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当事者主権 の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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2023/05/01

 「世の中をこんなものさ、と受け入れていれば、自分のニーズにさえ気づかない。そのために、非障害者は当事者にさえ、なれないのだ。障害者の自立の理念に学んで、変えられないと思っている社会を変えてみようではないか」と「おわりに」にはある。2003年に出版された書籍であり、当時の政治状況...

 「世の中をこんなものさ、と受け入れていれば、自分のニーズにさえ気づかない。そのために、非障害者は当事者にさえ、なれないのだ。障害者の自立の理念に学んで、変えられないと思っている社会を変えてみようではないか」と「おわりに」にはある。2003年に出版された書籍であり、当時の政治状況や医療の状況(たとえば、行政改革や乳がん治療など)は当時と変わったことを感じさせる。一方で、引用した文章で述べられている「当事者にさえ、なれない」という内容は、今なお強く実感させられる人も多いのではないだろうか。  社会は何も変えられないと思わされていれば、自分自身が感じるニーズを考慮しても仕方がない、と捉えても不思議ではない。ではどうするか?

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2022/09/26

--読書メモ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 当事者は変わる。当事者が変われば、周囲が変わる。家族や地域が変わる。変えられる。地域が変われば、地域と当事者との関係が変わる。当事者運動は、自分たちだけでなく、社会を変える力を持っている。

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2021/08/31

歴史的な経緯の説明のところは読み飛ばしてしまいましたが、自分のことは自分でっていう主体性の大切さを学びました。

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2016/07/08

「私の現在の状態を、こうあってほしい状態に対する不足ととらえて、そうではない新しい現実をつくりだろうとする構想力を待ったときに、はじめて自分のニーズとは何かがわかり、人は当事者になる」「ニーズはあるのではなく、つくられる。」「ニーズをつくるというのは、もうひとつの社会を構想するこ...

「私の現在の状態を、こうあってほしい状態に対する不足ととらえて、そうではない新しい現実をつくりだろうとする構想力を待ったときに、はじめて自分のニーズとは何かがわかり、人は当事者になる」「ニーズはあるのではなく、つくられる。」「ニーズをつくるというのは、もうひとつの社会を構想することである。」

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2015/09/11

この本の内容も題名も時期尚早かもしれない 現在の世界は建前民主主義にたどり着きながら 反作用に犯されて 大きく唯物的競争原理に逆行している最中である そんな中で膨れ上がった金融マフィアを筆頭とする経済界や 政治や行政である今の権力者達は この本の内容を最も毛嫌いしているからである...

この本の内容も題名も時期尚早かもしれない 現在の世界は建前民主主義にたどり着きながら 反作用に犯されて 大きく唯物的競争原理に逆行している最中である そんな中で膨れ上がった金融マフィアを筆頭とする経済界や 政治や行政である今の権力者達は この本の内容を最も毛嫌いしているからである つまり個人がその個性と全体観を持って自律し お互いの足りない部分を補い合い共生する調和の繋がりを求め 直接民主主義を目指す者を根絶やしたいと 権力機構は躍起になっている最中なのである この本でも主権という言葉を使っているけれども 本質的に權利とか所有という傲慢で利己的な競争原理社会を 否定しているのである 部分でありながら全体でもあるという意味で 全ての存在が当事者同士でありお互いに 対等で自在な関係であることを 納得し合った関係にあるべきだということなのだと思う 調和というのは一瞬一瞬においてお互いの主張を認め合うことで 中庸な無摩擦の点を目指して限りない相乗効果に乗って 創造の踊りを愉しもうということである

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2015/01/05

高齢者の介護及び障碍者の介助についてを中心にして、自己決定能力が欠けていると(社会的には)みなされることの多い「当事者」たちに、「主権」―すなわち「自分の身体と精神に対する誰からも侵されない自己統治権、自己決定権」―を奪還させよう(そのために社会・制度を再設計しよう)という訴えを...

高齢者の介護及び障碍者の介助についてを中心にして、自己決定能力が欠けていると(社会的には)みなされることの多い「当事者」たちに、「主権」―すなわち「自分の身体と精神に対する誰からも侵されない自己統治権、自己決定権」―を奪還させよう(そのために社会・制度を再設計しよう)という訴えをしている。 高齢者・障碍者を対象にして論じるとわかりやすいし全くそのとおりなのだが、これを、一般的な社会的弱者にまで拡張しようとすると少し問題は複雑になるだろうとは思った。 しかし全体的な主張としては、「基本的に誰でも自己決定はしているし、できる」という考え方(周囲の人の「コミュニケ―ション能力」という認識を含む。)や、第三者としての「専門家」(及びパターナリズム)についての論考など、大いに納得・賛同した。 ※蛇足) 例えばまちづくりにまでこれを拡張しようとした場合、「誰が当事者なのか」という問題の他にも、いくつかの論点がうまれると思う。つまり、専門家(あるいは「ケアマネジャー」のような役割)の存在意義として、 ①複雑な仕組み(法制度)を使いこなすための補助(著者の一人である上野が「ケアマネジャーの役割として考えているもの)、 ②「個人の身体・精神」以外を調整すること(つまり、肉体的・時間的(世代間的)外部性の考慮)、 があると考える。 いずれにしろ、「客観性」のあるべき姿を問われる機会に本書がなったのも事実。より深く広い「主観」の積み重ねこそが客観、ということか。

