植民地朝鮮の日本人 の商品レビュー
本書は、1876年の日朝修好条規の締結による釜山の開港から、1945年の日本の敗戦と朝鮮の独立にいたる、日本と朝鮮の植民地支配の詳細な研究であるが、これを読めば現在2チャンネル等で叫ばれている右翼的言説などがいかに歴史の現実を見ていないものであるのかがわかると思った。 幕末の...
本書は、1876年の日朝修好条規の締結による釜山の開港から、1945年の日本の敗戦と朝鮮の独立にいたる、日本と朝鮮の植民地支配の詳細な研究であるが、これを読めば現在2チャンネル等で叫ばれている右翼的言説などがいかに歴史の現実を見ていないものであるのかがわかると思った。 幕末の日本は、諸外国から不平等条約を強制されて、その是正に苦労したことは知っていたが、その「被害者」である日本が、朝鮮に対しては「関税自主権」どころか「関税」そのものさえ認めない無慈悲な「加害者」であったとは、驚いた。 本書の種々の資料を駆使した当時の実態は、「差別」のなどと生易しいものではなく、まるで牛馬の「区別」のようなすさまじいものであったことがわかる。 殖民の実態についても詳細に研究されているが、その内容はほとんど「略奪」のように思え、現在では非難の対象でしかないようにも思える。 さまざまな産業の振興についても、その目的はあくまでも日本のためのものであることは明らかで、現在よくいわれる「日本も良いことをした」などという説がいかに空疎なものであるのかがよくわかるものであると思った。 しかし、本書は読みにくい。多くの資料から数値を引用しているのだろうが、やたらに詳細すぎて、全体の分析がわかりにくい。文章全体のトーンが暗すぎて、読み続けるのが困難だとも感じた。 テーマ自体が重いのであるから、それは仕方がないのかもしれないが、一部の専門家以外にも読者を広げ、啓蒙しようとするならば、もう少し工夫が必要ではないかとも思った。本書は「植民地朝鮮」の歴史を知るためには良い本であると思うが、読みにくい難書でもあるとも思った。
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[ 内容 ] 1876年、日朝修好条規によって日本人が釜山に上陸してから、1945年の敗戦で日本へ引揚げるまで、最大時75万人いたといわれる在朝日本人70年の軌跡を描きだす。 「草の根の侵略」の歴史を検証する1冊。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆...
[ 内容 ] 1876年、日朝修好条規によって日本人が釜山に上陸してから、1945年の敗戦で日本へ引揚げるまで、最大時75万人いたといわれる在朝日本人70年の軌跡を描きだす。 「草の根の侵略」の歴史を検証する1冊。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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レポート用に読んだ。植民地下・朝鮮に住んでいた軍人でも官僚でもない普通の日本人が何をしたのかについて書かれている。このテーマを扱った書籍自体が他にほとんど無いので比較は出来ないが、逆にその意味で貴重な文献だと思う。
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日本の植民地支配は,政治家・軍人によってのみ行われたわけではなく,名もない人々の「草の根の侵略」によって支えられていた.1876年,日朝修好条規によって日本人が釜山に上陸してから,1945年の敗戦で引揚げまで,最大時75万人いたといわれる在朝日本人70年の軌跡を描く.繰り返しては...
日本の植民地支配は,政治家・軍人によってのみ行われたわけではなく,名もない人々の「草の根の侵略」によって支えられていた.1876年,日朝修好条規によって日本人が釜山に上陸してから,1945年の敗戦で引揚げまで,最大時75万人いたといわれる在朝日本人70年の軌跡を描く.繰り返してはならない歴史を検証する1冊.
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左翼的な感情が多分に含まれており、中立性を欠く表現や情報の選択が見られる。盛り込む情報が散在的なうえに多量なため、何かメモ帳のような仕上がりになっている。
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1876年以後釜山、元山、仁川と開港され日本人の朝鮮半島入植者たちが、半島でどのように生活を定着させていったのかが豊富な資料をもとに詳細に書かれている。しかし新書版に無理に多くの情報を詰め込み過ぎた感があり、もったいない。もっとゆるゆるとした大作になるはずの内容だと思う。政府の移...
1876年以後釜山、元山、仁川と開港され日本人の朝鮮半島入植者たちが、半島でどのように生活を定着させていったのかが豊富な資料をもとに詳細に書かれている。しかし新書版に無理に多くの情報を詰め込み過ぎた感があり、もったいない。もっとゆるゆるとした大作になるはずの内容だと思う。政府の移民奨励策によって朝鮮の日本人人口は増えたのだが、そういうのに乗って移民するような人々が自分たちの生活と国策と、時には良心をどんなふうに折り合いをつけていったのかも多少だが分かって面白い。3.1運動に対する日本側の過剰な暴力的反応は‘朝鮮人に自分たちが否定されているという恐怖’という臆病心でもあったという点が指摘されていたりして、興味を持った。本書の意図するところではないかもしれないが、日常レベルでの日本人と朝鮮人の交流(案外のどかなものもあったらしい。ある韓国人によると日本人は清潔で礼儀正しく隣人としては好印象だったとか)が殆ど見られず、なんだか日本から来た野蛮人が好き勝手騒いで負けたらそそくさと引き揚げて行っただけという印象が強く、それは事実なんだがちょっと一面的かもなと思う。
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