新・田村の現代文講義 代々木ゼミ方式(1) の商品レビュー

田村秀行(著者)

2024/07/23

大学入試現代文の参考書です。本文の文章のロジックにしたがってていねいに読み解き、テクニックに走ることなく正攻法でこたえにたどり着くプロセスを解説しています。

おそらく本書が、出口汪の登場以前の現代文の「覇権」本だったのではないでしょうか。改訂のさいに付された「はしがき」によると、「講義形式であることから、問題を別冊にし解説を本冊にした形は、現在では一般に定着したようです」と書かれており、現在までつづく現代文の参考書の標準的なスタイルの先駆といえるようです。

問題の解きかたそのものは、現代の入試でも通用するのではないかと思います。ただ、「基本問題篇」と銘打っているにもかかわらず、やや設問にひねりがあることと、文章の内容が古びてしまっていると感じられるところもあります。とくに第七講に採用されている三枝和子の文章は、女性性にかんする本質主義的な発想から完全に自由ではなく、現在ではこのままのかたちで出題されることはないと思われます。

2009/10/04

「やさしく…」をやっていればいらないかも？な一冊。
それでもこの人の読み進め方を定着させるには一冊じゃ足りない気がするので、個人的にはオススメ。
もうすこしマークの付け方とかを統一させれば丁寧かな？とか思ったりするけど、十分良い問題集だと思います。
さて、次以降のクオリティはいかに。