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ぼく東綺譚 の商品レビュー

3.7

67件のお客様レビュー

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素敵な挿絵も楽しめる…

素敵な挿絵も楽しめる。官能的な側面が強調された評論もみますが、中年男の恋愛の情けなさみたいなもののほうが印象に残る。

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挿絵がしみじみしてる…

挿絵がしみじみしてる岩波版がお気に入り。

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情景描写が巧みで、当…

情景描写が巧みで、当時の東京を匂いがする。

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木村荘八の挿絵も収録…

木村荘八の挿絵も収録。実際の玉の井はこのように美しくはなく、悲惨なものだったということはわきまえておかねばなりませんね。

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木村荘八氏による挿絵…

木村荘八氏による挿絵がたくさんあって、どれもすばらしい!!

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2024/09/15

昭和初期を舞台にした、老いた小説家の男性と娼婦として生きる女性の淡い恋愛物語 そう、恋愛物語、、の筈ですが、ただ一時すれ違っただけと言っても良い間柄で、別れ方についても、いくら何でも、もう少しましなやり方があったのでは、、と考えてしまいます。 当時の路地裏の雑沓の描写が、その...

昭和初期を舞台にした、老いた小説家の男性と娼婦として生きる女性の淡い恋愛物語 そう、恋愛物語、、の筈ですが、ただ一時すれ違っただけと言っても良い間柄で、別れ方についても、いくら何でも、もう少しましなやり方があったのでは、、と考えてしまいます。 当時の路地裏の雑沓の描写が、その匂いまで伝わってくる気がするほど鮮やかでした。また明治、大正、昭和の激動の時代と共に移り変わる価値観についても多く触れられており、「自分の祖父母世代が若い時は年配からこう思われてたのか」などと考えながら興味深く読んでいました。

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2023/11/16

特に何が面白かった訳でもないし、言葉も言い回しも聞き慣れない日本語でしたが、最後まで読めた。 なんとも雰囲気のある大人な作品でした。 また落ち着いてじっくり読もうと思う。

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2023/06/18

はじめて読んだ永井荷風。いま以上に文学小説に疎かったころ、誰でも知っている文学者(夏目漱石とか芥川龍之介とか)以外の作品が読みたいと思い、本屋で薄めの本さがしていて目に留った。確か2021年かな。 面白くなかったらブックオフ持って行ったり面倒だと思い電子版で購入したが、すっかり永...

はじめて読んだ永井荷風。いま以上に文学小説に疎かったころ、誰でも知っている文学者(夏目漱石とか芥川龍之介とか)以外の作品が読みたいと思い、本屋で薄めの本さがしていて目に留った。確か2021年かな。 面白くなかったらブックオフ持って行ったり面倒だと思い電子版で購入したが、すっかり永井荷風ファンになってしまい、結局紙で買い直した。 現在の墨田区の地名が沢山でてくるので、いつか暇見つけて濹東綺譚めぐりでもしてみたい。

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2022/10/01

玉の井の私娼窟を舞台とした、永井荷風58歳の作品。荷風が玉の井を実地調査した話は彼の『断腸亭日乗』で読んだが、それがこのような静かな作品として結晶したことに感じ入る。ただ、当時の東京の地誌を知っていれば、もっと深く読めたかな、という感じもする。なので、脚注がないのは少々残念。 ...

玉の井の私娼窟を舞台とした、永井荷風58歳の作品。荷風が玉の井を実地調査した話は彼の『断腸亭日乗』で読んだが、それがこのような静かな作品として結晶したことに感じ入る。ただ、当時の東京の地誌を知っていれば、もっと深く読めたかな、という感じもする。なので、脚注がないのは少々残念。 とはいえ、岩波文庫版には木村荘八の挿絵が添えられていて、これは素晴らしかった。文と絵とがセットで、一つの作品なのだと思う。

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2022/09/19

自分も東京の下町を一緒に歩いているような錯覚に陥った。挿絵も濹東綺譚の世界へ誘ってくれるような、あの時代の情景が目に浮かび生活の音が聞こえてくるような心地の良い気持ちになった。 わたくしとお雪とは、互いにその本名も住所も知らずにしまった。ただ濹東の裏町で、一たび別れてしまえば生...

自分も東京の下町を一緒に歩いているような錯覚に陥った。挿絵も濹東綺譚の世界へ誘ってくれるような、あの時代の情景が目に浮かび生活の音が聞こえてくるような心地の良い気持ちになった。 わたくしとお雪とは、互いにその本名も住所も知らずにしまった。ただ濹東の裏町で、一たび別れてしまえば生涯相逢うべき機会も手段もない間柄であるー 今の時代、SNSを見れば個人情報はダダ漏れ。どんな人となりなのかあっという間にわかってしまう。 そんなものを持ち合わせていない時代、 相手の事をほとんど知らぬまま、でも思いだけは残り別離する。そのせつなさがとても上質なものに感じた。 そして、個人めいめいに他人よりも自分の方が優れているという事を人にも思わせ、また自分でもそう信じたいと思っている心持ち。明治時代に成長したわたくしにはこの心持ちがない。これが大正時代に成長した現代人とわれわれとの違うところですー と言う描写。承認欲求を欲する現代のことを言っているようだった。時代は繰り返しているのだと滑稽に感じた。 

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