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2014/04/12

 中西正司氏と上野千鶴子氏の共著。中西氏については寡聞ながら初めて知ることとなり、そのエネルギーにただ驚かされた。そして意外に感じられたのは上野千鶴子氏の今までとは違う「筆力」だ。  中西氏は確かに行動的な方だが、失礼ながら単著をお見かけしないところをみると、この本については基本...

 中西正司氏と上野千鶴子氏の共著。中西氏については寡聞ながら初めて知ることとなり、そのエネルギーにただ驚かされた。そして意外に感じられたのは上野千鶴子氏の今までとは違う「筆力」だ。  中西氏は確かに行動的な方だが、失礼ながら単著をお見かけしないところをみると、この本については基本的にコンセプトと主張を提示し、それを上野氏が「脚色」したのではないかと思う(違ってたらお許しを)。  私にとって上野氏の論調は、その視点を常に極端なレベルにおいて、そこから「中庸」の部分に斬り込んで行く姿勢を取っているように感じられ、常に一人称を強調するような印象がある。  しかし、この書において、視点は完全に中西氏のものであるように思えた。上野氏が脚色のみを担当したのであるとしたら、すばらしい黒子ぶりである。  障碍者の介助については詳しくなかったのでいろいろと学ばされることが多かったが、高齢者の福祉については書かれていることを読んで暗うつ、とは言わないまでも救われ難いものを感じた。  この書は10年も前、介護保険にそれなりの期待があった時代のものだ。しかし中の指摘を見ると、当初から「家族」をアテにしたものであったということ。現在もそれは同じであり、いやむしろ「在宅、在宅」と施設収容を前提に置かせないという部分など、もっと家族への負担を課すような政策になっている。    そしてその一つの原因も本書ではみごとに指摘されている。社会が「平均」と「標準」を基準に設計され、政策もそれに応じたものになっているということ。しかし、「平均」と「標準」にぴったり当てはまる人間などいない。人はそれぞれ平均値からの偏差を自分で修正しなければならない。そのためには何らかの力が必要となる。そのための最も簡潔な手段は「金銭」であり、現在満足のいくだけの介護を受けようと思ったら、「財力」が不可欠な要因となっているのだ。  10年前、私は母を看取った。そしてこの10年間、大なり小なり介護に関わる生活をしてきている。その間「制度」としても「現状」としても介護が向上しているとは残念ながら思えない。  行政のつくる「制度」をいただくだけの「クライアント」のままでは今後もこれは変わらないだろう。本書で主張された『一人一人の個人が自らの人生の責任ある当事者として生きること』という言葉がほんとうに清冽に響く。

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2012/01/18

出版社/著者からの内容紹介 障害者,女性,高齢者,子ども,不登校者,患者など社会的な弱者として「私のことは私が決める」という最も基本的なことを奪われてきた当事者たちが,近年,様々なところで発言し,社会を変革している.障害者自立生活運動を長年行ってきた中西氏と,高齢者・女性の新たな...

出版社/著者からの内容紹介 障害者,女性,高齢者,子ども,不登校者,患者など社会的な弱者として「私のことは私が決める」という最も基本的なことを奪われてきた当事者たちが,近年,様々なところで発言し,社会を変革している.障害者自立生活運動を長年行ってきた中西氏と,高齢者・女性の新たなネットワークを提唱している上野氏が,当事者運動の実際,そして可能性を熱く語る.

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2011/05/16

[ 内容 ] 障害者、女性、高齢者、子ども、不登校者、患者…。 問題を抱えているとみなされた当事者たちが、「私のことは私が決める」と声をあげた。 自立の意味を転換し、専門性を問い直し、社会を組みかえる、緊急かつ大胆な提言の書。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ...

[ 内容 ] 障害者、女性、高齢者、子ども、不登校者、患者…。 問題を抱えているとみなされた当事者たちが、「私のことは私が決める」と声をあげた。 自立の意味を転換し、専門性を問い直し、社会を組みかえる、緊急かつ大胆な提言の書。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2011/03/25

初めて社会福祉を学ぶ立場の人にもっとも大切なのが人権問題であり、それらを考える上で欠かせないキーワードが「『当事者』と『主権』とは何か」ではないでしょうか。この本は、著者自らも障害をもっており、初心者の福祉マインド形成に向けての貴重な視点を与えてくれます。

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