南蛮寺門前 和泉屋染物店 他三篇 の商品レビュー
木下杢太郎『天草四郎』は、島原の乱に関わった人々の苦悩をよく捉えている。ここは、かつて切支丹大名の有馬と小西の領地であり、一揆勢の牢人達は再び自分たちの世が来ることを望み、切支丹はこの世に天国を築くことを願った。天草四郎は一揆の総大将に祀り上げられたが、自らの非力を覚り、「どうし...
木下杢太郎『天草四郎』は、島原の乱に関わった人々の苦悩をよく捉えている。ここは、かつて切支丹大名の有馬と小西の領地であり、一揆勢の牢人達は再び自分たちの世が来ることを望み、切支丹はこの世に天国を築くことを願った。天草四郎は一揆の総大将に祀り上げられたが、自らの非力を覚り、「どうしてわたくしに世を救ふやうなことが出来ませう」と苦悩する。切支丹の中には教えに疑問を持ち始める者もおり、「わたくしはでうすを疑ってゐるのでございます」と打ち明ける。一揆勢3万余は、幕府の12万の兵によって鎮圧された。
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