線で断定してるのは少しイラッとした。 病気や周りの環境のせいで犯...

犯罪者がどのように産まれるのか、どのような心理状況なのかがよく分かった。 専門家の言う事だから多分概ね合ってるんだろうけど、「子供の頃の~経験が原因でこの凶悪犯罪を起こしてるのだろう」みたいに、犯罪の原因を上から目線で断定してるのは少しイラッとした。 病気や周りの環境のせいで犯罪を起こすってなんか残酷だね。逮捕されるのも、親ガチャ環境ガチャじゃん。

Posted byブクログ

2018/10/09

? 二人の犯罪者 ? 犯罪心理学の方法論 ? 知能と性格 ? 心の病 ? 犯罪の精神分析 ? 社会学の理論 ? 現代社会の犯罪心理学 犯罪を行う人間の心理的な背後を分析する犯罪心理学について。 第6章の「社会学の理論」はなかなか面白かった。 「なぜ我々は犯罪を犯すのか?」と...

? 二人の犯罪者 ? 犯罪心理学の方法論 ? 知能と性格 ? 心の病 ? 犯罪の精神分析 ? 社会学の理論 ? 現代社会の犯罪心理学 犯罪を行う人間の心理的な背後を分析する犯罪心理学について。 第6章の「社会学の理論」はなかなか面白かった。 「なぜ我々は犯罪を犯すのか?」という問いはよくよく考えると「なぜ我々は犯罪を犯さないのか?」という問いにも繋がる。もちろんそれは倫理的な分野の話に入り込んでいくのだが、一般の人々でも普通に犯罪を犯す可能性というのはごく当たり前に存在している。 犯罪を犯した人間が、そのような普通の人々と何が違っていたのか、ということを分析できれば犯罪の抑制に繋がる可能性もある。 その人間の性格や、家庭環境をふくむ歴史が大きく影響することは間違いないだろう。

Posted byブクログ

2017/11/07

数多くのケースを用いながら犯罪心理学とはどういう学問で、どういう経緯を経て成立したのか非常に丁寧に記載されています。 かなり古い書物であるため、今読んでみるとデータが古い箇所等もございますが、基本的な部分を学ぶという点では問題ないかと思われます。 丁寧に記載されているものの中には...

数多くのケースを用いながら犯罪心理学とはどういう学問で、どういう経緯を経て成立したのか非常に丁寧に記載されています。 かなり古い書物であるため、今読んでみるとデータが古い箇所等もございますが、基本的な部分を学ぶという点では問題ないかと思われます。 丁寧に記載されているものの中には読み進めるのに苦労する部分もありました。しかし、入門書としてかなり手出ししやすい一冊ではないかなと思われます。

Posted byブクログ

2017/10/10

Ⅰ「二人の犯罪者」を読んでいる時点で、事例に出てくる犯罪者の思考や生い立ちを知るうちに精神的に疲れてきた。結果的に読み進めるのをやめてしまったがまた気が向いたら読もうと思う。

Posted byブクログ

2017/05/14

各事件について丁寧に書かれているので、深く知ることができると思います。 犯罪心理学とは無縁ですか、入門書として分かりやすく書かれていると思います。

Posted byブクログ

2015/10/19

本書では犯罪を犯した人物がどうして犯罪を犯してしまったのか、また、その心理状況はどういったものであったのかが記述されている。 犯罪の原因としては主に二つあると指摘している。一つは本人の素質である。といっても生まれながらということではなく、どういった家庭や地域、教育を受けて育ってき...

本書では犯罪を犯した人物がどうして犯罪を犯してしまったのか、また、その心理状況はどういったものであったのかが記述されている。 犯罪の原因としては主に二つあると指摘している。一つは本人の素質である。といっても生まれながらということではなく、どういった家庭や地域、教育を受けて育ってきたのかということである。 二つ目に環境である。これは犯行時に置かれていた経済的・家庭的・社会的な環境の要因と言う意味である。 そして、二つの素質と環境が一致して犯罪が発生してしまうとしている。 その中でも起こす犯罪の傾向や再犯率も素質と環境の割合によって異なる。

Posted byブクログ

2011/07/06

犯罪心理学入門、は正に教科書的な構成となっている。一冊を読み終えると、長い旅路を終えたような気持ちになる。複数の分類が列挙されており、それに照合する複数の実例が細々と列挙されている。このあたり加賀乙彦の「死刑囚の記録」とは対照的である。死刑囚の記録では、著者の視点でかなり精緻に犯...

