和宮様御留 の商品レビュー
むか~しドラマを見たな・・って思い出して読みたくなった本。 主人公フキは訳も分からないまま和宮の身代わりを一生懸命している姿が泣けてきます 最後は・・・可哀想すぎました・・・
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2009.07.28. 公武合体のため、幕府に嫁いだ和宮様が実は入れ替えられた女の子だった!という衝撃の設定から始まる物語。宮中を白い魚のように泳ぐ女たちは、非常に恐ろしいです。腹の中にどんなどす黒い策略を抱えているか、わかったもんじゃない。力関係も一気にかわったり、のらりくらり...
2009.07.28. 公武合体のため、幕府に嫁いだ和宮様が実は入れ替えられた女の子だった!という衝撃の設定から始まる物語。宮中を白い魚のように泳ぐ女たちは、非常に恐ろしいです。腹の中にどんなどす黒い策略を抱えているか、わかったもんじゃない。力関係も一気にかわったり、のらりくらりする公家さんはダメですな。役に立ちません。何も知らずに取り替え子に選ばれてそれを教えられず、幽霊のように暮らし続けた子が不憫でならない。
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もしかしたら本当にこんなことがあったのかもしれない、と思わせられる作者の力。 「あて、宮さんやおへん」フキのこの台詞がどうしようもなく、切ない。
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天璋院篤姫を読んでから少し時間をあいたが、記憶も鮮明なうちに読み始める。 この小説の大胆な設定に驚いた!でももしかしたらそうかも・・・ どんな史実でも絶対ってことはないのだから・・・特に人の心まではわかるまい。 フキを中心に話は進むのかな、と思いきや哀しいできごとが。 本当であれ...
天璋院篤姫を読んでから少し時間をあいたが、記憶も鮮明なうちに読み始める。 この小説の大胆な設定に驚いた!でももしかしたらそうかも・・・ どんな史実でも絶対ってことはないのだから・・・特に人の心まではわかるまい。 フキを中心に話は進むのかな、と思いきや哀しいできごとが。 本当であれば公武合体など何の関係もなく生きれたはずのフキが、和宮様のためにけなげにがんばった フキが犠牲となり、それでも新しい替え玉がフキ以上の出来でその後フキも思い出されることなく 終わったこと、宇多絵の心情は涙一筋のみ、語られることなく終わってしまったのが残念。
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いやー、こわい話だった。楳図かずおの漫画に似たような話があった気がするけど、こっちのほうがずーっとこわい。周りの女たちはともかく、フキに対してやさしいまなざしを向け、ひとつの輿の中でフキの手をぎゅっと握りさえした和宮の心中はいったい。
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『和宮は替え玉だった』という大胆なストーリー。 しかしある根拠に基づいて書かれているのです。 真実は闇の中・・・。 冒頭にある「井戸の茅葺屋根に茂る青草」が物語を象徴しています。 これは、頭上高い屋根に生えてしまった雑草フキちゃんの物語なのです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
嫌々ながら降嫁したけれど、将軍家茂の人柄により短い間だけれど仲睦まじかった、という和宮と家茂の話は私の中でずっと幕末ちょっといい話、だった。 この話、それとはまったく違っていてそもそも幕末ちょっといい話の前提である和宮と家茂が一回もあっていない。だから、私の中の「いい話」はおいといて、違うものとして読みました。幕末の時代背景などはあまりかかれていないので、幕府と朝廷、薩摩と長州の関係の予備知識がないと面白さは半減してしまうかも。 宮中の一騒動として読めばそれなりに楽しめる、かな。御所言葉はあまり聞いたことがなくて、語尾に「ありがとう、忝のう、存じ上げ奉ります」とかついて回りくどい。それがとても新鮮で目に心地よかった。 途中で和宮がお茶を習うシーンがあるが、お辞儀をすれば生母の観行院と、御付女官の庭田嗣子が「宮さんはは大奥に入れば一番えらいはずだからお辞儀などする必要なし」と横槍をいれて、宮さんはたったままで御付きの女官が代わりに挨拶するとか、なんていうか、笑っちゃいました。当人は笑い事ではないだろうけど、茶道なんて様式美の極みみたいなものなのに、それもまったく無視。なによりも御所風を大切にする。茶道の様式美は無視するのに、御所の様式美は絶対。 御所言葉ももうある意味様式美の世界。うわっつらだけみているとのんきで、風雅な感じですけど、いってることは皮肉たっぷりで剣呑。私は方言で書いてある話が好きなんだけど、これもその一つかも。
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今NHKでやってる篤姫で興味をもって、読んでみた。 和宮がにせものだった、なんて仮説をうちたてるなんて! 証拠もあったりするらしいから、誰かの妄想だけではなさそう。 確かに、昔は今みたいに、特に女性は顔を見せる事をしなかったわけだから、あり得ない話ではない。 なかなかおもしろか...
