ロバのおうじ の商品レビュー
人間の美しさは外見ではなく中身― という寓話であるように読めるけど、それは誤読だろう。 醜い外見-美しい中身という単純な二項対立ではない。 なぜなら、王子がロバの外観を越えて真に愛されたのは、彼が幼いときに獲得した技術や教養や気品の賜物だったからだ。 しかもそれらのうちの多くは、...
人間の美しさは外見ではなく中身― という寓話であるように読めるけど、それは誤読だろう。 醜い外見-美しい中身という単純な二項対立ではない。 なぜなら、王子がロバの外観を越えて真に愛されたのは、彼が幼いときに獲得した技術や教養や気品の賜物だったからだ。 しかもそれらのうちの多くは、他でもなく、彼をどうしても愛することができなかった父王が与えたものである。 そのことも踏まえれば、端的に愛せる、端的に愛される、ということが善であるという単純な構図もこの作品には当てはまらない。 王子をとりまいたものの全体をとらえなければ、この作品の放つ美をとらえたことにはならないだろう。
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グリム童話で、物悲しく寂しいおはなしなのですが、バーバラ・クーニーの美しい絵がその悲惨さを救ってくれます。
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こどものいない王さまとおきさきは、お金や宝石に夢中。あるとき、旅人から、森の魔法使いにお願いするとこどもが授かると聞き、お願いする。しかし、約束を破った王さまにおこった魔法使いは、「ロバのおうじ」を生ませる。姿にかまわず、愛されたとき、ロバは本物の王子にもどれるのだ。みにくい王子...
こどものいない王さまとおきさきは、お金や宝石に夢中。あるとき、旅人から、森の魔法使いにお願いするとこどもが授かると聞き、お願いする。しかし、約束を破った王さまにおこった魔法使いは、「ロバのおうじ」を生ませる。姿にかまわず、愛されたとき、ロバは本物の王子にもどれるのだ。みにくい王子は、王さまやおきさきから愛を受けることができず、城をでていく。そんなとき、ロバのおうじは、王さまとお姫様の住むお城へ召し抱えられる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
子どもが欲しいと魔法使いに頼んだ王様とお妃様がお礼をケチったために、ロバとして生まれた王子。成長したロバは、あるときリュートという楽器を手に旅に出る。姿形を気にせず、心から愛してくれる人は見つかるのだろうか。。 自分の居場所がない、ロバだから歓迎されていないという思いを抱えている彼だけど、王子としての品があって、リュートが上手く、とても魅力的。 家出した彼はある女性と出会って恋に落ちるんだけど、別れようとする。でも…。
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胸に沁みるようなお話で、うっかり子どもに読んで聞かせたりすると涙が出そうで困ってしまうのだ。グリムの原話と異なるところが若干気になりはするものの、これはこれで名作だと思う。クーニーの絵がまた良し。おひめさまのジュリエット風ドレスなど非常に印象的で、これ見たさに買ったといってもいい...
胸に沁みるようなお話で、うっかり子どもに読んで聞かせたりすると涙が出そうで困ってしまうのだ。グリムの原話と異なるところが若干気になりはするものの、これはこれで名作だと思う。クーニーの絵がまた良し。おひめさまのジュリエット風ドレスなど非常に印象的で、これ見たさに買ったといってもいいくらいだ。ただし、ロバから人間になった王子のりっぱな姿は、個人的には今ひとつ。大事なところなので残念…。
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親の望みどおりに生まれてこなかったばかりに、両親の愛を受けられずに育つ。親に愛されない子なんていないと思いたいが、現実的には日々のニュースが証明している。悲しい現実がある。 親元を離れ、自立して行こうとする姿にグッとくる。『愛する』『愛される』の意味をこの絵本でも教えられる。
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かん子さんの「絵本総解説」で紹介されていた絵本。 とてもよかったです。 お金はたくさん持っているけど、子どもがいない王様が、 なんでも願いをきいてくれる魔法使いの噂を聞く。 王様はハンサムな王子が欲しいと思い、 服が大好きなお妃様は、かわいい女の子がいいと思い、 魔法使いに子ど...
かん子さんの「絵本総解説」で紹介されていた絵本。 とてもよかったです。 お金はたくさん持っているけど、子どもがいない王様が、 なんでも願いをきいてくれる魔法使いの噂を聞く。 王様はハンサムな王子が欲しいと思い、 服が大好きなお妃様は、かわいい女の子がいいと思い、 魔法使いに子どもを授けてもらうんだけど、 お礼をけちったので、生まれてきた王子はロバの姿。 自分たちが期待したような子どもでなかったので、 王様とお妃様は、全く王子に関心を向けず、 城の人たちからロバだからとバカにされ、 王子はいつもひとりぼっち。 努力してリュートを上手に弾き、 素晴らしい歌を作って歌えるようになった王子だけど、 やっぱり王様とお妃様は見向きもしない。 そこで王子は、一人城を出る決意をする。 王子は別の国に行き、 その国の王様とお姫様に 素晴らしい歌い手として迎えられ、 ロバの姿のままで、気立ての良さ、賢さ、優しさを認められ、 幸せに暮らしていたが、 ある日、3人の立派な王子がお姫様に求婚していると知り。。。 ロバの姿の王子が、 とても愛らしく、そして切ないです。 ロバの姿だけを見て、王子の美点に気づかない「自分のことに忙しい」両親。 愚かだけど、うーん、よくある話かも。 そんな両親の国から、王子は自ら旅立つ。 そう、自分が生きる場所は、自分で決めていいんだ。 そうして王子は、 ロバの姿のまま自分を受け入れ、 ロバの姿の下に隠れた美質に気づいてくれる人たちと出会う。 ありのままの自分を受け入れてもらえる幸せ。 そのままの「良さ」を愛してもらえる幸せ。 そんな幸せを、しみじみと教えてくれる絵本です。 読み終わり、穏やかな幸せな気持ちになりました。
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愚かな両親のせいで、ロバそっくりに生まれてしまった可哀相な王子。 しかし、彼を心から愛してくれる人が現れた時、呪いが解け…。 何の罪もない王子が可哀相で、最後ハッピーエンドで終わったことが何よりの救いです。
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