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ゴリオ爺さん(下) の商品レビュー

4.4

7件のお客様レビュー

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2023/01/12

ゴリオが見せた父性愛とその顛末はトラウマとして封じ込められ,ラスティニャックの欲望は前向きなものとして残される,そういう時代かもしれない。 文学作品として見た場合,写実主義の代表とも言えよう書き込みの多さが特徴的である

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2021/08/28

バルザックが「人間喜劇」という名で90篇の作品を書いた、ということに興味を持ったのはもう45年以上前、取った講義の題材からであった。 しかし、本好きとなのになぜか私が読んだバルザックの作品は数えるほど。「谷間のゆり」「従妹ベット」「ヴェジニー・グランデ」「知られざる傑作」など読...

バルザックが「人間喜劇」という名で90篇の作品を書いた、ということに興味を持ったのはもう45年以上前、取った講義の題材からであった。 しかし、本好きとなのになぜか私が読んだバルザックの作品は数えるほど。「谷間のゆり」「従妹ベット」「ヴェジニー・グランデ」「知られざる傑作」など読んでるほうと思っていたが、なんと遠回りだったことか、これ読まずして文学好き本読みとは言えない。 「人間喜劇」中の傑作のひとつ、のみならず単体としてのおもしろさ、構成のよさ、やはり与える影響抜群の作品なのだ。古典名作の中で、私にとっても久々のヒット作品を読んだのである。 持参金を持たせて貴族と銀行家に嫁がせた娘ふたりに裏切られる「ゴリオ爺さん」の挫折と不幸、悲しみは「リア王」だけれど、バルザックのバルザックたる所以は、主人公「ラスティニャック」の青春教養物語として嫋々と迫ってくるので、光り輝くような説得力。 お金に群がる貧者、醜い出世主義、ずうずうしい泥棒の悪、貴族の悪党、なんという親不孝娘。 19世紀初頭の王政復古と拝金主義時代の風物風俗、社会批評を描かせたら、バルザックなど同時代の自然主義文豪にかなわないだろう。風俗史実の面白さに加えて、いまだ変らぬ人間心理のダイナミックな暴露は恐ろしいほど。 上巻はまだるっこしくとっつきにくいが、下巻になるとテンポが速くあっという間に読んでしまう。

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2019/10/20

ゴリオ爺さんは幸せ者。だって娘たちを愛し尽したんだもの。傍で見ていたラスティニャックがどう感じたかは、他人から何を学ぶのかという点で人生の厳しさと悔しい思いを痛いほど感じた。ただ、過保護はいかんね。娘たちは不幸。いくらあっても足りない人生は哀しい。この作品は岩波文庫で読んでよかっ...

ゴリオ爺さんは幸せ者。だって娘たちを愛し尽したんだもの。傍で見ていたラスティニャックがどう感じたかは、他人から何を学ぶのかという点で人生の厳しさと悔しい思いを痛いほど感じた。ただ、過保護はいかんね。娘たちは不幸。いくらあっても足りない人生は哀しい。この作品は岩波文庫で読んでよかった。高山鉄男さんの訳注が作品を超えバルザック研究から語られている。後世のためにここまで丁寧に訳注・解説をしてくれたことにお礼を言いたい。しかし、既に絶版…非常に残念。

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2014/02/27

再読終点。ゴリオ爺さんの最期の叫びは壮絶で一気に読んでしまった。でも、ゴリオ爺さんみたいな親や自分本位の娘たち、どこにでもいると思う。ラスティニャックの純真さに救われた。この人が、ゴリオ爺さんと並ぶ主人公として登場していなければ、とても完読できなかったに違いない。

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2013/12/07

わしがあの子たちをあまりにも愛したものだから、娘たちにはわしに愛情をいだく余地がなくなってしまったのだ。

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2010/05/17

散々利用されるがまま、最期には棄てられる愛、分かっていながら片目をつぶりそれを惜しみなく与えた爺さん。立身出世のために小狡く立ち回りたくも、誠実に囚われ揺れる若者。人間各々何を目的にし生きているのか。

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2009/10/04

何が起ころうと明日はやってくるという事、自分は何を目的として生きるのかという事。登場人物のそれぞれの目線が面白い。

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