寺田寅彦随筆集(3) の商品レビュー
随筆集の第3弾。昭和6年~昭和7年に書かれたものからの選集です。科学雑誌から文芸雑誌,新聞に至るまで,さまざまな媒体で随筆を発表していたことがうかがえます。守備範囲が広いというか…。 本巻では,「量的と質的と統計的について」や,映画や人形浄瑠璃についての何編かのエッセイ,そし...
随筆集の第3弾。昭和6年~昭和7年に書かれたものからの選集です。科学雑誌から文芸雑誌,新聞に至るまで,さまざまな媒体で随筆を発表していたことがうかがえます。守備範囲が広いというか…。 本巻では,「量的と質的と統計的について」や,映画や人形浄瑠璃についての何編かのエッセイ,そして,恩師の死の際に書いた「夏目漱石先生の追憶」「田丸先生の記憶」がわたしの頭に残っています。 「からすうりの花と蛾」より 人間の知恵はこんな些細な植物にも及ばないのである。植物が見ても人間ほど愚鈍なものはないと思われるであろう。(本書,246ぺ) (花というものは)われわれ人間の浅はかな知恵などでは到底いつまでたってもきわめ尽くせないほど不思議な真言密教の小宇宙なのである。(本書,247ぺ)
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「しかし自分の中にいる極端なエゴイストに言わせれば、自分にとっては先生が俳句がうまかろうが、まずかろうが、英文学に通じていようがいまいが、そんな事はどうでもよかった。いわんや先生が大文豪になろうがなるまいが、そんなことは問題にも何もならなかった。むしろ先生がいつまでも名もないただ...
「しかし自分の中にいる極端なエゴイストに言わせれば、自分にとっては先生が俳句がうまかろうが、まずかろうが、英文学に通じていようがいまいが、そんな事はどうでもよかった。いわんや先生が大文豪になろうがなるまいが、そんなことは問題にも何もならなかった。むしろ先生がいつまでも名もないただの学校の先生であってくれたほうがよかったではないかというような気がするくらいである。先生が大家にならなかったら少なくももっと長生きをされたであろうという気がするのである。」 寺田寅彦随筆集第3巻(岩波文庫)より 『吾輩は猫である』に出てくる水島寒月君が寺田寅彦である。
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カメラをさげて、読書の今昔、俳諧の本質的概論、追憶。映画と俳諧中心。モンタージュ。立体映画の項で今の3D関連を思う。あとTのすしの食い方w
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