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悪霊(下) の商品レビュー

4.3

43件のお客様レビュー

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『悪霊』の下巻。収録…

『悪霊』の下巻。収録されている「スタヴローギンの告白」は一読の価値あり。

文庫OFF

ドストエフスキーの思…

ドストエフスキーの思想の頂点を描いた作品です。超人スタヴローギン、無神論から人神論に傾斜するキリーロフなど恐ろしい人物の目白押しです。当時のロシアに蔓延していた社会主義思想による人工的社会改造を痛烈に批判しており、20世紀のロシア(ソ連)を予言した本ともいえるでしょう。ステパン氏...

ドストエフスキーの思想の頂点を描いた作品です。超人スタヴローギン、無神論から人神論に傾斜するキリーロフなど恐ろしい人物の目白押しです。当時のロシアに蔓延していた社会主義思想による人工的社会改造を痛烈に批判しており、20世紀のロシア(ソ連)を予言した本ともいえるでしょう。ステパン氏の民衆に説く台詞とスタヴローギンの告白は見逃せません。

文庫OFF

前半を読んでいるとき…

前半を読んでいるときはなんてつまらない小説なんだと思ったが、後半に進むにつれてどんどん引きずり込まれていく。スピード感がある。ドストエフスキーの小説は結局のところ宗教に帰着するのだが、三浦綾子と違ってまったく鼻につかない。

文庫OFF

2024/06/09

ちょっと深過ぎる。追いつきたいのと追いつきたくないのと気持ちが揺れる。圧倒的な何かにまったくもって人生観を変えられてしまう気がしてそれでいいのかどうかも分からぬまま見たくないものに覆いをかけるような日々が残された。

Posted byブクログ

2022/11/04

物心ついたころにはソ連は崩壊していたから、大人たちが「ロシアは何を考えているかわからない、怖い」というのを古い価値観に囚われてるのではと思って育っていた。今ウクライナの戦争を受けて、その感覚がわかってしまった。ロシアの文化に触れれば少しその思考がわかるかなと思って最近ロシアの文学...

物心ついたころにはソ連は崩壊していたから、大人たちが「ロシアは何を考えているかわからない、怖い」というのを古い価値観に囚われてるのではと思って育っていた。今ウクライナの戦争を受けて、その感覚がわかってしまった。ロシアの文化に触れれば少しその思考がわかるかなと思って最近ロシアの文学を意識的に手に取っている。そして本書は、今の状況に重ねようとすれば重ねられてしまう要素を孕むだけに、本当に破滅に向かってるのではないか、と不安になった。登場人物の多くの思考回路がわからないのは私が未熟だからか、それとも。。

Posted byブクログ

2022/08/04

重い。上巻からだったが、悪いこと不安な事悩ましい事しか起こらない。下巻折り返しで、怒涛の不幸&不運のジェットコースターが始まる。不幸と不運と悩みが登場人物の数だけ有って、それが全部混ざって、後味の悪い暗澹な結果となってしまった。本当に誰も救われない話だった。重い。

Posted byブクログ

2022/06/05

混沌としているうえに大仰で、ちょっとしんどくなったので流し読みしてたら、途中から訳が分からなくなってしまいました。 図書館で解説本借りてきて読んで、ようやくそういうことだったのか、と。 つかれた・・・ 視点人物の不安定さ(なんでそれ知ってるの?とか、途中で消えたと思ったらしれっと...

混沌としているうえに大仰で、ちょっとしんどくなったので流し読みしてたら、途中から訳が分からなくなってしまいました。 図書館で解説本借りてきて読んで、ようやくそういうことだったのか、と。 つかれた・・・ 視点人物の不安定さ(なんでそれ知ってるの?とか、途中で消えたと思ったらしれっと復活する、とか)、狙いなんだろうか。

Posted byブクログ

2021/05/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ロシア文学特有ではあるが名前のややこしさがすごい。わりと最後の方までステパン氏が主人公かと思ってたがスタヴローギンが主人公・・。どんどん人間味が出て、出るほどに魅力が薄れてきたり、人に知られたくない嫌な部分が晒け出されたりと読むのが辛くなる。キリーロフがものすごく強烈。やたら狂人扱いされてたが言わんとする思想が少し分かってしまうように感じた。国家に対してデモやストライキ起こす団体を思い起こされた。

Posted byブクログ

2020/09/25

悪霊 (下巻) (和書)2009年09月15日 15:52 1971 新潮社 ドストエフスキー, 江川 卓 なかなか興味深い内容でとても参考になりました。 ドストエフスキーの作品を再読してみたいなーと最近思っています。他にも彼の作品をどんどん読んでいきたい。

Posted byブクログ

2020/08/11

物語自体が壮大で複雑だし、ロシア文学特有のとっつきにくさ台詞回しのくどさもあって読みにくいとか冗長とか言う人もいるかもしれないけど、一旦引き込まれると、いっきにのめり込んでしまって、むしろ冗長さと思われたひとつひとつ、台詞回しや登場人物の思考の振れ幅なんかも面白いと感じられました...

物語自体が壮大で複雑だし、ロシア文学特有のとっつきにくさ台詞回しのくどさもあって読みにくいとか冗長とか言う人もいるかもしれないけど、一旦引き込まれると、いっきにのめり込んでしまって、むしろ冗長さと思われたひとつひとつ、台詞回しや登場人物の思考の振れ幅なんかも面白いと感じられました。 ストーリーラインでいうと、風呂敷の広げ方秀逸で、例えば第一部では、ステパン婚約をきっかけに展開が加速していって、スタヴローギンの秘密や人間関係などの伏線が散りばめられつつ、“日曜日”に収束していって、ご本人登場!みたいな展開は、読んでいてとても盛り上がったし、同時につづく章での核心に繋がるヒントや前触れも小出しされていってどんどん引き込まれていきました。 また、テーマ自体も重厚で(自分はかなり不勉強ですが)、農奴解放令以後の様々な思想や価値観が混沌とした激動の時代の中における、無神論やニヒリズムや革命思想、それを抱く人物たちの狂気、、苦悩、、きれらを書き表現できる作者の偉大さ驚愕しました。

Posted byブクログ