宇宙を顕微鏡で見る の商品レビュー
『宇宙のはじまり』(1989年、岩波書店)と『宇宙こうして捕まえた―ブラックホールはなぜ存在するか』(1981年、創拓社)の二作品を収録しています。 著者は宇宙物理学の専門家であり、啓蒙書も数多く刊行しています。本書でも、現代の宇宙論についてわかりやすく解説がなされていますが、...
『宇宙のはじまり』(1989年、岩波書店)と『宇宙こうして捕まえた―ブラックホールはなぜ存在するか』(1981年、創拓社)の二作品を収録しています。 著者は宇宙物理学の専門家であり、啓蒙書も数多く刊行しています。本書でも、現代の宇宙論についてわかりやすく解説がなされていますが、そのさいに著者は、相対性理論や量子力学などの物理学の研究と、宇宙についての探求とのつながりに注意を向けるよう、読者に求めています。タイトルの「宇宙を顕微鏡で見る」ということばは、ミクロの世界を研究することを「顕微鏡」によって象徴し、それを通して「宇宙」というマクロの世界が解明されるということを意味しています。 ガモフによるビッグ・バンの提唱と、その後の宇宙物理学の進展によって彼の仮説が支持されたのは、ミクロな世界の探求によってでした。著者は、こうした宇宙物理学の発展のプロセスを説き明かしながら、現代の宇宙物理学の専門家が取り組んでいる仕事の意味を、一般の読者にとってもイメージすることができるような解説をおこなっています。
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