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世界の十大小説(下) の商品レビュー

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2023/11/29

図書館で借りた。 イギリスの小説家W.S.モームが選んだ10の小説を、作者がどんな人生を歩んだかのバックグラウンドを語りつつ、作品を評していくもの。それぞれの小説に興味をそそるつくりとなっている。 タイトルは十大小説であるが、モームが選んだ「小説ベスト10」という意味ではないこと...

図書館で借りた。 イギリスの小説家W.S.モームが選んだ10の小説を、作者がどんな人生を歩んだかのバックグラウンドを語りつつ、作品を評していくもの。それぞれの小説に興味をそそるつくりとなっている。 タイトルは十大小説であるが、モームが選んだ「小説ベスト10」という意味ではないことに注意だ。原題は「Ten Novels and Their Authors」であくまで10作品とその作者を語った、というテイストだ。 下巻は『ボヴァリー夫人』『モウビー・ディック』『嵐が丘』『カラマーゾフの兄弟』『戦争と平和』が収録されている。

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2022/02/28

今巻はドストエフスキーやトルストイなどロシアの文豪も登場し、読み応えがあった。最後の10人がパーティーで一堂に会したらというくだりがとても面白く、改めて自分の小説観を振り返る機会にもなった。 「小説を読むならば、知識のためにでも教訓のためにでもなく、もっぱら知的な楽しみのために...

今巻はドストエフスキーやトルストイなどロシアの文豪も登場し、読み応えがあった。最後の10人がパーティーで一堂に会したらというくだりがとても面白く、改めて自分の小説観を振り返る機会にもなった。 「小説を読むならば、知識のためにでも教訓のためにでもなく、もっぱら知的な楽しみのために読むのが本当であって、読んでみても知的な楽しみが得られないようだったら、小説などぜんぜん読まないほうがはるかに賢明であると、私はいくら繰り返し言っても多きに失することはないように思う。」

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2015/05/17

下巻で取り上げられているのは、フローベール、メルヴィル、E・ブロンテ、ドストエフスキー、そしてトルストイ。 各作品の紹介だけでなく、『Ⅻ 結び』で例えられたパーティの様子が面白い。描写がいちいちそれっぽいので、作家としてのモームの特徴も出ているのでは? 以下は上下巻纏めて。 人...

下巻で取り上げられているのは、フローベール、メルヴィル、E・ブロンテ、ドストエフスキー、そしてトルストイ。 各作品の紹介だけでなく、『Ⅻ 結び』で例えられたパーティの様子が面白い。描写がいちいちそれっぽいので、作家としてのモームの特徴も出ているのでは? 以下は上下巻纏めて。 人物描写に定評があるモームらしく、作品の魅力を伝える要約部分より、作家本人を紹介している部分の方が面白い。紹介された作家の中には、お世辞にも人格者とは言えない人物も当然いるのだが、そういった、『人間としてはちょっとアレなところ』が、モームの筆にかかると『何故か憎めない人物』に見えてくるのが不思議。 小説案内というよりは、文豪の手による作家紹介という色彩が濃いと思った。

Posted byブクログ

2014/04/20

実に楽しい「物語」と「その作者」の本。 モームの時に皮肉っぽい、それでいて率直な物言いが大変面白かった。それでいて、読むことに対する楽しみと愛情を感じる。 モームは本文中で何度も言う。読書とはその楽しみのために読むもので、楽しんで読めなかったならば、その本は読者にとってなんの価...

実に楽しい「物語」と「その作者」の本。 モームの時に皮肉っぽい、それでいて率直な物言いが大変面白かった。それでいて、読むことに対する楽しみと愛情を感じる。 モームは本文中で何度も言う。読書とはその楽しみのために読むもので、楽しんで読めなかったならば、その本は読者にとってなんの価値もない、と。また、そんな無理をして物語を読む義務などどこにもないのだ、と。 読んだことのない著者が半数ほどだったが、読んだことのある作家の章は「なるほど、なるほど」と思い、読んだことのない作家の章は「へぇ~、そうなのか」と興味を掻き立てられる。 作家の性格・生涯・そして創作スタイルは、なるほど如実にその作品に表れているのだな、と思う。正確にはそのままというわけではないようだが、それでもその作家のもっとも本質的な部分……不思議なことに、その作家がもっとも欲していた部分……が、作品として表現として物語となっている様子が伝わってくる。 断定的な見方に頼らず、しかし偏見は偏見として小気味よく語り、また著者の人間性に対してピリリと批評を加えるモームの筆は、読者としてとても信頼できる。 読みながら時にニヤリとしてしまう、とても楽しい世界文学読本でした!

Posted byブクログ