山月記・李陵 の商品レビュー
硬派で括約筋の締まった文章。教科書でお馴染みの『山月記』を始め、『李陵』や『弟子』『名人伝』『木乃伊』『斗南先生』も収録されているため、中島敦の作品を一気に味わうことができた もちろん難しい単語は多かったが、解説含め、読んでよかった。 その他、『文字禍』も収録
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文章というものは、斯く在るべき也。 美しい日本語とはまさにこれ。 平家物語の冒頭も良いセンいっているけれど、あれは漢詩だから次点。 もう今やこういう見て美しい文章を書ける「名人」はいない。
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高校の授業で、「山月記」を始めて読み、 その独特な世界が心に残った。 今回、七つの短編・中編小説を集めたこの小説集を読んでみて、 シビアな現実と夢のように不思議な物語展開が両立していて、 ようやく「人間的な心情」を取り戻したのに、 その取り戻したものをいずれ喪うであろうことが予...
高校の授業で、「山月記」を始めて読み、 その独特な世界が心に残った。 今回、七つの短編・中編小説を集めたこの小説集を読んでみて、 シビアな現実と夢のように不思議な物語展開が両立していて、 ようやく「人間的な心情」を取り戻したのに、 その取り戻したものをいずれ喪うであろうことが予期される、 哀切なラストが印象的な「山月記」も 相変わらず好きな作品だと思ったし、 初めて読んだ「李陵」も、登場人物達の数奇な運命が、 時に激しく、時に静かに、 うねりのある筆で描かれていて、引き込まれたけれど、 一番心に残った作品は「弟子」だった。 まさしく「愚直」という言葉がふさわしいような、 不器用でまっすぐな男、子路の 師匠である孔子への一途なまでの忠実さや、 その一方で時より彼の考えに対して抱く疑問や反発、 そして壮絶な人生の物語は、自分の心を打った。 師匠である孔子が、彼の揺れる心の内や長所を理解し、 彼のそのまっすぐさを愛しているところも良かった。 子路が師匠を思う分、孔子もまた子路の、 一見欠点ともいえる不器用さを愛しているところに 救いを感じる。 読んでいる途中も、また読み終えた後も、 ただ切なくて、何か熱いもので胸を締め付けられ、 どうしていいかわからないけれど、泣きたくなってしまう作品。
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山月記:悲しい話。 木乃伊:ラストが気持ち悪い。 文字禍:ギャグ?面白い。 名人伝:名人なのか?! 弟子:子路の最期が残酷過ぎる…。
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国語の教科書に載っている奴です。 この方の作品の蝋燭の火を吹き消したような余韻が好きです。言葉の並びというか運びというか言い表しきれないけど素晴らしすぎる。
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