ラヴクラフト全集(2) の商品レビュー
元となった「ラヴクラフト傑作集2」は、 ボロボロになるまで読み込んでいました。 なのでこの本は再読の再読。 ・クトゥルフの呼び声 大伯父の残したものを調べることで、 知ってしまった宇宙からきた恐怖の神々の存在。 未知なる名状しがたきものから追われる恐怖! ・エーリッヒ・ツァンの音...
元となった「ラヴクラフト傑作集2」は、 ボロボロになるまで読み込んでいました。 なのでこの本は再読の再読。 ・クトゥルフの呼び声 大伯父の残したものを調べることで、 知ってしまった宇宙からきた恐怖の神々の存在。 未知なる名状しがたきものから追われる恐怖! ・エーリッヒ・ツァンの音楽 禁断の曲を奏でたことの悲劇か? それとも、その演奏を未知なるものに愛でられたのか? ・チャールズ・ウォードの奇怪な事件 不可思議なる先祖を調べることにより、 後戻りできない運命となる青年と、救おうとする医師。 クライマックスの対決は息をのむ! 作者の創造力が毒々しく花開く作品集です。 風景や人物の描写の素晴らしさの中に潜む、恐怖。 じわじわと忍び寄ってくるけど、読むのがやめられない!
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・クトゥルフの呼び声 これに出てくるクトゥルフという単語から、クトゥルフ神話と呼ばれるようになったらしい。地球規模で複数の人間に似たような恐怖の夢を見させることができる存在。それが海底のル・リエーの家で眠っていると。なかなか壮大なスケールの恐怖感がよい。 ・エーリッヒ・ツァン...
・クトゥルフの呼び声 これに出てくるクトゥルフという単語から、クトゥルフ神話と呼ばれるようになったらしい。地球規模で複数の人間に似たような恐怖の夢を見させることができる存在。それが海底のル・リエーの家で眠っていると。なかなか壮大なスケールの恐怖感がよい。 ・エーリッヒ・ツァンの音楽 呪いの旋律とでもいうべき音楽を奏でるエーリッヒ。実はその旋律で魔物と闘っていたのだろうか。短いながらも印象深い話。 ・チャールズ・ウォードの奇怪な事件 ネクロマンサーが一般社会に暮らしていたらどうなるか、という話。長い割にはインパクトがなかった。魔術師対決が見られるとは思っていなかった。そこだけが目が覚める思いがした。
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TRPGで有名らしい「クトゥルーの呼び声」を筆頭に収録。 他の巻に比べ、怪異に直接対峙している(というか、対峙している描写が比較的正気のまま書かれている?)作品が多いのが特徴。幻想的な雰囲気を楽しめる「エーリッヒ・ツアンの音楽」がこの間の中ではお勧めか。
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「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三篇収録。 どれも不気味でどんよりとした雰囲気の恐怖が味わえます。お気に入りは「エーリッヒ・ツァンの音楽」。とても幻想的に思えたけれど、不気味でもあるし。はっきりと恐怖の正体が明かされずにもや...
「クトゥルフの呼び声」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の三篇収録。 どれも不気味でどんよりとした雰囲気の恐怖が味わえます。お気に入りは「エーリッヒ・ツァンの音楽」。とても幻想的に思えたけれど、不気味でもあるし。はっきりと恐怖の正体が明かされずにもやっとした感じなのがまた印象的。恐ろしい出来事がいったいなんだったのか、知りたいような知りたくないような……。
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クトゥルフ神話の著者、ラヴクラフトの全集2巻。「クトゥルフの呼び声」も「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」もクトゥルフらしくてぞわぞわしました。先祖の歴史を調べてはいけない(笑)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『肉体器官の作用が極度に均衡を失って…』『見る者をして、部屋の隅々から妖気の立ち昇る思いを感じさせるのだった』だの持ってまわった小難しい言い回しが多いのが著者(翻訳?)の特徴。おかげで「古風」で「変に不気味」で「妙なシズル感」がある文章。 その上長編でサラッと読むめない、序盤で何となくオチの予想が付く。けれど何回も読み返してしまう「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」。 特に後半のドロンドロンな展開が同じく後半の主人公であるウォレット医師の勇気と行動によって思わず読み進めてしまう展開にしているのがなんかいい。
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第2巻。 収録作で最も有名なのは『クトゥルフの呼び声』だろう。最初に読んだときは衝撃だった。 2巻の大半を占める『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』は、読み返すたびに、冒険小説のように感じてしまう。欧米のホラーは怪奇現象に対して『立ち向かう』『戦う』という傾向が強いせいだろうか。...
第2巻。 収録作で最も有名なのは『クトゥルフの呼び声』だろう。最初に読んだときは衝撃だった。 2巻の大半を占める『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』は、読み返すたびに、冒険小説のように感じてしまう。欧米のホラーは怪奇現象に対して『立ち向かう』『戦う』という傾向が強いせいだろうか。 時代が下って現在に近くなると、米国のホラーは『物理的に危害を加えられる』方向に進む気がする。文化的な違いが垣間見えて面白い。
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全集2巻目は3作品が収録。世界は安定したものではなく、辛うじて危ういバランスの上に存在している。ふとしたきっかけからそれを認識してしまう恐怖と絶望。この世界観は好きだけど、文章が華美でくどいのよね。あと7冊?読めるかな。
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クトゥルフの呼び声の壮大な宇宙観に、悪夢でたまに感じる、あの全身が総毛立つようなゾッとする根源的な恐怖心が蘇ってきた。 ラヴクラフトの一人称で淡々と語り続ける作風が好きだ。神秘学や黒魔術に彩られた重厚な宇宙的ゴシック小説。
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クトゥルフ神話大系の長、ラヴクラフト全集の2冊目は、今なお映画の原作モチーフとして用いられるホラーの名作『クトゥルフの呼び声』の他、傑作短編でショートホラームービーのような『エーリッヒ・ツェンの音楽』。ラヴクラフトとしては珍しい長編小説であり、話の中盤の途中がやたらと中弛みして退...
クトゥルフ神話大系の長、ラヴクラフト全集の2冊目は、今なお映画の原作モチーフとして用いられるホラーの名作『クトゥルフの呼び声』の他、傑作短編でショートホラームービーのような『エーリッヒ・ツェンの音楽』。ラヴクラフトとしては珍しい長編小説であり、話の中盤の途中がやたらと中弛みして退屈になる所などは、かの怪奇カルトムービー映画の父ロジャー・コーマンの演出風味そのまんまの展開が有る意味で味わいの深い『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』を収録。今にすれば恐怖、怪奇というよりも奇異な物語はかえって新鮮に感じられる。
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