ビゴー日本素描集 の商品レビュー
2021年 33冊目 日本の義務教育を受けた人なら一度はみたことがあるビゴーのイラスト。日本美術に憧れお雇い外国人として来日した彼の目に映ったありのままの日本は着飾ってなくて実にユニーク。当時の日本では当たり前すぎて誰も残さなかった庶民の光景をビゴーが絵に残したことで、現在では...
2021年 33冊目 日本の義務教育を受けた人なら一度はみたことがあるビゴーのイラスト。日本美術に憧れお雇い外国人として来日した彼の目に映ったありのままの日本は着飾ってなくて実にユニーク。当時の日本では当たり前すぎて誰も残さなかった庶民の光景をビゴーが絵に残したことで、現在ではそれが貴重な資料になってるのだとか。富国強兵の時代って現代とはノリやテンションが違うような全く別の世界ってイメージだったんですけど徴兵から逃げ出す人々や共同浴場で井戸端会議してる娼婦たちとか人間らしくて、その時代に親しみがもてました。
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明治20年、フランス語時局風刺漫画誌『トバエ』創刊。条約改正は外国人居留者には不利益、お雇い外国人の口も減少だが経済力は発展/文明の利器の代表、鉄道では「つい習慣が出て」下足を脱いで乗り、下駄や草鞋がホームに残ることが多かった。「腰掛ける」習慣が定着していないので、座席に正座、胡...
明治20年、フランス語時局風刺漫画誌『トバエ』創刊。条約改正は外国人居留者には不利益、お雇い外国人の口も減少だが経済力は発展/文明の利器の代表、鉄道では「つい習慣が出て」下足を脱いで乗り、下駄や草鞋がホームに残ることが多かった。「腰掛ける」習慣が定着していないので、座席に正座、胡坐する人も多い/軍隊経験が洋風の/湯の女湯や娼家、性病検査、警察の取り締まりなど、困難な取材対象の一瞬の表情が興味深い/下層階級出身の遊女が読み書きできるのを驚嘆。十八から十年が年期で、二十八になれば遊女は自由、旦那物色の自由恋愛! 明治初期の写真機は、露出に時間がかかったからスケッチの方が様々の表情をうまく捉えている。ビゴーが愛したのは近代文明以前で、江戸情緒の残る日本で失われる生活文化を惜しんでせっせと絵にしてヨーロッパに報告した。井戸端会議、馬車、食い物屋、旅館、初めて汽車に乗る人々、娼家、取り締まりの警察署内(よく入れたものだ)そして軍隊。解説によるとビゴーは日清戦争に従軍して日本兵の支那兵捕虜虐待を告発して強制出国となったという。それだけ前線まで取材に行った訳。世界大戦前で「文明国の間では戦争は根絶された」と思いこんでいた頃
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釣りをしているのは、日本人、中国人、ロシア人の3人。 そんな風刺画を見たことある方も多いかと思われる、あのビゴーさん。 ここでは徴兵検査の様子や芸者さんの一日など、身近なまちなかの風景とはひと味違ったものが多く掲載されている。 中には「女湯」まで描かれていてビックリ! 着物はゆ...
釣りをしているのは、日本人、中国人、ロシア人の3人。 そんな風刺画を見たことある方も多いかと思われる、あのビゴーさん。 ここでは徴兵検査の様子や芸者さんの一日など、身近なまちなかの風景とはひと味違ったものが多く掲載されている。 中には「女湯」まで描かれていてビックリ! 着物はゆるみ髪はほつれ、リアルな生活感。言葉にならない微妙な表情。 群衆の中に上は着込んでいるのに裸足の人をみつけたり、そんな発見もおもしろかった。 パラパラ気楽に眺めるだけというのもありだけど、個人的には清水勲さんの解説も合わせて読んだほうがずっとわかりやすくておすすめ。
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特に、対象が風俗などのいかにも日常的な光景に向けられていたというのも、描き手の興味関心が奈辺にあったのかということがわかって、たいへんに興味深かった。
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明治時代に生きた市井の人々の姿が少し物悲しく描かれている。「芸者の一日」「娼婦の一日」「女中の一日」は社会の底辺に生きざるを得ない女性を生々しく描いているが、決して蔑んだ目ではない。 また、「東京・神戸間の鉄道」にある車中の様子、駅弁の売り子の表情、洗面所での所作などもとても面白...
明治時代に生きた市井の人々の姿が少し物悲しく描かれている。「芸者の一日」「娼婦の一日」「女中の一日」は社会の底辺に生きざるを得ない女性を生々しく描いているが、決して蔑んだ目ではない。 また、「東京・神戸間の鉄道」にある車中の様子、駅弁の売り子の表情、洗面所での所作などもとても面白みがある。
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岩波文庫で、イラスト入りですと、何か、うれしくなります。幕末・明治の日本の姿を、こっけいに描いています。西洋人が見た日本人の顔って、このあたりから、誇張されているんですよね。
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