狭き門 の商品レビュー
真の幸福とは、苦しみ抜いた末にこそある。アリサはそんな理想に縛られていたのだと思います。不倫相手と家出をした母、家庭を築いた妹、それぞれが掴んだそれなりの幸せを見ても、それは彼女にとっては否定するものでしかなかったのでしょう。自分は本当の幸せを得るために苦しまなければならない。そ...
真の幸福とは、苦しみ抜いた末にこそある。アリサはそんな理想に縛られていたのだと思います。不倫相手と家出をした母、家庭を築いた妹、それぞれが掴んだそれなりの幸せを見ても、それは彼女にとっては否定するものでしかなかったのでしょう。自分は本当の幸せを得るために苦しまなければならない。その思いが奇異にもみえる自己犠牲に繋がり、愛するジェロームにも苦悩してもらう事を望んだ。そんな風に見えました。私がこの物語から感じたのは、愛や幸せは頭で考えるものではないよ。というDon't think, feel.の精神でした。
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やっと読み終わった。漢字は難しいし聖書の引用は多くてなかなか進まなかった(笑。文学少女であらすじだけでも知ってて良かった。 正直に言えばアリサの行動はよくわからなかった。もう早く結婚しちゃえよと思ったりした。 けれどもアリサの日記で何回も神様に問いかける場面をみるととても苦しんでいるのがわかって、なんだか悲しくなる。
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どこか悲劇に酔いしれる自己陶酔が鼻につく。一方でテーゼ自体は押し付けがましくはないから、様々な事を考えさせられた。 アリサは理想に生きる人が陥りやすい罠を体言しているように思う。ツンデレも程々に。
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我が青春の愛読書、という方がいらしたり、そういう時代が確かにあったらしいですが、すでに十数年前の私の中高生の頃には誰も見向きもしないというか、日本文学や世界文学の一冊を手に取る習慣もなくなっていました。 そうじゃない昔風の文学少年少女の著しい傾向の人は、図書館や書店で頻繁に出会...
我が青春の愛読書、という方がいらしたり、そういう時代が確かにあったらしいですが、すでに十数年前の私の中高生の頃には誰も見向きもしないというか、日本文学や世界文学の一冊を手に取る習慣もなくなっていました。 そうじゃない昔風の文学少年少女の著しい傾向の人は、図書館や書店で頻繁に出会う2人くらい。 でも、幸か不幸かこの本は、中1の夏休みの課題図書だったのでクラス全員が読まざるを得ませんでした。 アンドレ・ポール・ギヨーム・ジッドは140年前の1869年11月22日パリで生まれ、81歳まで生きたフランスの小説家ですが、今や何の名誉にもならなくなった茶番劇的なノーベル文学賞の一応受賞者です。
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ライトノベル「文学少女」シリーズでモチーフになっていた本でした。 いつもよりページ捲りが遅いなと思ってよくよく見てみると、思っていたよりずっと文字が小さくて面食らったのですが、なんとか読み終えることができました。 私にはアリサの行動が理解できなくて、庭でずっと待っているくらいな...
ライトノベル「文学少女」シリーズでモチーフになっていた本でした。 いつもよりページ捲りが遅いなと思ってよくよく見てみると、思っていたよりずっと文字が小さくて面食らったのですが、なんとか読み終えることができました。 私にはアリサの行動が理解できなくて、庭でずっと待っているくらいならなぜ結ばれようとしなかったんだろう、とどうしても思ってしまいます。 アリサの言っていることは分かるけれど、その理由は跳ね除けられないほどのことなのかと。
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アリサとジェローム、若い2人の愛を阻むものは何もないはずなのに結ばれない2人。手を伸ばせばすぐ手の届くところにある幸福にすがりつけない女性の、悲しいまでの若さと一途さ。無知で無垢な2人があまりにもどかしく、悲しい作品です。
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2月 勤務先の先生に薦められたもの。 私にとっては、1909年に書かれた宇治十帖のイメージ。 特に前半まで。 私はアリサの考え方は結局自己満足でしかないと思っている。 最後の場面の妹ジュリエットとジェロームの会話…。 「たとい他の女と結婚したところで、僕はただ愛するふりをするこ...
2月 勤務先の先生に薦められたもの。 私にとっては、1909年に書かれた宇治十帖のイメージ。 特に前半まで。 私はアリサの考え方は結局自己満足でしかないと思っている。 最後の場面の妹ジュリエットとジェロームの会話…。 「たとい他の女と結婚したところで、僕はただ愛するふりをすることしかできないだろうからね」 「では、あなたは、望みの無い恋を、いつまでも心に守っていられるとお思いになる?…そして、毎日、生活の風がその上を吹いても、それを消すことはできないとお思いになる?」 沈黙のあとジュリエットは「彼女は非常に美しく見えた」とある。 ジュリエットがジェロームに言ったのは、自分のことなのではないだろうか。 ジュリエットは他の男と結婚しても、愛するふりをするだけで、望みのないジェロームへの恋をいつまでも心に守っていたのではないか…。 アリサに批判的であるがゆえにジュリエットに対する評価が高くなってしまっているだけかもしれないけれど。 少なくとも作者はアリサの生き方を肯定している…わけではなさそうなのだ。
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プラトニック・ラブ古典フランス版って感じかな。 聖書の話が出てくる。 狭き門より入れ・・ってとこは結構衝撃。
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