一億三千万人のための小説教室 の商品レビュー
高橋さんの小説論が垣…
高橋さんの小説論が垣間見え、タメになりました。
文庫OFF
もったいぶった説明で…
もったいぶった説明ですが、要するに「真似をすることによって小説を学ぼう」ということだと思います。どの作家も、先輩作家たちの真似をすることから始めている。まずは真似よう。どの作家の文を真似すればいいかも提案してあります。
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こういう風に書ける人が小説家なんだな、と思った。 整理されたノウハウ本やハウツー本とはまったくちがう、余白がある一冊。 咀嚼するのに時間が必要でこの時間こそ大事なのだろうか。 本当に本当に小説家になりたいひとには一読の価値が大いにある一冊。
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なんと言っても本書は、小説が書きたくなる本。 小説を書くためのネタ探しの方法とか、文章の書き方とかいう技術論には触れずに、小説をはじめるまえにすることは何か、小説を「つかまえる」ために何をするのかにページを割いています。 著者は作家の高橋源一郎さん。本書は小学生に小説を書かせる...
なんと言っても本書は、小説が書きたくなる本。 小説を書くためのネタ探しの方法とか、文章の書き方とかいう技術論には触れずに、小説をはじめるまえにすることは何か、小説を「つかまえる」ために何をするのかにページを割いています。 著者は作家の高橋源一郎さん。本書は小学生に小説を書かせるシーンで始まりますが、つかみが良く、ほぼ一気に読めました。 基礎篇・実践篇と段階を踏んでいく本書では、20個の「鍵」が示されます。 例えば「何にもはじまっていないこと、小説がまだ書かれていないことをじっくり楽しもう」という鍵。 そして、著者は『エミールと探偵たち』(ケストナー)の「話はまだぜんぜんはじまらない」という文章を提示して「この小説の、この、はじめの部分には、小説を書きはじめる人たちが、いちばん最初にやらねばならないことが、完璧な形で書いてあります。これさえ読めば、わたしには、教えることがないぐらいです。ブラヴォー!」と語り、「小説を、いつ書きはじめたらいいか、それが、いちばん難しい」という鍵を提示します。 さらにヘレン•ケラーがWATERを知る有名なシーンを引用したのち「あなたが最初にやらなければならないのは、知識をぜんぶ、いったん、忘れてしまうことです。なぜなら、あなたは、感受性をとぎすまし、こうやって、暗闇の中で目を見開き沈黙の中で耳をすまさなければ、小説をつかまえることができないからです。 これもまた、とてもたいせつな鍵の一つ。 ⑧小説は書くものじゃない、つかまえるものだ」 そして「つかまえる」ためには「世界を、まったくちがうように見る、あるいは、世界が、まったくちがうように見えるまで、待つ」という鍵が提示され、入門篇が終わります。 実践篇の中心となるのは「あかんぼうみたいにまねること、からはじめる、生まれた時、みんながそうしたように」。面白かったのは「小説家になるためのブックガイド」。例えば太宰治の小説は全ての著作がまねの対象になると断言したうえで著者が実際にどのようにまねしたかの実例が示されています。 ただ、技術論は詳細には触れられていません。 それでも、本書は一読すると小説が好きになります。そして、小説を書きたくなります。 最後の鍵は「自分のことを書きなさい、ただし、ほんの少しだけ、楽しいウソをついて」。この鍵を見たら、背中が押されたような気になり、何か書いてやろうと思いました。 若いときに読んでいたら人生が変わっていたかもしれない楽しい新書です。
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高橋源一郎による、小説とは何か?を解説した本 以下、公式の概要 --------------------- 世の中には小説の書き方に関する本があふれている。そういった本の読者の大半は、小説を書きたい、あわよくば小説家になりたい人だろう。しかし、本書の「少し長いまえがき」の中で...