犯罪心理学入門、は正に教科書的な構成となっている。一冊を読み終えると、長い旅路を終えたような気持ちになる。複数の分類が列挙されており、それに照合する複数の実例が細々と列挙されている。このあたり加賀乙彦の「死刑囚の記録」とは対照的である。死刑囚の記録では、著者の視点でかなり精緻に犯罪者像が描かれていたが(ときおり感情移入も見られた)、こちらでは簡単な概説にとどまっているという点で物足りなさは感じた。また著者の言いたいことが何かというとそれを読み取るのは少々難儀となっている。それはこれが教科書的な体裁をとっているからであろう。とはいえ、著者が言いたいところは、犯罪について考える際には、遺伝的要因、環境的要因、心理的要因、社会的要因などが複合的に考える必要があり(クレッチマー)、とはいえ、複合的であるがゆえに、簡単な構図というものはつくることは困難かつ危険であるといったところだろうか? また、個人的に犯罪者を考える場合には知能指数の高さというやつを考えなければならないのだという感想も抱いた。これはある種の差別となりうるが、実際にデータが知能指数の高さが犯罪を類発させうると実証している。知能指数が一定程度あり社会良識をやはり一定程度見につけているならば、損益を考えることによって犯罪を回避できるはずなのである。そして、もう一つが精神状態であろう。結局のところ、犯罪を犯すのは個人であるので、心理状態に全てを帰せられるとは思うのだ。ただその心理状態を掴むためには、遺伝環境社会文化などについても考えねばならないのだろう。著者は個と社会との二面的な捉え方を提案しているが、個人的には犯罪者の個に対してそれらを複合的に結びつけて理解すればいいのではないかと感じる。また、著者は責任能力について述べている。自分としては、仮に意志したものではなくとも、人間はその肉体に責任を負うべきだとは感じている。途中で、精神的なてんかん発作によって意識のないまま車を運転し、対向車と衝突して相手を殺してしまった人物が無罪となったのは、責任能力がないのだから当たり前だというような意味合いで書かれているように感じたのが、そこには猛烈に反発心を引き起こされた。それでは殺された人は天災によって殺されたということになるのだろうか? とはいえ、個人的に一番興をひかれたのは代理性とでも呼べる原理であろう。人間ならば誰しもが心に犯罪性を持っている。それを犯罪者を通して代理的に実行してもらうことで満たされるという心理作用は確かにあろう。人が殺される小説を平然と読み続けられる、あるいは、人が殺されなければミステリとして迫力にかけるなどといった感想を抱いてしまうのは正にその心理的作用と言えよう。誰しもがそれを認めたがらないだろうが、犯罪事件に心を悩ませながらも、ワイドショーを面白がって見てしまうあたりにその醜さとも呼べるものが集約されているように思う。また、厳格な家庭の子供が非行に走るのは、親たちが無意識的に抑圧しているシャドウを代替実現しているというあたりもかなり鋭くて反面で受け容れがたい理論でもある。人間は自分が思っている以上に鈍感でありながらも、しかし無意識的には自分が思っているよりもはるかに繊細であるのは誰しもが異論のないことであろう。要するに、自分は騙せても子供は騙せないということになってしまうのだろうか?心理学や精神医学では酒を飲むことによって発揮される性格は基本的には本来のものだと言われてしまう。酒を飲むことで粗暴になる人は生来的に粗暴な人なのである。妄想や幻覚に駆られる人は異常酩酊であるが、そうでなければ基本的には本来の性格と言える。そなわち酒癖の悪い人とは関わらない方がいいということになろう。まあ、酒癖悪い人はすごく嫌いなのだけれど。

Posted byブクログ