考える技術・書く技術 〔正〕 の商品レビュー
30年以上売れ続けているロングセラー。その理由は読めばわかります!いつの時代にも大切なことが書かれています。
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2月? [内容]?では、頭のウォームアップ法として、日ごろの生活の中などで法則性の発見や相関関係を見つけることを挙げている。?は、自分の視点に固執し、マンネリズムに陥るのを防ぐ方法の考察である。?は、読書をする上で、専門と専門外の書物にわけ、それぞれにおける読書法を紹介している。...
2月? [内容]?では、頭のウォームアップ法として、日ごろの生活の中などで法則性の発見や相関関係を見つけることを挙げている。?は、自分の視点に固執し、マンネリズムに陥るのを防ぐ方法の考察である。?は、読書をする上で、専門と専門外の書物にわけ、それぞれにおける読書法を紹介している。?では、整理法としてカードで整理する方法を提案している。一方でカードの功罪を意識し、筆者がカードに対して全面的な信頼を寄せているわけではないことに注意するべきであろう。?では、前章で使用したカードをうまく使用し、自分の発想を生み出すコツを挙げている。また、規範にとらわれることなく新しい考えを生み出す必要性を論じている。?は、具体的に文章におこしていく際に、3つの技術を指摘している。?は、仕上げとし、注意すべき点をあげていく。最後の章は、まとめとして、ものを書く上での心構えを述べている。 [感想] 読書法、わかりやすい文章を書く方法など、実際に役立ちそうなことばかりであった。また筆者の文房具へのこだわりも興味深かった。
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人に読んでもらえる文章を書くには、表面的な技術の他、文に説得力がなければならない。その説得力というのは、著者の発想が読者にしっかり伝わっているかということである。発想は、著者が集めた情報から生まれるものなので、情報は良いものを選ぶべきだ。そして、良い情報を選別できるか否かは日ごろ...
人に読んでもらえる文章を書くには、表面的な技術の他、文に説得力がなければならない。その説得力というのは、著者の発想が読者にしっかり伝わっているかということである。発想は、著者が集めた情報から生まれるものなので、情報は良いものを選ぶべきだ。そして、良い情報を選別できるか否かは日ごろの視点の持ち方による。頭を使え。 とても高度な話をしているようであるが、ちょっとした訓練(心がけ)次第でこの理想に近づくと言う。確かに、著者が実践しているトレーニングは誰にでも出来そうなものばかりだ。 取捨しながら得た情報は、時間をおいて読み返し、不要なものは思い切って捨てていく。それは、常に情報が役立てられる状態にしておくための作業である。私の場合、一生懸命集めたものに対しては、捨てるのにも勇気がいる。しかし有益なものまで無駄にしてしまわぬよう、是非とも実践しなければならないのだろう。 この本を読んでナルホドナルホドと頷き、頭のトレーニングを心がけても、最終的には「どれだけ書いたか」という経験にかかっていると思う。
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僕は「知的生産」本、要するに「How to 勉強」本がかなり好きで、よく読んでいるつもりです。これは自慢できることではないですね。自分に自信がないだけなのですが。で、自分の勉強方法に自信がある方々が勉強本をものすわけですが、皆さんのやり方がどれも同じであるはずもなく、人それぞれの...
僕は「知的生産」本、要するに「How to 勉強」本がかなり好きで、よく読んでいるつもりです。これは自慢できることではないですね。自分に自信がないだけなのですが。で、自分の勉強方法に自信がある方々が勉強本をものすわけですが、皆さんのやり方がどれも同じであるはずもなく、人それぞれの独自の方法論を紹介しているわけです。中には他人の方法にケチをつける方もいらっしゃいまして、そこら辺に注目するのも面白いのですわ。 「勉強本」の世界にも名作があって、随分古い本でもまだ本屋さんで手に入るものがあります。印象深かったのは、梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波新書)、立花隆『「知」のソフトウェア』(講談社現代新書)、野口悠紀夫『「超」整理法』(中公新書)あたり。有名なものばかりになってしまいましたね。あと渡部昇一の『知的生活の方法』は三鷹の哲学番長が書いたのかと思うほど、哲学番長度が高く衝撃をうけました。番長読んだことあるんスかね。 さて、本日読んだこの本ですが、作者の板坂さんはケンブリッジ、ハーヴァードで教えた日本近代文学の研究者。1973年が初版。アマゾンによればまだ購入可能のようですが、一言で言えば今日この本を読む価値はほとんどないかと。版を重ねる理由がよくわかりません。方法論に関してなら、カードの使用については梅棹さんの方法を、発想法についてなら川喜多二郎『発想法』(中公新書)のKJ法を踏襲しているだけで、独自性は全くないですね。いくらかでも読む価値があるとすれば、「説得」そして「まとめ」と題された章ふたつのみ。印象に残った箇所を紹介すると… * 説得は知的なレベルからの、情動的なレベルからの二種類ある。知的なレベルは当然として、情動的なレベルからの説得も極めて重要である。その方法には1,読者を味方に引き込む(=「だきこめ!」)、2,読者の信頼、尊敬を得る(=「なめられるな!」、3,読者を自分のリズムに乗せる(=「のせろ!」)の三種類あるとか。 説得の技術というのは、古代ギリシャからレトリックがずっと研究してきたのだが、板坂さんがレトリックの伝統に詳しいとは思えないが(伝統的な分類法に沿ってないから)、かなり古代の議論に近いのにはおどろいた。その中で、独特なのは、2の「なめられるな!」かな。 そのなめられない方法の一つに、論文全体の10%に誰にも解らないような難解な議論や用語を持ち出すことを挙げている。そうすると「さすが!」と思われるのだとか。…こういうことあからさまに書く人、今も昔もそうはいないと思うのだけれども… 例として菊池寛や久米正雄の小説が挙げられている。 「誰方? イレ・シャルマンね!」 * 「まとめ」で、学問的誠実さが説かれる際に自身の体験が語られるところが面白い。板坂さん、イギリスで四千冊ほどある江戸期の書籍の整理を頼まれたとか。数年がかりで片付け終わったら、依頼者から礼状が届いた。英国人の依頼者曰く、近々目録を出版することにしたが、序文で名を挙げて感謝するつもりでいる、と。共著ならともかく、「無学文盲の手合い」に業績を持って行かれるのがよほど頭に来たらしい(当然だが)。大喧嘩をしてイギリスの勤務先を辞したらしい。結局その目録は出版されなかったとか。
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