高橋源一郎による、小説とは何か?を解説した本 以下、公式の概要 --------------------- 世の中には小説の書き方に関する本があふれている。そういった本の読者の大半は、小説を書きたい、あわよくば小説家になりたい人だろう。しかし、本書の「少し長いまえがき」の中で、高橋源一郎は早々に断言する。「わたしの知っている限り、『小説教室』や「小説の書き方」を読んで小説家になった人はひとりもいません」。なぜか。「小説家は、小説の書き方を、ひとりで見つけるしかない」からだそうだ。 しかし、著者は小説家志望者の夢を打ち砕こうとしているわけではない。この本は、標題どおり「1億3000万人のための」小説教室なのだ。「小説を書く」という作業の前に、「小説の書き方をひとりで見つける」方法を手とり足とり、教えてくれる。 小説は「つかまえる」ものであること。小説と「遊ぶ」こと。まねることから始めること。小説の世界に深く入ること。そして最後に、自分の小説を書きはじめること。著者の後について「小説を書く旅」に出た読者は、今まで気づかなかった小説のおもしろさに気づかされる。書くよりもまず、読んでみたくなるはずだ。そして、著者の教えどおり、まねをしたくなる。 要するに、本書は「小説(を楽しむための)教室」でもある。その意味では、小説家になりたい人が目を通すべき実用の書といえる。音楽を好きな人が音楽家になり、スポーツの好きな人がスポーツ選手になるように、小説を書くためには小説を深く、楽しめることが前提だ。この本を読むと、小説がますます好きになるはず。文章の巧拙やプロット、キャラクターづくりのテクニックを越えた、小説の魅力に目を開かせてくれるからだ。(栗原紀子) --------------------- 元々は子供向けの講座で話した内容を、新書向けに再構築したもののようだ その子供たちが書いたという小説が冒頭に記載されてあって、確かに小説でしたねぇ 小説をかくとはどういうことなのか? 「すべての傑作といわれる小説は、その小説家が、最後にたったひとりでたどり着いた道、その道を歩いて行った果てにあります。そんなのを書く方法なんか、だれも教えられるわけがない」 概要でも説明されてあるけど、小説は自由なものなので、一人ひとり書き方が違うわけで なので教えられるようなものではないんだよなー なので、「一億三千万人のための」は、全員共通の方法という意味ではなく、個々での見つけ方指南という意味なのでしょうね 小説をボール遊びに例え、ボールを追いかけ、戯れて遊び、「掴まえる」事が重要だという 速いボールや変化球であっても「掴まえる」ためには、まずはそれを好きでいなければいけない その次は「まねる」 自分が面白いと感じたボールの投げ方、つまり文章の書き方を真似る 要は、小説の書き方と言いつつ、小説の楽しみ方を説いているように思われる もしくは、小説への向き合い方、かな? 詩は、作者が詩として向き合っていれば詩 小説は確固たるものがなく、自由なもの 言葉を使う表現の中で一番ルールに縛られない自由なもの だから、全ての人が自分にしか書けない小説を書くことができる
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これから小説を書こうとする人に向けた指南書。ただ、「書き方」を教えるというよりも、一小説の書き手として、小説を書くとはどういうことかを伝えようとした本、という印象で、とても好きな本だった。 著者は、「私の知っている限り、『小説教室』や『小説の書き方』を読んで小説家になった人はひと...
これから小説を書こうとする人に向けた指南書。ただ、「書き方」を教えるというよりも、一小説の書き手として、小説を書くとはどういうことかを伝えようとした本、という印象で、とても好きな本だった。 著者は、「私の知っている限り、『小説教室』や『小説の書き方』を読んで小説家になった人はひとりもいません」と言い切った上で、その理由を、「小説家は、小説の書き方を、ひとりで見つけるしかないから」だとする。それぞれの章では、自分の小説の書き方を見つけるコツとなる習慣や考え方を説明していく。 「小説に書けるのは、ほんとうに知っていること、だけ」「自分について書きなさい、ただし、ほんの少しだけ、楽しいウソをついて」といったことを鍵としているところからも、自分だけにしか書けないこと、他の人には書けないことを書くことを小説を書くこととして、大事にしているのだろうと思う。小説というのは「書くもの」ではなくて、「つかまえるもの」だという。 そのためのコツとして、徹底的に考えること、そして、自分が書いた言葉や、他人の書いた言葉を好意的に受け止めようとすることが大切なのだろう。それが「小説と、遊んでやる」「ボールを受け止める」といった言葉で表されている。 こうした小説を書き始めるための心構えの中で、具体的なアドバイスとして出されているのが「まねる」ことだった。小説の書き方というのは、赤ん坊が母親の言葉を真似るように、別の人の小説を真似るところから始まる。人の言葉をまねることを繰り返すことで、誰から教わったのかも分からない言葉をそのうち話すようになる。小説もまた、そういうもので、そのうち自分の中から生まれてくるもので、ただ、そのためには、小説を考え続けなければいけない。そういった本だった。
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小説の書き方というより、執筆に向けた準備をさせてくれる一冊。 技法ではなく、そもそも小説とは何なのか、何が必要なのかを子どもを諭すように教えてくれる。 抽象的すぎていたり、納得のいかない部分もあった。しかし、長い目で見れば、読んでおくべき一冊だと思う。殊に、レッスン6と7は非常...
小説の書き方というより、執筆に向けた準備をさせてくれる一冊。 技法ではなく、そもそも小説とは何なのか、何が必要なのかを子どもを諭すように教えてくれる。 抽象的すぎていたり、納得のいかない部分もあった。しかし、長い目で見れば、読んでおくべき一冊だと思う。殊に、レッスン6と7は非常に有意義ではないか。
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可もなく不可もなく。 筆者の温度感についていけず、途中から惰性で読み終えた。 参考になったようなならなかったような…
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とても読みやすく、すらすらと読めました。 小学生に小説の書き方を教える、というかたちで進んで行きます。 この本自体が小説だと感じました。 村上春樹さんの本は読んだことないですが、チャンドラーの本とよく似ているということをはじめて知りました。
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小説を書く技術的な話ではなく、心構えとしての内容でちょっと肩透かしを食らった気持ちに。文章のノリもあまり好みではなかった。小説家になるためのブックガイドにあげられた作家や作品は気になるので読んでみたい。
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