今NHKでやってる篤姫で興味をもって、読んでみた。 和宮がにせものだった、なんて仮説をうちたてるなんて! 証拠もあったりするらしいから、誰かの妄想だけではなさそう。 確かに、昔は今みたいに、特に女性は顔を見せる事をしなかったわけだから、あり得ない話ではない。 なかなかおもしろかった。
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何というか、圧巻。 フキが主人公であるかと思って読み進めば、結局彼女は「和宮様」のたった一部でしかなかった。 降嫁という出来事の、形ばかりが重んぜられ、個人があまりに簡単に闇に葬られていく様が衝撃だった。 語られる歴史の陰に和宮さんやフキや宇多絵のような人々が、どれほどいただろう...
何というか、圧巻。 フキが主人公であるかと思って読み進めば、結局彼女は「和宮様」のたった一部でしかなかった。 降嫁という出来事の、形ばかりが重んぜられ、個人があまりに簡単に闇に葬られていく様が衝撃だった。 語られる歴史の陰に和宮さんやフキや宇多絵のような人々が、どれほどいただろうかと思う。
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瓦解寸前の徳川将軍家に降嫁を命ぜられた和宮の身代わりとなった少女フキと、その周りで姦計を巡らす人々を描いた作品。 さすがの有吉佐和子で、和宮身代わり説に基づいて組まれた筋立ては見事だ。 冒頭にフキのお下としての姿が描かれ、その後の和宮としての生活とのあまりの差異に戸惑い、壊れてゆ...
瓦解寸前の徳川将軍家に降嫁を命ぜられた和宮の身代わりとなった少女フキと、その周りで姦計を巡らす人々を描いた作品。 さすがの有吉佐和子で、和宮身代わり説に基づいて組まれた筋立ては見事だ。 冒頭にフキのお下としての姿が描かれ、その後の和宮としての生活とのあまりの差異に戸惑い、壊れてゆく様に怖さと悲しさを引き立てている。 和宮の身代わりになることに一切の説明も説得もなく、ただそれが当たり前のように進んでいく。 そしてその過程で周りにいる人々は己の保身、欲望のみに囚われ、誰一人フキのことを顧みるものはいない。唯一心を許せるはずだった少進も、結局のところはフキではなく和宮という立場にいる者に尽くしているだけだと分かる後半は切な過ぎる。 一人の無垢な少女が周囲の思惑によってその人生を狂わされていく。しかしその周囲の者さえも時代という大きな波の中でそれぞれの人生を翻弄されていかざるを得ない。 御東下道中散々反目しあった公家側の女たちがフキの発狂により、江戸に対して一致団結して新たな和宮の身代わりを立てていく様は滑稽で悲しい。 この本は一貫して悲しい作品だ。 それとは別に宮中言葉や所作、様々な決まりごとなど非常に興味深かった。こちらの面からも十分堪能できる1冊。
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