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イタリア紀行(上) の商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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イタリアの歴史と地理…

イタリアの歴史と地理を堪能できる作品。行った気になれるのでオススメ。さすが文豪。

文庫OFF

2024/03/12

ゲーテのイタリア旅行記ですね。 ゲーテ(1749ー1832)はワイマルでの煩瑣な生活からのがれるため、長年の憧れの土地イタリアへ旅立つ。 『この紀行の原拠となったのは詩人の旅行中における書簡および日記である。』と、翻訳者の相良守峰さんは綴られています。 ゲーテの起死回生の旅行はゲ...

ゲーテのイタリア旅行記ですね。 ゲーテ(1749ー1832)はワイマルでの煩瑣な生活からのがれるため、長年の憧れの土地イタリアへ旅立つ。 『この紀行の原拠となったのは詩人の旅行中における書簡および日記である。』と、翻訳者の相良守峰さんは綴られています。 ゲーテの起死回生の旅行はゲーテの古典主義の完成と、その後の文学活動に多大な影響を与えました。 この旅行記は三冊構成です。 「上」巻は以下の旅路。  カールスパートからブレンナーまで(1786年九月)  ブレンナーからヴェロナまで(1786年九月)  ヴェロナからヴェネチアまで(1786年九月)  ヴェネチア(1786年九月および十月)  フェララからローマまで(1786年十月)  ローマ(1786年十一月から1787年二月まで) ゲーテの関心がまるで古美術研究家のような風貌を持つこの旅行記は、ゲーテのまた自然の忠実な探求者の側面を持っていて、知的で観察力と洞察力を駆使しての著実に深く興味をそそられます。 とにかく面白ですね。

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2019/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ゲーテが1786年から1788年の二年間イタリアを旅したうち、レーゲンスブルクからローマの旅行記。 ベローナのアレーナの神殿の建築様式の言及や、全てが巨大で決して大都市向けではない7つの丘からなる世界の首都ローマの記述にうなづく。ゲーテの頃から変わらず今もサン・ピエトロ大聖堂には賛美歌が響き、法皇のミサが行われ、システィナ礼拝堂の最後の審判は力強く鮮やかである。コロッセオに住み着く人がいて煮炊きの煙がアリーナに流れたという記述が面白い。永劫の都。

Posted byブクログ

2018/05/27

前半は地質紀行としても第一級。ただ後半のローマ滞在のところは紀行というよりは思索的・抽象的な記述が多く読むのが大変だった。でもこの思索からのちにたくさんの傑作が生まれたのだろう。わたしのような凡人には、この偉大な詩人は全く理解できず。

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2015/07/06

1786年9月3日、カールスバートをお忍びで出発してから、ローマからナポリに向けて出立するまでのイタリア旅行記。幼少期以来培われてきたイタリア、あるいはローマに対する憧憬によって突き動かされているかのようにゲーテはイタリアに対する思いを綴っている。もっとも、フィレンツェには「3時...

1786年9月3日、カールスバートをお忍びで出発してから、ローマからナポリに向けて出立するまでのイタリア旅行記。幼少期以来培われてきたイタリア、あるいはローマに対する憧憬によって突き動かされているかのようにゲーテはイタリアに対する思いを綴っている。もっとも、フィレンツェには「3時間」しか滞在せず、アッシジについても記述が少なめであったりと、ゲーテが憧れるイタリアは今日の人間が思い浮かべるものといささかずれているようにも思われる。滞在地の中で最も記述が割かれているのはヴェネツィアとローマであるが、ルネサンス期の絵画や寺院、古典古代の建築物や石像についての記述の他にも、道すがら見える山地の鉱物について詳しく記述したり、ローマで『イフィゲーニエ』や『タッソー』の推敲にまい進するなど、ゲーテならではの記述も多い。また、ローマ滞在中の記述では、ヴィンケルマンに思いを馳せるなど、18世紀ドイツの文化人ならではの記述も姿を見せている。この本では、イタリアの文物や風俗に対するゲーテの見解が分かると同時に、当時のドイツの知的状況についても一定の知識を得られるだろう。

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2013/08/28

(1990.09.05読了)(1990.06.17購入) ☆関連図書(既読) 「牧夫フランチェスコの一日」谷泰著、NHKブックス、1976.08.20 「不思議の国イタリア」堀新助著、サイマル出版会、1985.10. 「ヴェニス 光と影」吉行淳之介文・篠山紀信写真、新潮文庫、...

