美術館の可能性 の商品レビュー
総合的な著作で、とても読み応えがあります。1・2章で美術館の概念を整理し、諸要素を分類し、3・4章で展開を論じています。かなり難しい課題ながら、最後には可能性の方向性が提示されているのが凄くタフです。 先日読んだ『サインシステム計画学』とこの本は通じるものがあります。前者が公共...
総合的な著作で、とても読み応えがあります。1・2章で美術館の概念を整理し、諸要素を分類し、3・4章で展開を論じています。かなり難しい課題ながら、最後には可能性の方向性が提示されているのが凄くタフです。 先日読んだ『サインシステム計画学』とこの本は通じるものがあります。前者が公共空間におけるデザインを、後者は公共空間におけるアートを扱っています。そういう点では、デザインとアートの差異について考えさせられます。一番明確な違いは、デザインは一般に対するプロダクトが要請されるのに対し、アートは顧客を定義することを免れ得ないこと。そこにきて公立の美術館が今後どのような戦略を立てていくべきか、やはりかなり難しい課題ですが、それを考える土台としてこれは読むべき本です。
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