(1990.09.05読了)(1990.06.17購入) ☆関連図書(既読) 「牧夫フランチェスコの一日」谷泰著、NHKブックス、1976.08.20 「不思議の国イタリア」堀新助著、サイマル出版会、1985.10. 「ヴェニス 光と影」吉行淳之介文・篠山紀信写真、新潮文庫、1990.08.25 「世界歴史紀行 イタリア」永井清陽著、読売新聞社、1987.12.27 「イタリア民族革命の使徒 マッツィーニ」森田鉄郎著、清水新書、1984.10.20 「概説 イタリア史」清水廣一郎・北原敦著、有斐閣選書、1988.04.25

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2012/04/22

ゲーテの約2年に及ぶイタリアの旅の中からドイツからイタリアに入りローマまでの滞在記が書かれている。ワイマルの政務に嫌気がさしての単身での逃避行と古代美術を通して詩人ゲーテ己自身を試した人生を賭した旅だったそうな。芸術論が多く読みにくい所もあるが、イタリアに入国してから絡まれたり、...

ゲーテの約2年に及ぶイタリアの旅の中からドイツからイタリアに入りローマまでの滞在記が書かれている。ワイマルの政務に嫌気がさしての単身での逃避行と古代美術を通して詩人ゲーテ己自身を試した人生を賭した旅だったそうな。芸術論が多く読みにくい所もあるが、イタリアに入国してから絡まれたり、警察の職務に遭おうが得意の弁術と知識で余裕に切り抜けるゲーテさん素敵です。夢に焦がれたローマでは前夜からのはしゃぎっぷりとローマ滞在中の踊るような文章は微笑ましくなった。訳も戦前に書かれているのに読みやすくgoodです。

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2010/08/02

やっぱり頭のいい人は、観察力と好奇心がすごいなあと思いました。当時のイタリアをゲーテと一緒に観て回っているみたいで楽しいです。

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2009/10/04

 全三冊。仕事と暗い天気が嫌になってひょいとアルプスを越えて、やりたい放題言いたい放題、それが文豪ゲーテである。するどい観察は、鉱物・植物・美術・建築・演劇・音楽・政治・経済…およそありとあらゆる方向へと向いていく。いや、それよりも何よりも、少女の描写に注意されたい。『ヴィルヘル...

 全三冊。仕事と暗い天気が嫌になってひょいとアルプスを越えて、やりたい放題言いたい放題、それが文豪ゲーテである。するどい観察は、鉱物・植物・美術・建築・演劇・音楽・政治・経済…およそありとあらゆる方向へと向いていく。いや、それよりも何よりも、少女の描写に注意されたい。『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』のミニヨン、『詩と真実』のグレートヒェン、ゲーテの少女愛好はちょっと度を越していやしないか。あるいは、シチリアに赴いて当時ヨーロッパを席巻していたカリオストロの正体を探るべく変装して得意になる。この親爺はチョイ悪どころではなく、完全な悪漢である。加えてロリコンである、驚異的な知識人でもある。一体、彼の正体はなんだったのか、カリオストロなんぞよりもこちらのほうが知りたい。

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2009/10/04

ゲーテの二度にわたるイタリア旅行の本。第二次滞在の下巻ではオウィディウスに始まり、オウィディウスに終わるという秀麗な本。最後のミラノの女性とのエピソードは落涙物である。 さすがはゲーテ。 難点としてはひたすらに長いこと。日本では一般人にはまったく知られていない芸術家達の作品群がず...

ゲーテの二度にわたるイタリア旅行の本。第二次滞在の下巻ではオウィディウスに始まり、オウィディウスに終わるという秀麗な本。最後のミラノの女性とのエピソードは落涙物である。 さすがはゲーテ。 難点としてはひたすらに長いこと。日本では一般人にはまったく知られていない芸術家達の作品群がずらずら出てくるので、ついていくのがちょいとつらいときもある。

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